一人で何でも背負いすぎる責任感の強い上司を持った時に、部下として必要なこと。
一人で何でも背負いすぎる責任感の強い上司を持った時に、部下として必要なこと。
「これは僕がやっておくよ。」
「それも僕がやっておくね。」
特に若手のマネージャーなどが上司になった場合は、自分自身の責任を果たそうと、ほとんどの仕事を上司自身がこなそうとしてしまう現象にたまに出会います。
このような姿は、一見頑張っているように見えますが、
マネージャーのスキルとしては未熟な証拠だと思っています。
なぜなら、自分が抱えている仕事を分解してバトンタッチすることができていないからです。
意外にも、このバトンタッチというのは難しく、
中途半端にバトンを渡すくらいなら、自分でやった方が断然早いのです。
だから、自分で仕事を抱えてしまいがちな上司とは、
決して、部下に対する優しさで仕事を振らないのではなく、
自分の仕事の処理能力が追い付かない為に仕事を振ることができないのです。
部下の立場からすると、横で自分の上司がアップアップになっていたとしても、
その瞬間にどのように手を差し伸べていいかもよくわかりません。
もはや、そうなってしまった時点で手遅れだとも感じます。
僕自身、過去に自分の上司がそのような状態に陥り、
最終的に仕事の負荷がかかりすぎて体調を崩してしまい、
部下である僕らもとても苦労をしたという経験があります。
その上で、人で何でも背負いすぎる責任感の強い上司との向き合い方について考えたいと思います。
1.甘え過ぎてはいけない
当時の自分は、何か新しい仕事が発生すると、
「〇〇さん、この案件が下りてきてるんですが、やっておきましょうか?」
と上司にあえて聞いていました。
「それは、僕でやっておくよ。」
「じゃ、お願いしちゃいますね。」
そのような答えが返ってくることをわかっていながら、
確信犯的に聞いていたのです。
どうせ、上司が「自分でやる。」という仕事に手をつける意味はないと思っていたからです。
そして、それをいいことに少しでも自分自身の負荷減らそうとしてしまっていました。
しかし、上司からの「やっておくね。」という言葉を信じすぎるのはとても危険です。
実際には、返事をしておきながらその場だけで忘れてしまっていたり、
結局、仕事が回り切らず、やりきれない。という場合も多いからです。
ついつい上司に甘えて、自分でもできる些末な仕事までやってもらうことは、
それが放置されてしまうことで、あとから、数倍大変な仕事になって戻ってくる場合もあります。
例えば、商品の納品期限がギリギリになってしまい、
自分たちで車で商品を届ける羽目になったり…
取引先との商談の約束を忘れて、案件がパーになり、
その代替えを探すのにとんでもなく苦労したり…
2.上司の仕事内容を把握する。
上司が部下の能力やキャパシティ、現状の仕事内容を把握しておくことは当然ですが、
その逆もしかりだと思います。
つまり、部下も上司の置かれている状況を把握しておくことです。
少なくとも、上司の1日のスケジュールを把握しておくことや、
抱えている仕事を概要だけでも知っておくということは、
大切だと思います。
そうすることで、上司の「僕がやっておくよ。」という一言にも、
・「今日、かなりスケジュールタイトですよね?」
・「今、抱えて〇〇は大丈夫なんですか?」
というツッコミを入れることができます。
3.責任範囲を明確化してリスクを分散する。
上司が仕事を抱えてしまう理由の1つとして、
誰に何を頼むべきかが、不明確ということがあります。
僕の感覚ですが、仕事のデキるマネージャーほど暇そう。
という印象があります。
それは、仕事を受けた瞬間に、この仕事は誰に降ろそう。
という仕分けができているからだと思います。
チームのメンバーが納得するできる形で、その仕分けが行われるように、
責任範囲を決めておくということは大切だと思います。
そうすることで、仮に上司が急に倒れて会社に来られなくなっても、
部下たちが知識や情報を持ち寄ることで、しっかりと仕事が成り立ちます。
まとめ
上司が仕事を抱えすぎるということは、
着任したてのタイミングでは必要なことかもしれません。
それは、部下に仕事を降ろす上で、自分自身がその仕事を体感しないことには、
効率的な指示や説得力のある指示ができないと思うからです。
しかし、素早くそれを理解しあるタイミングからは、
それをしっかり委譲していくという時期が必要になってくると思います。
そのバトンタッチの時期に見極めもマネージャーにとっては、必要なスキルであると感じます。