バイデン米大統領、日本製鉄のUSスチール買収阻止を発表

USスチール本社が入居するビル=米東部ペンシルベニア州ピッツバーグで、秋山信一撮影 拡大
USスチール本社が入居するビル=米東部ペンシルベニア州ピッツバーグで、秋山信一撮影

 バイデン米大統領は3日、日本製鉄によるUSスチール買収を中止するよう命じた。外国企業による米主要鉄鋼企業の買収に「国家安全保障上の懸念がある」と説明し、30日以内に買収計画を完全かつ恒久的に破棄するよう求めた。日鉄側は「手続きが不正」として訴訟を辞さない構えだが、日米鉄鋼大手による大型再編計画は破談の見通しとなった。

 バイデン氏は声明で「この買収は米国最大の鉄鋼メーカーの一つを外国の支配下に置くもので、米国の国家安全保障とサプライチェーン(供給網)にリスクをもたらす」と指摘。「国内で所有・運営される強力な鉄鋼業を維持することは、大統領としての責任だ」と買収阻止を命じた理由を説明した。

 買収計画を巡っては、対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障上の問題が生じないか調査してきた。2024年12月23日に審査期限を迎えたが、委員の間でリスクに関する見解が割れバイデン氏に判断を一任していた。

 買収計画には、バイデン氏の有力な支持基盤である全米鉄鋼労働組合(USW)が反対していた。11月の大統領選で支持を取り付けたかったバイデン氏は、USWの意向に配慮し買収に難色を示した。大統領選で後継の民主党候補が敗れた後も、買収への反対姿勢を崩さなかった。

 バイデン氏は命令や声明で、どのような国家安全保障上のリスクがあるのか具体的な説明はしていない。

 日鉄とUSスチールは3日、「決定に失望している。法的権利を守るため、あらゆる手段を追求する」との共同声明を発表。中止命令は不当として、米政府に対し訴訟を起こす考えを示した。

 ただし、米製造業の復活を唱えるトランプ次期大統領も買収を阻止する考えを明言しており、結論を覆すのは厳しい情勢だ。

 日鉄は23年12月に経営不振のUSスチールを141億ドル(約2兆円)で買収することで合意していた。実現すれば粗鋼生産量で中国メーカーを抜き世界3位の日米連合が誕生する予定だった。【ワシントン大久保渉】

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