適当すぎるのになぜか現場が回ってしまう上司の不思議。
適当すぎるのになぜか現場が回ってしまう上司の不思議。
「明るく、元気で、前向き。」だけが取り柄。
こんな人周りにいないですか?
僕の会社では、体育会系出身の上司に結構多い気がします。
僕はいつも不思議に思うことがあります。
それは、計画性があってキレキレに頭が良い人よりも、この手の適当すぎる上司の方が、ツッコミどころは多いものの、現場マメジメントがうまく回っているという印象があるのです。
今回の記事では、この不思議について、ツッコミどころに触れつつ、考察を深めていきたいと思います。
興味の移り変わりが早い
とにかく、興味の幅が広く、色々なものに手を出したがります。
- 今日のヤフーニュースに乗ってたアレ。試してみようよ。
- 昨日○〇さんが言ってたアレ。やらない?
- 最近〇〇にはまってるんだけど、うちの職場でもやってみない?
こんな会話が日々繰り広げられます。
部下の僕らも、仕事における優先順位や重要度、その目的を理解しないまま、
「とりあえず、やってみる」という上司のスタンスに乗っかっていました。
しかし、気まぐれな上司はある瞬間、急に熱が冷めてしまうのです。
ある部下が「先週おっしゃってたヤフーニュースのアレなんですが。」
と業務進捗を報告にいくと、
「え?なんだっけそれ??」
といった始末です。
「とりあえず、やってみる」というスタンスはとても良いと思うのですが、
ある程度やり切って、検証をするという過程なくしては、
それのチャレンジはすべて徒労に終わってしまうと思うのです。
めちゃくちゃへこみやすい
実は、めちゃくちゃナイーブという側面も持ってます。
色々なチャレンジを試みては、忘れ、また同じことを繰り返す。
こんなことをしていると、
時にたまに、トンデモない地雷に当たることがあります。
上司が「本気で取り組もう!」と息巻いて取組をスタートさせた取引先に対して、
途中からすべての商談予定をすっぽかしてしまっていたことがわかりました。
実はその取引先が、僕らの会社の別の部署が大口案件の取引をする予定だったのですが、
上司のすっぽかしが原因で、その取引まで白紙になってしまったという事件がありました。
その時は、役員まで呼び出され、叱責されたそうです。
そういったことがあると、普段はゴリゴリの体格で胸を張っている上司が、
背中を丸めて急に小さくなってしまうのです。
このようなことはまぁまぁ頻繁にあり、その度に「なにかあったんだろうな…」
というのがすぐにわかります。
しかし、三日もすれば忘れて、いつも通りに戻るのですが…
周囲を味方にする力
ここまで説明してきたように、まるで若手社員のようなツッコミどころだらけの上司なのですが、決して憎めないのです。
その理由は、いくつかありますが、
「すべてがオープンである」ということが一番だと思います。
自分の思っていることや考えていることは、「浅いな」と思われるようなことで
もなんでも口に出すこと。
それ自体で、周囲に人格の理解を促しているのかもしれません。
また、あからさまに落ち込んだりする様子も、モノを言わずとも心境の理解を促しているのだと思います。
「人は知らないものを嫌い、知っているもの好みます」
その性質からすると、難しいことばかり言って何を考えているかわからない上司よりも、
すべてさらけ出し単純でわかりやすい上司の方が、部下との心理的距離が縮まるのかもしれません。
そして、心理的距離が縮まることで、
- あの人のことだからしょうがいないか。
- しかたないから、助けてあげようか。
という周囲の協力体制が生まれていたのです。
「だめだめ」であることも、マメジメントにおいては武器になりえるのだということを知ったのでした。
まとめ
今回ご紹介した上司から学んだ教訓は、
「弱みをさらけ出す」ことの大切さです。
しかし、ただ弱みをオープンにするだけでは、何もうまくいきません。
あくまで、何かしらの強みがあった上で、というのが前提です。
この上司は、明るく、元気で、前向き。という強みがあったからこそ、
すぐ忘れてしまったり、ナイーブな一面がギャップとしてうまく作用したのだと思いますし、それは固有のものだと思います。
これは、意識してコントロールするようなものではないと思いますが、
自分の強みも弱みも相手に理解してもらうということは、
非常に大切なことであると感じさせられました。