「まるで踏み絵」 自民衆院議員は「2連ポスター」で誰と並ぶ?
衆院議員の任期満了まで残り半年を切り、秋までに行われる次期衆院選に向けて、各党の議員たちは、自身が単独で写ったポスターから、党幹部らと並んだ「2連ポスター」へと一斉に貼り替えた。自民党議員の「もう一人の顔選び」には、いかに新型コロナウイルス対策に努めているかというアピール、所属する派閥の事情など、さまざまな思惑が透ける。菅義偉首相の党総裁任期(9月30日)も近づく中で、人気投票さながらの様相だ。
「うちの派閥はこの前の総裁選でいち早く菅さんを支持した。菅さん一択でしょ」。自民二階派の若手議員は4月中旬、首相と並んだ2連ポスターのサンプルを眺めて胸を張った。
公職選挙法は、衆院議員の任期満了前6カ月前(4月21日)から衆院選の投開票日まで、候補予定者が個人ポスターを貼ることを禁止。候補者としての法定ポスターは衆院選公示から許可される。総務省選挙課によると「選挙が近づくとポスターが大量に掲示される実情を踏まえ、お金のかからない選挙の実現と、街の美観の観点からこうした規定を設けた」という。
ただし政党の政治活動のポスターならこの規制を免れるため、公示までの間、党首や有名な議員らとのツーショット写真を使い、演説会などの行事を告知する「2連ポスター」が慣例化している。
実は、この規定に従って衆院選に向けた2連ポスターを貼られること自体が、「とても久しぶり」(党関係者)だ。3年ごとに半数の改選があらかじめ決められている参院の場合、3年に1度、必ず2連ポスターが各選挙区の「風物詩」となる。ところが衆院では、任期満了半年前よりも早く歴代首相が解散・総選挙に打って出るケースが多い。任期満了まで半年を切ってからの衆院選が確定するのは、直近では麻生政権の2009年以来のことだ。
2連ポスターに一緒に写る相手に党首を選ぶのは政党を問わず常とう手段だ。しかし…
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