
人文系==の大学院博士課程で学ぶ学生が減少の一途をたどっている。学問への理解を世間から得られにくく、専門性を生かした就職も難しい状況だ。そもそも人文系の博士課程ではどのような学びを得られるのか。東京大大学院の今橋映子教授(比較文学・比較文化)に、実践も含めて聞いた。【聞き手・高橋咲子】
新しい価値の創造担う
--東大と筑波大で30年間、博士課程教育に携わり、2023年1月には会長を務める東大比較文学会の機関誌「比較文学研究」108号(すずさわ書店)でも「博士論文」特集を組んで問題提起しました。まずは人文系の博士課程を巡る現状を教えてください。
国内では、1990年代以降に始まった大学院の重点化により、修士・博士課程の学生数は急速に増えたものの、11年をピークに減っています。とりわけ人文系の課程への進学者は大きく減少し、定員の5割を切っています。私が所属する比較文学研究室でも同じ状況で、赴任した98年には定員10人を超える入学希望者がいましたが、ここ10年は4~7人程度にとどまっています。一方、韓国や欧米諸国では博士号取得者は日本と比較…
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