熊野古道 大斎原(おおゆのはら)にて【動画編】熊野古道 中辺路ルート、ついに最終回か?!中辺路ルート 第1回 滝尻王子 → 大坂本王子 (2017.7.16) 第2回 牛馬童子 → 秀衡桜 (2018.1.20) 第3回 小広峠 ← 発心門王子 (2018.3.10)
ムック本 時空旅人 7月号(Vol.38) 『遙かなる熊野古道』 しばらくブログが更新できておりませんでした。
ほぼ毎週山には登っていて、初めての山もあったりで
いつもながら写真など撮ったりもしていたが、
バタバタしていてブログを書くタイミングが無いまま次の週末を迎えたり、
とある山ではハプニングがあって大変だったり。
さてさて、久しぶりの穏やかな熊野古道歩きである。
前回の熊野古道は、今年の3月に小広峠~発心門王子を逆方向に歩いた。
ブログを読み返してみると、帰投時に花粉症が爆発したと書いてあった。
そんな事はもうすっかり忘れてしまってる。
その時々の季節や天候、体調、タイミングなどでいろんな事があるものだが
山で見たり写真で撮った物事は自分でも意外なほど細部まで覚えているのに、
身体的な事や食べた物などはすっかり忘れてしまっていたりと記憶がのアンバランス。
山の中は、街中のように賑やかで複雑で雑多な様子とは真逆でシンプルなので
少しでも非日常なことがあれば覚えておきやすいということかもな。
へぇ~そんな事があったんだぁって感じで記録に残しておくことの大事さを痛感。
今回は、発心門王子から本宮大社までの熊野古道中辺路ルートの最終回のつもりで、
湯の峰温泉を通過する「赤木越え」の予定であったが、現地に着くと通行止めだった。
ヤマップに無理やり歩いている活動日記があったけど、ヤマップって無茶する人が多い?
今回はそういうわけでコースタイムの短い通常ルートでゴールを目指すことにした。
前回と同じ起点の「発心門王子」まで行くのに、あれからバスの始発時刻は変わり
終点の発心門王子の駐車場の場所も変わってしまっていた。
十津川を越えるR168は整備が進み、地元から2時間ちょうどという
予定より一時間も早く熊野本宮大社に到着したので、
バスの時刻まで熊野川沿いの土手を散策する。
ガスがかかっていて、大斎原(おおゆのはら)の巨大な鳥居すら視認できないほど。
雨が降ってきてもおかしくない空模様の中、ドローンを飛ばすと機体はびっしょり。
熊野川の広大な河原には、たくさんの鳶が羽を休めている。
その様子を撮ろうと飛ばしたドローンに、最初は驚いたのか数羽が飛び上がったものの、
二度目は1羽も微動だにせず、まったく無関心状態で雑魚扱いされた。(≧▽≦)
そんなこんなで時間が来たのでバス乗り場へ。
座席には空席が無いほどいつになく乗客が多い。
前回から9ヶ月ほどのブランクの間に人気沸騰でもしたのだろうか?
発心門王子だけ特別な何かがあるという感じでもないのに?!
みなさんいったいどこで何をされるつもりなのだろう?
ところで今回は3人の印象的な出会いがあった。
途中下車する者は無く、終点の新しいバス停に到着すると全員が一斉に下車。
ムダに広い駐車スペースだなぁと思っていたら、その後、
ツアーの観光バスなども到着して、わらわらと出てきた人でいっぱいになった。
赤木越えの予定は無くなったので時間に余裕ができまくりで、
コースタイムで3時間もあれば熊野本宮大社に到着できることに。
途中で一時間ほどの昼食休憩を摂っても4時間くらい。
実際には道草をしたり、途中で出会いがあったり、
なんやかんやで油断していたら6時間くらいかかってしまった。(^^ゞ
前半はほぼ舗装路であるが車の往来も皆無で、のどかな田舎道を気持ちよく歩けた。
途中、無人販売多数で、特に梅干しがよく目についた。
伏拝王子があるのところに休憩所があり、温泉珈琲などを提供されていたりで
昼には少し早いが休もうかどうしようか、近くにあるという蕎麦屋に行きかけたりと
さんざん迷ったあげく、お昼はお預けにして先へ進むことにした。
無人販売で梅干しを買った後、道中、江戸時代の関所を彷彿させる付近に
茶屋のような休憩所である三軒茶屋跡があり
その前で80歳を越えているという年配の女性がひとり自家製のものを販売していた。
梅干しを食べて行けとのこと、「さっき買ったばかりなので買わないので」
と断るも、佃煮までいただいたり、いろいろな話を聞かせてもらった。
無農薬自家製の梅干しって意外なほど柔らかくて本当に美味しい。
せっかくなので梅干しを買い増しさせてもらおうとするも「無理に買わなくていいから」
って何度も言ってくれたけど買ってあげた。
その女性から、お昼をするに良いところがあるよと、教えていただき
「ちょっとよりみち展望台」というところが半時間もあるけば着くというので
別れを告げて先へと進んだ。(出会い1)
長い名称の「ちょっとよりみち展望台」に着くと、そこそこ広い広場の先端に、
ベンチがポツーンとひとつ、大斎原の鳥居を見下ろせるところに設置されていた。
ごきげんな場所であったが、このベンチで休憩でもしようもんなら、
来る人来る人のカメラの格好のモデル、いや、オッサン被写体になってしまうではないか。
恥ずかしがりなので、ベンチから離れた、こそっと隠れた場所の、
誰からもカメラを向けられることがなさそうなところでようやく遅めの昼食。
そうこうしていたら、アジア系の観光客のみなさんが逆方向からわんさか登ってこられ、
鬼の首を取ったかのようなお祭り騒ぎで、もちろんカメラを向けられてしまった。(^^ゞ
嵐が去ったところで、さぁ帰ろうかと思っていたところに
苦悶の表情の欧州系の単独外国人女性が歩いて来られた。
ベンチで休憩されるのかと思いきや、挨拶もそこそこに先へ進まれる。
どうやら脚を痛めておられるみたいであまり速くは歩けない様子。
見送りつつ自撮りなどしながら歩いていると、いつしか視界から消えてしまった。
どれくらい歩いたか、やがて祓殿王子が近づいてきてパッと視界がひらけたところで
展望台で会った外国人女性が何やらオロオロしておられた。
尋ねてみると、祓殿王子のスタンプの場所がどこなのかわからないとのこと。
自分も初めてでわからなかったので調べてみると、まだ少し先らしいことが判明。
せっかくなのでそこまで案内させていただくことになったが、
やはり脚が痛そうで遅々として進まない。
いったい今日はどこから歩いて来られたのか?と尋ねると、継桜王子からだという。
ええっ、それって僕が第2回で歩いた途中ではないか。
熊野本宮大社までで約22kmあるというのに、
湯の峰温泉のある湯峯王子まで歩いてから泊まるのだとか。
熊野本宮大社からは大斎原を経て、大日越えで一時間の山越えになる。
さすがにその脚では日没時間的にもきびしいのではないかと。
スタンプ帳を見てみると、熊野本宮大社でゴールだと思っていたら、
旧社地大斎原と湯峯王子にもスタンプ箇所があるではないか!
だったら今日が最終回じゃないよね。。(^^ゞ
ゆっくりしすぎてしまったので、僕こそ大日越えは無理。
湯の峰温泉まで歩いて行ったところでどうやって戻ってくればいいのやら。
ってことで本日は湯峯王子のスタンプ一つを残して旧社地の大斎原で終わりとする。
その外国人女性とは熊野本宮大社境内で自然と別れ、
大斎原へ本日最後のスタンプに向かい、その後、戻ってきて
熊野川の土手でドローン撮影していると再びあの外国人女性が登場。
土手まで上がってきちゃいましたかぁ。
大斎原のスタンプのありかを教えてあげて、今度こそこれ最後と見送った。(出会い2)
本日最後の撮影を終えて車へ戻ろうとすると、
どこからやってきたのか、川の橋の下で寝泊まりしてるかのような風貌の
寝癖でくちゃくちゃの髪をした男性が、尋ねてもないのにあれこれ説明をしてくれる。
最初は怪訝な面持ちで聞いていたが、やたらと周辺の事情に詳しいことがわかってきた。
最後のほうは関心しきりで非常に勉強になった。
一旦は居なくなったその男性が、またしても再び現れ、
ガイドブックにも載ってないことをあれこれ教えてくれた。(出会い3)
熊野川の川幅がいかに広いかという話に始まって
河川敷というか、河川敷は無いので川の中にバスが止まっている理由や
あと一時間もすれば大斎原の巨大な鳥居の上に鳶が数百羽飛んできてとまるとか
山の説明とか、正月になると道路が大渋滞して、川の中に臨時の巨大な駐車場が作られて
そこですら満車になるとか。まだまだ話が尽きないところであるが中断させていただき
日没が迫る中、本宮大社前から車で湯の峰温泉へと向かった。
公衆浴場でさっぱりした後、湯壷で温泉たまごを作ったりしていると
ふと、あの外国人女性はその後どうなった?たしか今日はここまで来るはずじゃ?
あたりはすっかり暗闇になってしまっていたが、大日越えをされたのだろうか?と
ちょっと心配になって、湯峯王子の場所の確認も兼ねて様子を見に行った。
遠くからヘッデンの灯りでも見えたら、大いに労ってあげようと思ったが、
ついに再び出会うことはなかった。
日常の中で、意外な物、事、人との出会い、助言などがヒントとなって
近い将来や未来の自分を助けてくれる大きな存在だったのだという気づきが多々ある。
今回の三人との出会いも、多かれ少なかれ自分の行く先を照らしてくれた存在だった。
※一瞬ですが、出会った3人が動画に登場しています
その他の写真は以下より。