新型コロナウイルスの影響でアルバイト収入が減少するなど、学生も厳しい生活を余儀なくされている。政府は困窮した学生への支援策として最大20万円を支給しているが、全ての人に公平に行き届くわけではない。中でも厳しい状況に立たされているのが、朝鮮大学校に通う在日朝鮮人の学生たちだ。支援の枠外に置かれ、申請すらかなわない状況が続く。これは妥当な線引きなのか。【金志尚/統合デジタル取材センター、後藤由耶/写真映像報道センター】
「各種学校」理由に申請認めず
「失望と怒りがこみ上げてきます」
東京都小平市にある朝鮮大学校のキャンパス。政治経済学部で学ぶ4年生の李(リ)さん(21歳、女性)が深いため息をついた。バッシングやヘイトスピーチが懸念されるため、名前は名字まで、顔出しはしないという条件でインタビューに応じてくれた。
コロナ禍を受け、政府は昨年5月、大学生らの学習環境を支えるための「学生支援緊急給付金」を創設した。バイト収入が5割以上減り、学費の支払いが難しくなった学生のうち住民税非課税世帯に20万円、それ以外の学生には10万円をそれぞれ支給している。対象は国公私立大(大学院含む)▽短大▽高等専門学校▽専門学校▽法務省告示の日本語学校――で、制度設計を担った文部科学省は「最大限枠を広げた」と強調する。約530億円の予算を確保し、留学生を含む対象者を計約43万人と見込んでいる。
だが、この中に朝鮮大学校の学生は入っていない。「各種学校」に分類されることを理由に、政府が申請自体を認めていないからだ。李さんの怒りの矛先もこの「門前払い」に向かう。「コロナによる不安や悩みは私たちも日本…
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