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2019-10

NHK番組介入問題の官邸官僚

 かんぽ生命保険の不正販売を報じたNHKの番組「クローズアップ現代+」を巡り、経営委員会の石原委員長が上田良一会長に番組内容に口を挟んだ問題。石原委員長といえば、安倍政権の財界応援団の一人であり、初めはそこに注目が集まりました。で、さらに、ここへ来て、抗議の大元が日本郵政グループ鈴木康雄副社長だったことが判明しました。鈴木副社長といえば、総務省元事務次官から郵政に天下った人物であり、もともとNHKをはじめとする放送行政のスペシャリスト。
 第一次安倍政権の2006年から07年にかけ、総務省情報通信政策局長や総務審議官を歴任しています。奇しくも、安倍政権がNHKの国際放送を問題視し、局にねじ込んだで時期の当事者であり、そこから次官を経て日本郵政入りしています。いわば安倍さんたちが放送行政において頼りにしてきた官邸官僚。今度の件も、さもありなん、というほかありません。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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