犯罪と決めつけて他人を拘束する。こうした動画を投稿していた「私人逮捕系」と呼ばれるユーチューバーたちは、一部で「正義の味方」のように受け止められていた。何が彼らを突き動かしたのか。経済小説「ハゲタカ」などの著作で知られる小説家の真山仁さん(61)は社会に広がる閉塞(へいそく)感との関連を指摘する。
――社会の閉塞感を実感する場面はありますか。
◆象徴的なのは政治です。自民党が安倍派(清和政策研究会)などのパーティー券問題で揺れていますが、テレビのニュース番組で街の人の意見を取り上げているのを見ると、誰も怒っていないのが印象的です。ロッキード事件のときのような怒りが国民から出てこない。あきらめてしまっているのです。
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