
北海道大理学研究院の化学部門で、複数の教員が「教授会によって組織的に孤立させられている」などと訴えていることが、5月に発覚した。大学で起きるハラスメントに詳しい専門家は、この問題をどうみるのか。
「講座制の純化」と「部局自治主義」。広島大で2007年から教員や学生のハラスメント相談を受ける北仲千里准教授(社会学)は、問題の背景として、二つのキーワードを挙げた。
組織として「内部基準」作成
「組織全体でこうした行為に及ぶのはかなり珍しい」。広島大ハラスメント相談室の専任相談員を長年務める北仲さんによると、大学でのハラスメントは研究室内の上下関係などから、せいぜい数人の間で起こる場合が多く、北大のようなケースは「聞いたことがない」という。
北大の化学部門で起きていることを、いま一度おさらいしよう。
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同部門は、教授と准教授、助教が一体となって研究室を運営する「講座制」を採用している。教授が定年退職や異動などでいなくなった後、研究室に残された准教授や助教らの処遇をめぐって問題が起こった。
北大関係者などによると、同部門では従来、別の教授が残った教員を引き受け、次のポストを獲得できるよう支援するのが慣例だった。ところが、同部門の教授会に当たる「講座委員会」は20年度、それまでの慣例を変え、新たに「内部基準」を作った。
内部基準…
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