都立高合格点の性差「裁判耐えられぬ」 危機感足りない都教育界
毎日新聞
2021/5/26 12:01(最終更新 5/26 21:09)
有料記事
3129文字
男女別に募集定員を設定している東京都立高校の入試で、女子の合格ラインが男子を大きく上回る状態が続いていることが毎日新聞が入手した都教育委員会の内部資料から判明した。過去には性別の枠を外した「合同定員制」への移行を模索した時期もあるが、実現していない。その背景に何があるのか探った。【大久保昂】
「(男女の合格ラインに)非常に大きな差が見られる。これで裁判になると耐えられない」
2019年6月6日、東京都庁で開かれた都立高校の入試制度を話し合う検討委員会で、委員の一人がこう訴えた。直近の入試の結果を分析した内部資料には、男女別定員制の是正措置を講じてもなお、女子の合格最低点が男子を100点以上も上回る高校があったことが記されていた。もし受験生から「不当な差別」などとして提訴されたら、都側が敗訴する可能性もあると指摘したのだ。
検討委は非公開だったが、毎日新聞が入手した議事録によると、女子が不利益を受けている都立高の男女別定員制に対し、委員から疑問の声が相次いだ。当時、東京医科大などの医学部入試で女子に不利な得点調整が行われていたことが明らかになり、入試における男女差別に厳しい目が向けられていた。
「男女という区分けではなく採点で公平に評価してほしい」(保護者)
「男子なら合格できたのに、女子だから合格できないというのは不公平感がある」(都立高校長)
「男女別定員制は廃止してもよい」(中学校長)
検討委の委員長だった都教委の宇田剛教育監(当時)は議論を総括し「何らかの形で不公平・不平等の解消を行うよう検…
この記事は有料記事です。
残り2469文字(全文3129文字)
【時系列で見る】
-
最高裁、夫婦別姓認めず 同姓規定に「合憲」判断 15年に続き
1282日前 -
「通称使用の拡大では限界」 高まる選択的夫婦別姓のニーズ
1282日前深掘り -
夫婦別姓「最後の宿題」 最高裁の回答は? 23日再び憲法判断
1283日前 -
事実婚夫婦「同姓強制は時代遅れ」23日、最高裁が2度目憲法判断
1285日前 -
自民議連「婚姻前の姓も使える」 法改正求め中間取りまとめ
1295日前 -
都立高入試制度、現役教員が段階的な廃止を訴え 合格点性差問題
1296日前 -
「育児は女性」企業風土変える必要 男性の育休取得、わずか7%
1302日前 -
男性の産休、22年秋にも導入 企業に意思確認義務 改正法成立
1302日前 -
都立高入試 合格ライン問題 教育長「より平等目指す」 都議会
1303日前 -
都立高合格点の性差「裁判耐えられぬ」 危機感足りない都教育界
1310日前深掘り -
都立高入試、男女の合格ラインで最大243点差 8割で女子が高く
1310日前スクープ -
女性向け「時短」商品の違和感 「働くママ」の味方なのか
1314日前 -
性別「混合名簿」導入進む山形 小中2割 女子生徒の制服選択も増
1321日前 -
国際女性デー2021 性の差別撤廃を!! 制度実現へ アクション大阪結成 オンライン集会に70人 /大阪
1326日前 -
記憶に残り続けた衝撃 男湯で「透明人間」に会って考えたこと
1333日前 -
北川景子さん「背中で語れる母に」 家と仕事、両立の“エナジー”
1333日前 -
佐賀県立中、男女同数定員を廃止 教委、22年度入学から適用
1334日前 -
「伝統」洗い直す時 フェミニズム史研究の先駆者に聞くジェンダー
1337日前 -
「なぜ女子はスカート?」伝統のセーラー服を変えた生徒の一言
1338日前
関連記事
あわせて読みたい
' +
'
' +
'' + csvData[i][2] + '
' + '' +
'' + listDate + '' +
'
' +
'