「もたもたして後ろの人に嫌な顔をされたくない」。そんな思いなどからスーパーの「セルフレジ」を使わない人は多い。店員が対応する「有人レジ」はどこも長い行列ができている。セルフレジはなぜ避けられるのか。小売業を支援する「店舗のICT活用研究所」の郡司昇代表に聞くと、買い物客側の問題ではない、意外な事情が見えてきた。【聞き手・宇田川恵】
有人レジの長い列に並ぶ方がまし
――最近はどんなスーパーでもセルフレジを見かけますね。
◆セルフレジは大きく分けて二つあります。商品のバーコードをスキャンする「商品登録」から、代金を支払う「決済」まで、買い物客がすべて自分で行う「フルセルフレジ」。もう一つは、商品登録は店員が行い、客は決済だけを行う「セミセルフレジ」。2024年版スーパーマーケット白書によると、セミセルフレジはスーパーで78%と多く導入されていますが、フルセルフレジはまだ31%です。
――フルセルフレジは高齢者をはじめ、避ける人がかなりいます。
◆買い物客の声を聞くと、セミセルフレジを「使いにくい」と感じる人はほとんどいないのに対し、フルセルフレジは「使いにくい」と感じている人が非常に多い。だから、どんなに長い行列があっても、セミセルフを含めた有人レジの方に並んでしまうのです。
◇「商品登録」に慌て「決済」でつまずく
――何が問題なのでしょう。
◆セミセルフレジなら、客がやることは代金を支払うだけです。しかも支払い方法は現金とカードに限定されていることが多く、あまり迷いません。
一方、フルセルフレジは商品登録を自分でしなければいけませんが、これが大きな問題です。…
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