大阪府池田市の冨田裕樹市長が市役所内に家庭用サウナを持ち込んで使用していた問題で、発覚後、冨田市長後援会会長と副市長、職員の間で「秘密保持契約」が結ばれていたことが4日分かった。市議会調査特別委(百条委)で取り上げられた。マスコミに情報を流した“犯人捜し”ではないかとの追及に対して冨田市長は「職員を守るためだったと聞いている」と副市長らをかばった。【三角真理】
この日の百条委で、証人となった冨田市長に対して、守屋大道委員が質問。2020年10月にサウナ問題が報道された数日後の10月25日に秘書課職員が、市長後援会長から電話で「(あなたがマスコミに)情報提供したと確信している」と決めつけられたうえで「もし提供者でないなら、その証明をせよ。“真犯人捜し”をせよ」と言われたという。職員は「私ではない」と否定したが恐怖を感じたという。さらに同29日に職員は、副市長、後援会長に呼び出され、3人は秘密保持契約を結んだ。契約は「今から話すことは絶対他言しないように」との内容だったという。
市長、関与を否定
守屋委員は冨田市長に「このことを知っているか」とただすと、冨田市長は「契約をしたことは聞いたが、中身については知らない」「事後に聞いた」などと関与を否定。そのうえで、副市長や会長から「市政運営を円滑にして、職員を守るためだったと聞いている」と述べた。守屋委員は「(契約を交わす場で)職員は『“犯人”と認めれば将来を保障する』といわれたというが、これは脅迫につながるのでは」とさらに追及したが、市長は「(内容については)全く知らない」と通した。
市長の職員へのパワーハラスメントの有無についても質問があった。委員らは「市長就任間もないとき職員を市長室に呼びつけ大声で叱責したか」「(きちんと回答しない職員を)会議室から退席させたか」「『お前その態度はなんや。民間におったらクビや』などと激怒し怒鳴られたと聞くが本当か」など月日や場所を明らかにしながら聞いたが、大半の質問に対して冨田市長は「言った覚えはない」「していない」と否定した。
次回の百条委は12日、副市長や後援会長に証言を求める。