STAP細胞10年 「リケジョ」から「魔女」にされた研究者
毎日新聞
2024/7/4 09:00(最終更新 7/11 17:26)
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STAP細胞はあります――。記者会見で象徴的な言葉を残した後、一人の女性研究員が表舞台から姿を消した。新たな万能細胞として、理化学研究所が2014年1月に華々しく発表した「STAP細胞」は同年7月に論文が撤回され、世紀の発見は幻に終わった。あれから10年。授業でもこの問題を取り上げているという内田麻理香・東京大特任准教授は、女性研究員が過剰に不正のシンボルとされてしまったと指摘する。
持ち上げた後にバッシング
STAP細胞論文が発表された際、「オレンジジュース程度の酸性に浸すと細胞が万能性を発揮する」という説明は、キャッチーで分かりやすいと思った。また、研究チームを率いたのが当時30歳の若い女性研究員だったこともあり、私も好意的に受け止めた。
一方で、彼女がまとうかっぽう着や服装、ピンクや黄色に彩られた研究室などの「設定」に、テレビ的な受け狙いを感じた。メディアは「リケジョ(理系女子)の星」という表現を多用し、研究成果よりも彼女のファッションなどに女性性を見いだし、そればかりを紹介していた。
人となりを伝えることで、それをきっかけに研究に興味を持ってもらえることはある。しかし、報道内容が「若い『リケジョ』が快挙を成し遂げた」ばかりになり、次第にげんなりした。
「リケジョ」という言葉は、2007年ごろに…
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