「周囲を巻き込む力」の足りない部下が捨てるべきたった1つの考え方。
「周囲を巻き込む力」の足りない部下が捨てるべきたった1つの考え方。
「周囲を巻き込む力」
僕自身、この力が足りなくて悩んだ過去があります。
社内で年次とともにスキルも向上していくと、ある一定の仕事量であれば一人こなせるようになってきます。そして、自分一人でこなすことで自分の成長実感や満足感を得ることができます。
しかし、そのやり方は必ずあるタイミングで天井を迎えます。
天井を迎えるタイミングとは、自分一人では、物理的・時間的にこなしきれない仕事を任された時です。
ところが、しばらくの期間、僕はそのような膨大な作業量の仕事に対して、神風特攻隊のごとく自分一人で突っ込んでいくという自殺行為のような仕事の仕方から抜け出せずにいました。
その原因は、自分に対する「万能感」です。
「万能感」とはまさに、どんなことも自分で出来てしまう。という過信や慢心を表す心理状態のことを指します。
自分一人ではやりきれない仕事を担うようになってからの勝負は、自分がどれだけスキルを持っているか?ではなく、どれだけのスキルを持った人を集められるか?が重要になってくるにも関わらず、自分の「万能感」から逃れられずにいました。
そして、マネージャーになった現在、過去の自分と同じ壁にぶつかっている部下がいます。
この部下と話をする中で、「万能感」によってどんな弊害が生まれてしまうのか?そして、どう考え方を転換させることで「周囲を巻き込むこと」ができるのか?について僕自身も改めて考えさせられたことについて、今回の記事を通じてお伝えしたいと思います。
「万能感」によって生まれてしまう考え方。
協力者を集める時間がもったいない。
協力者を集めるというのは、思いのほか時間がかかるものです。単にやってほしい仕事内容を伝えるだけでは不十分で、それを行う目的や意図、背景から伝えなくては、仲間に動いてはもらえません。
そんな場面における「万能感」の弊害は、「その時間があれば自分自身でもっとたくさんの仕事ができるのに…」という気持ちを生んでしまうということです。
しかし、僕の経験上、どんな優秀な人でも一人で何人分もの仕事を請け負うという状況は、必ずどこかで粗が出ます。
それが一見些細なミスであっても、見過ごしてしまうことで、後に仕事全体に大きな影響を与える傷口になりかねません。
他人に口出しされたくない。
ある程度仕事が習熟してくると、そこには自己流のやり方が生まれてきます。
この自己流で仕事を進めていく上では、出来る限り他人を介在させない。というのが、効率化につながります。
いわゆる自己流の仕事というのは、自分の判断で本来必要なフローを省いたり、本来のフローにないアレンジを加えたりすることで、自分以外の人は「これどういうこと?」という疑問を感じやすいからです。
自分がやったという成果が欲しい。
実務作業に携わった量が多ければ、多い程、仕事に貢献しているという実感が得やすいのは事実です。
仮にその仕事が成功した時、「あれも、これも、こんなことまで、全部自分がやりました。」と言えるのは、素晴らしいことであることの反面、それは自己満足でしかないという側面もあります。
それは、仕事を頑張っているプロセス自体に満足してしまっているとも言い換えられると思います。
果たして、その仕事がどれだけ顧客満足や会社の利益貢献に繋がったのか?という点がすっこ抜けている場合が、非常に多いと感じます。
どのような考え方に転換する必要があるのか?
ポイントは3つです。
- 仕事の目的共有に最も時間を割く。
- 基本に忠実で、誰でもわかる仕事のプロセスで実行する。
- 自分の成果ではなく、顧客満足や会社利益に重点を置く。
つまり、独りよがりな自分のプライドを捨て、他人の為に自分のリソースを割くことを大切にする必要があるということです。
「周囲を巻き込む力」とは、自分がどれだけ熱心に作業を頑張ったか?ではなく、どれだけ他人の為に時間を使ったか?によって得られるものだと思います。
まとめ
組織の仕事とは、ポジションが上がっていけば行くほど、「自分で行うもの」から「他人にやってもらうもの」に変化していきます。
その中で、「どうやったらできるか?」ではなく「どうしたらやってもらえるか?」ということに思考をシフトしていくことが大切だと感じます。
そのような仕事の仕方に対して自分の「役割」や「やりがい」に対して疑問を感じる場面もあるかもしれませんが、そこには他人や会社などの成果を「自分ごと」として受け入れる視座の高さを身に付けることが必要なのだと思っています。