「面会制限やめよう」の投稿が炎上 それでも主張する医師の信念
コロナ禍以降、病院や施設で長く続く「面会制限」に対し、緩和を求めている医師がいる。京都市で約20年間、精神疾患の患者が病院ではなく地域で暮らせるよう、チームで訪問支援してきた精神科医、高木俊介さんだ。制限緩和が進まない背景に、日本社会のゼロリスク志向を指摘し、こう断言する。「面会は人権であり、ケアである!」【聞き手・小国綾子】
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全国の面会ルールを調べたら
――高木さんは全国の病院の面会ルールを調べ、SNS(ネット交流サービス)などで公表していますね。
◆医師や看護師ら仲間と、全国すべての大学病院について、公式ホームページを情報源に、それぞれの面会条件を調べました。多くがまだ「15分まで」「30分まで」といった時間制限や「2人まで」といった人数制限を採用していました。「週2回まで」など回数制限も散見されました。中には全面禁止の病院もありました。そして多くが食事禁止、マスク着用を掲げていました。コロナ前に戻している病院は極めて少数派です。次に、全国の日本赤十字病院も調べましたが、同じ傾向でした。
そこで仲間とともに「コロナ後の医療・福祉・社会を考える会」を設立し、面会制限の緩和を求めて病院に働きかけようと計画しています。
精神科医だからこそ
――精神科医療が専門の高木さんが、なぜ、面会制限を問題視するのですか。
◆むしろ、精神科医だから、ですよ。この国で人を強制的に入院させる法律があるのは、精神疾患と感染症だけです。歴史的に見ても、精神科病院を変えようという運動の中心には「病棟の開放化」と「通信・面会の自由」がありました。
閉鎖的な精神科病院で虐待事件が繰り返し起きることから分かるように、外の目…
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