山口ガス漏れ「想定を超えた事故」 全体復旧は未定 供給会社が謝罪

ガス漏れ事故を受けて開かれた記者会見で謝罪する、(左から)山口合同ガスの末広総務課長、田村専務、平尾取締役導管管理部長、立石導管管理課長=山口県下関市本町で2025年12月4日午後6時4分、山本泰久撮影 拡大
ガス漏れ事故を受けて開かれた記者会見で謝罪する、(左から)山口合同ガスの末広総務課長、田村専務、平尾取締役導管管理部長、立石導管管理課長=山口県下関市本町で2025年12月4日午後6時4分、山本泰久撮影

 山口県宇部市内で4日起きた大規模ガス漏れ事故で、山口合同ガスは同日夕、下関市の本社で記者会見を開き、経緯などを説明した。同社の田村泰郎・専務、平尾政秀・取締役導管管理部長、立石守治・導管管理課長、末広健一郎・総務課長が会見に臨んだ。田村専務は「想定を超えた事故だった」としつつ、「影響を最小限にするよう対応する」と謝罪した。

「整圧器」に異常

 4日午前5時44分に宇部支店で、宇部市琴芝町の「ガバナ(整圧器)」の異常圧力を知らせるアラームが鳴り、その2分後には宇部市内のガバナ25カ所で通常より高いガス圧になっていることがわかった。2次災害に広がる恐れがあるとみて、午前9時半に25カ所の計32基のガバナを停止。この結果、契約件数1万2494件のガス供給が止まった。

 山陽小野田市内の工場で製造されたガスの圧力は強いため、圧力を弱めて各家庭などに供給する。このガス圧を制御する役割がガバナ。午後4時10分に全ガバナの点検を完了したが、琴芝町にある問題のガバナ1基以外に異常は見つからなかった。問題のガバナは1980年製で、山口合同ガスは「老朽化は考えられない」。また、全ガバナは、6年ごとに定期点検しており、問題のガバナの直近の点検は2025年2月2日で、この時も異常は見つからなかったという。

 同社では、4日のうちに宇部市小羽山地区390件のガス供給を再開する予定だが、残りの再開時期は未定。山口合同ガス社員約110人のほか、中四国のガス事業者から約50人の応援をもらって病院などを優先してガス供給再開をしていく予定。田村専務は「いつごろ全体復旧できるかは説明できない」と話した。

 同社では、ガスの臭いがしたら換気を▽電気のスイッチを入れる際に注意を▽ガスの元栓は山口合同ガス社員が行くまでは開かない――を呼びかけている。【山本泰久】

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