先月読んだ本(読書メーターまとめ)
こんにちは、槙です。
先月もいっぱい読みました。
6月はチェアリングしながらの読書も多かったですが、先月は暑くなってたのでもう無理。図書館なんかで涼みながらの読書です。
先月読んだ本で一番印象に残ったのは「三体Ⅱ」。なんかすごいエンタメ展開でただただ面白かった。1作目が肌に合わない人でもこれなら楽しめるんじゃないかな。

あとは「テスカトリポカ」。残酷描写も多くて人を選ぶ作品だと思うけど、そこさえクリアすれば直木賞も納得の満足感が味わえると思います。
逆に肌に合わなかったのが「同志少女よ、敵を撃て」。戦争孤児の少女たちを凄腕スナイパーに育て上げて…って展開なんだけど、なんかマンガやアニメでよくありそうな設定がてんこ盛りでダメだった。自分と同じように感じる感想は読書メーターであんまり見かけないので少数派みたいだけど。
(9/23追記)
本作の直木賞選評を見かけ、高村薫さんのコメントが的を射ていたので引用します。
『小説はどんな舞台であれ、人間の姿を描くものである。本作に登場する少女たちはみな、戦争というゲームのキャラクターのようだった。』
そうそう東野圭吾さんの最高傑作は「白夜行」だと思います。
以下、ほとんどがネタバレ感想になりますのでご注意ください。
7月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:5052
ナイス数:304
52ヘルツのクジラたちの感想
とても良い作品だった。アンさんの煮え切らない態度の裏にあんな背景があったとは…、ここでタイトルのクジラたちという部分の深みが一気に増した感じがする。彼がどのような想いでキナコを見つめ続け、そして行動したのかを想像するだけで泣けてくる。終盤の展開が多少出来過ぎな面もあるけど、アンさんの不遇を考えれば前向きなラストで救われた。
読了日:07月01日 著者:町田そのこ
テスカトリポカの感想
非常にスケールの大きい作品。読み初めの頃、読んでも読んでも話が展開しなくて、でも逆にそれがワクワク感につながって楽しかった。ネグレクトにより通常の道徳観を持ち合わせないハーフの少年コシモと、アステカの残虐な宗教性を組み合わせつつ展開するストーリーは文句なしに面白かった!
読了日:07月04日 著者:佐藤 究
同志少女よ、敵を撃ての感想
これが本屋大賞になるの?というのが正直な感想。とにかく薄っぺらい。ソ連の地政学知識があれば違うのか?とか、女性の視点で読めば印象も変わるかも…と思ったけど、結局おっさんには合わなかった。設定もあっちこっちで聞いたようなものを貼り合わせていてリアリティが感じられなかった。
読了日:07月06日 著者:逢坂 冬馬
スモールワールズの感想
最初の「ネオンテトラ」から次の「魔王の帰還」の振り幅にビックリした。シリアスめな短編集なのかな〜と思ってたところにドタバタギャグが来た!感じ。そのようにバラエティに富み、かつ非常に高レベルな短編集で、誰にでも薦められる。特設サイトが出来ててそこにある「回転晩餐会」を朗読で楽しむのもオツ。アラフィフおっさんには「愛を適量」が一番刺さった。
読了日:07月08日 著者:一穂 ミチ
かがみの孤城の感想
読み始めてすぐに「カラフル」っぽいなと感じて、現実世界の学校で合流できなかったところで「君の名は。」パターンだなと確信し、マサムネが語る並行世界の生き残りをかけたゲームには「ぼくらの」を思い浮かべながら読んだ。そういう体験がなければもっとワクワクしながら読めたんだろうなぁ…。それでも物語の構成は見事で、オチも綺麗にまとめてる。マサムネが語ったゲームクリエイターの名がスバルだったのを改めて確認しようとして、前の方から探していったらそれがだいぶ後ろでムダに時間がかかった。
読了日:07月09日 著者:辻村 深月
天使の囀り (角川ホラー文庫)の感想
グロい小説でおすすめされてたので読んでみた。1日で一気読みするくらい面白かった。今から24年前の1998年に刊行された作品なのでコンピューター類の描写を懐かしく感じた。ただ18禁ゲームを『Hゲー」としているのに違和感、そのまま「エロゲー」って読んでたと思うけど…
読了日:07月11日 著者:貴志 祐介
正欲の感想
前半はなかなか話が進展せず退屈だったが、後半になって俄然面白くなってきた。多様性を謳いながら性的マイノリティは徹底的に排除する現代の風潮を皮肉った作品。ラスト、佐々木夫妻はしっかりとした絆で結ばれてるのはいいんだけど、諸橋は少しでも救われたのかな?そして八重子のうざキャラっぷりがすごかった。
読了日:07月15日 著者:朝井 リョウ
殺戮にいたる病 (講談社文庫)の感想
グロい本おすすめで知った本。面白かった。携帯や監視カメラが普及しておらず、宮崎努事件の影響が色濃く残っているのが時代を感じさせる。終盤、妹が殺されちゃうんだろな、でも連続殺人鬼の妹として残されるよりそっちの方が良いのか?なんて想像してたら、ラストで???と見事に引っかかってた。でもこの叙述トリックの仕掛けがなくても傑作なのでは?と思わせた作品。
読了日:07月17日 著者:我孫子 武丸
白鳥とコウモリの感想
とても面白かったけど帯にある「最高傑作」ほどではないと思う。よくできたTVドラマ的な面白さ? 長く愛知県に住んでいたので知った地名が出てくるとなんか親近感が湧いてくる。
読了日:07月21日 著者:東野 圭吾
三体の感想
一通り出版されたのでシリーズ通読しようと思い、3年ぶりに再読。思った以上に内容を忘れてて自分の記憶力のなさに愕然とした。それはともかく3年前は読み取れなかった構成の妙とか、シリーズが完結している安心感からくる余裕?なんかのせいで、前は全く感じられなかったワクワク感に浸っている。この続きを明日読める幸せよ! (^^)
読了日:07月26日 著者:劉 慈欣
三体Ⅱ 黒暗森林 上の感想
前作から登場人物がかなり変わっていたので、最初、読み進めるのに時間がかかった。でも中盤から終盤にかけては一気読み。下巻で話がどう展開していくのか楽しみ。
読了日:07月28日 著者:劉 慈欣
三体II 黒暗森林 下の感想
次作があるのがわかってるからこそ、最後の展開は全くの予想外で、面壁者である主人公に見事にしてやられた。シリーズで一番面白いと言われるのも納得。上巻で脳内彼女の話してた頃からすると、ここまでエンタメ展開になるとは夢にも思わなかった。前作がミステリっぽいところがあったからなおさら。あと200年後の世界がどこもかしこもディスプレイになるという描写には三体人の思考を想起させる不気味さが感じられた。
読了日:07月30日 著者:劉 慈欣
読書メーター
先月もいっぱい読みました。
6月はチェアリングしながらの読書も多かったですが、先月は暑くなってたのでもう無理。図書館なんかで涼みながらの読書です。
先月読んだ本で一番印象に残ったのは「三体Ⅱ」。なんかすごいエンタメ展開でただただ面白かった。1作目が肌に合わない人でもこれなら楽しめるんじゃないかな。

あとは「テスカトリポカ」。残酷描写も多くて人を選ぶ作品だと思うけど、そこさえクリアすれば直木賞も納得の満足感が味わえると思います。
逆に肌に合わなかったのが「同志少女よ、敵を撃て」。戦争孤児の少女たちを凄腕スナイパーに育て上げて…って展開なんだけど、なんかマンガやアニメでよくありそうな設定がてんこ盛りでダメだった。自分と同じように感じる感想は読書メーターであんまり見かけないので少数派みたいだけど。
(9/23追記)
本作の直木賞選評を見かけ、高村薫さんのコメントが的を射ていたので引用します。
『小説はどんな舞台であれ、人間の姿を描くものである。本作に登場する少女たちはみな、戦争というゲームのキャラクターのようだった。』
そうそう東野圭吾さんの最高傑作は「白夜行」だと思います。
以下、ほとんどがネタバレ感想になりますのでご注意ください。
7月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:5052
ナイス数:304

とても良い作品だった。アンさんの煮え切らない態度の裏にあんな背景があったとは…、ここでタイトルのクジラたちという部分の深みが一気に増した感じがする。彼がどのような想いでキナコを見つめ続け、そして行動したのかを想像するだけで泣けてくる。終盤の展開が多少出来過ぎな面もあるけど、アンさんの不遇を考えれば前向きなラストで救われた。
読了日:07月01日 著者:町田そのこ

非常にスケールの大きい作品。読み初めの頃、読んでも読んでも話が展開しなくて、でも逆にそれがワクワク感につながって楽しかった。ネグレクトにより通常の道徳観を持ち合わせないハーフの少年コシモと、アステカの残虐な宗教性を組み合わせつつ展開するストーリーは文句なしに面白かった!
読了日:07月04日 著者:佐藤 究

これが本屋大賞になるの?というのが正直な感想。とにかく薄っぺらい。ソ連の地政学知識があれば違うのか?とか、女性の視点で読めば印象も変わるかも…と思ったけど、結局おっさんには合わなかった。設定もあっちこっちで聞いたようなものを貼り合わせていてリアリティが感じられなかった。
読了日:07月06日 著者:逢坂 冬馬

最初の「ネオンテトラ」から次の「魔王の帰還」の振り幅にビックリした。シリアスめな短編集なのかな〜と思ってたところにドタバタギャグが来た!感じ。そのようにバラエティに富み、かつ非常に高レベルな短編集で、誰にでも薦められる。特設サイトが出来ててそこにある「回転晩餐会」を朗読で楽しむのもオツ。アラフィフおっさんには「愛を適量」が一番刺さった。
読了日:07月08日 著者:一穂 ミチ

読み始めてすぐに「カラフル」っぽいなと感じて、現実世界の学校で合流できなかったところで「君の名は。」パターンだなと確信し、マサムネが語る並行世界の生き残りをかけたゲームには「ぼくらの」を思い浮かべながら読んだ。そういう体験がなければもっとワクワクしながら読めたんだろうなぁ…。それでも物語の構成は見事で、オチも綺麗にまとめてる。マサムネが語ったゲームクリエイターの名がスバルだったのを改めて確認しようとして、前の方から探していったらそれがだいぶ後ろでムダに時間がかかった。
読了日:07月09日 著者:辻村 深月

グロい小説でおすすめされてたので読んでみた。1日で一気読みするくらい面白かった。今から24年前の1998年に刊行された作品なのでコンピューター類の描写を懐かしく感じた。ただ18禁ゲームを『Hゲー」としているのに違和感、そのまま「エロゲー」って読んでたと思うけど…
読了日:07月11日 著者:貴志 祐介

前半はなかなか話が進展せず退屈だったが、後半になって俄然面白くなってきた。多様性を謳いながら性的マイノリティは徹底的に排除する現代の風潮を皮肉った作品。ラスト、佐々木夫妻はしっかりとした絆で結ばれてるのはいいんだけど、諸橋は少しでも救われたのかな?そして八重子のうざキャラっぷりがすごかった。
読了日:07月15日 著者:朝井 リョウ

グロい本おすすめで知った本。面白かった。携帯や監視カメラが普及しておらず、宮崎努事件の影響が色濃く残っているのが時代を感じさせる。終盤、妹が殺されちゃうんだろな、でも連続殺人鬼の妹として残されるよりそっちの方が良いのか?なんて想像してたら、ラストで???と見事に引っかかってた。でもこの叙述トリックの仕掛けがなくても傑作なのでは?と思わせた作品。
読了日:07月17日 著者:我孫子 武丸

とても面白かったけど帯にある「最高傑作」ほどではないと思う。よくできたTVドラマ的な面白さ? 長く愛知県に住んでいたので知った地名が出てくるとなんか親近感が湧いてくる。
読了日:07月21日 著者:東野 圭吾

一通り出版されたのでシリーズ通読しようと思い、3年ぶりに再読。思った以上に内容を忘れてて自分の記憶力のなさに愕然とした。それはともかく3年前は読み取れなかった構成の妙とか、シリーズが完結している安心感からくる余裕?なんかのせいで、前は全く感じられなかったワクワク感に浸っている。この続きを明日読める幸せよ! (^^)
読了日:07月26日 著者:劉 慈欣

前作から登場人物がかなり変わっていたので、最初、読み進めるのに時間がかかった。でも中盤から終盤にかけては一気読み。下巻で話がどう展開していくのか楽しみ。
読了日:07月28日 著者:劉 慈欣

次作があるのがわかってるからこそ、最後の展開は全くの予想外で、面壁者である主人公に見事にしてやられた。シリーズで一番面白いと言われるのも納得。上巻で脳内彼女の話してた頃からすると、ここまでエンタメ展開になるとは夢にも思わなかった。前作がミステリっぽいところがあったからなおさら。あと200年後の世界がどこもかしこもディスプレイになるという描写には三体人の思考を想起させる不気味さが感じられた。
読了日:07月30日 著者:劉 慈欣
読書メーター