【上司と部下】仕事に求めるクオリティの不一致について。
【上司と部下】仕事に求めるクオリティの不一致について。
仕事は8割で仕上げるという効率化のセオリー
生産性向上や効率化に関するビジネス本を読んでいると、どんな本においても1つの仕事に100%のエネルギーは注ぐべきではないと語られています。
それは、仮に自分にとって100%出来に仕上げたとしても、上司や取引先から指摘や要望は避けられず、結果的に修正は不可避だからです。
だとすると、細部まで決めすぎずに少しの余白を残しておく方が、スムーズに仕事を運ぶことができるという考え方です。
しかし、この余白を残すという考え方を、過去の僕は非常に自分にとって都合よく解釈してしまっている部分がありました。
それによって、ある時期を境に全く上司と仕事のクオリティに関してかみ合わなくなってしまい、関係性が悪化してしまった経験があります。
仕事=作業ゲーという認識
「目の前の仕事をどれだけ早く捌いていくか?」
それが仕事において僕にとってのトッププライオリティーでした。
これは、入社してから数年間の実務レベルを行う期間においては、非常に有効に作用し、上司からの評価も得られていました。
しかし、サブマネジメントや計画のような少し抽象度の高い仕事を行うようになって、徐々に行き詰まりを感じてきました。
それは、抽象度の高い仕事においても、相変わらず80%の作業レベルを満たすことばかり考えて「作業ゲ―」から抜けだせずにいたのです。
- 中身のない文字だけを80%埋めた資料。
- 情報収集だけを80%まで行って終わり。
- 集計作業だけを80%まで行って終わり。
そこで必要だったのは、「思考する」ということが求められるにも関わらず、その場面においても「80%でOK」という作業偏重の自分にとって都合の良い仕事を行ってしまっていたのです。
つまり、作業という部分しか見えていなかった自分にとっては、80%に仕上がったつもりであっても、実は求められている仕事全体を俯瞰してみると、20~30%程度の仕上がりにしかなっていないという落とし穴があったのです。
情報収集や集計のような業務は、膨大で複雑になるほど、それだけを抜き出して1つの作業として認識してしまいがちな点は、気をつけなければいけません。
抽象度の高い仕事における8割クオリティの基準はどこか?
一言で言うと、「人を動かす」要素が満たされている状態であると言えます。
もう少し掘り下げると、3つのポイントに分けられると思います。
主張が明確
「それによって何をしたいのか?何が言えるのか?」を明確にすることは、当たり前のことのようですが、最も大切なことだと思います。
- 文字ばかりの資料で何が言いたいのかわからない。
- 膨大な情報が集められただけで、そこから何が言いたいのかわからない。
このようなことって結構あると思いますし、僕自身もそんな仕事を繰り返していました。
現状に対する課題が明確
自分の主張を多くの人に理解してもらう為には、相手の「なぜ?」に応える必要があると思います。
理解を促す為に必要なことは、現状を整理することです。
現状を正しく整理することで、浮かび上がる課題には説得力があります。
僕も含め、現状を整理するだけの作業に陥ってしまいがちですが、ここで大切なことはどの視点を持つか?ということだと思います。
誰の視点に立つかによって見える現状は全く異なるからです。
行うべきアクションが明確
最後がアクションです。
目指すべき方向や、現在の課題といった背景を踏まえた上で初めて、「では、どうするのか?」という行動が見えてきます。
僕自身は、上記のステップを一足飛びにしていきなり「やること」だけにフォーカスしてしまい、一緒に動くメンバーの頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいることが多々ありました。
仕事を早くクロージングさせることに焦ると、結果的には「動いてもらえない」という状況に陥ってしまうという反省がありました。
だからこそ、アクションは最後に持ってくるべきなのです。
まとめ
手を動かす作業的な仕事と、頭を使う思考的な仕事には大きな隔たりがあると思います。
特に勘違いしていたのが、時間軸の違いです。
作業的な仕事は、1日に何本もこなす分単位で進捗が計算できる仕事。
一方、思考的な仕事は1週間や1月また半年をかけて日単位で進捗を確認しなければいけない長期にわたる仕事です。
そして、長期にわたる思考的な仕事の先に日々の作業的な仕事があるのです。
もっというと、作業的仕事は思考的な仕事の中に包含されているとも言えるかもしれません。
そのように、仕事を分類しながら考え、自分が今取り組んでいる仕事はどのフェーズの仕事なのか?という意識を持つことで、上司との仕事のクオリティのギャップを埋めていけるのではないかと思っています。