トビ岩にて ★前方奥に見えるのは沖島オモテ比良のミステリーこのところ山の行き先に迷う。
北山はもっと歩いてみたいが紅葉を満喫ところはないか?
この秋は黄葉で終わってしまっているところばかりではないか?
イロハモミジのグラデーションが見たいし、燃えるような紅葉を見たい。
行きたい山は遠方ばかり。
そうこうしているうちにどっちつかずのまま秋が終わってしまいそうだ。
天気は午後から曇り空の予報なので京都北山以北に行くのはもったいない。
そういえばオモテ比良にひとつ気になっているところがあった。
登り出しの標高が低いところなので春先か真冬の候補にしていた。
そこならば大阪からまぁまぁ近いし行ってみようかと思い立つ。
午前8時前、駐車場に到着する。
先着の1台のミニバンの周りでは登山者らしき女性2人が支度をしていた。
そのうちひとりは登山靴を履くのに時間がかかっている。
道中、7時の開店と同時にパン屋に入店して購入してきた。
そのパンで朝食を摂っているとその車から遅れてもう1人が出てきた。
なんだ、3人いたのか。
3人はお互いに会話するでもなく静かに淡々と準備をしている。
こちらが朝食を終えるまでに準備ができたのか3人揃って静かに出発する。
女性3人も寄ればもっとおしゃべりするかはしゃいでいそうなのにと思った。
朝食を終えるとすぐに車を降りてこちらも準備を始める。
靴を履けばあとはザックを背負うだけじゃ?と思うかもしれないがそう単純ではない。
地形図の読み込み確認やログの開始操作に各種デバイスの電源投入や動作確認。
2リットルのペットからボトルへの水補給しながら
何を置いて何を持っていこうかと用意周到におよそ2~30分を要する。
準備をしていると電車でやってきたのかテン泊装備の男性2名が
駐車場内の自販機で飲み物を購入しているかとチラ見している間に去ってしまった。
さて、準備が完了すると写真を撮りながらぼちぼちと歩き始める。
先発の女性3人についてはその後、出会うことはなかったが最後に伏線回収がある。
ほどなく楊梅の滝(ようばいのたき)への取り付きである舗装路の終点に到着する。
石段を登ってさらに崖っぷちをへつるように付けられた階段を登ると
ルートから左手に逸れて入渓すると、その奥に雌滝が見えた。
足場がフラットに養生されており滝のそばまで容易に近づくことができた。
落差15mくらいだろうか、ひとしきり眺めて入渓ポイントに戻ろうとすると
右側斜面から1人の男性が下りてこられたのでびっくりした。
なるほどよく見ると入渓ポイントまで戻らなくても
ショートカットで元のルートに合流できそうな近道が付いているではないか。
その男性と入れ替わりに登ろうとすると
「これから登られるところですか?この上は急すぎて無理ですよ」と。
見上げるともう1名男性が遅れて高いところから大変そうに下ってきた。
この方たちはさきほど自販機の前に居たテン泊装備の2人だと気付いた。
てっきり滝に向かって右側にルートがあると思い込んでいたら違ったようだ。
だったらあの踏み跡はなんだ?
半信半疑で左手斜面のほうを眺めると樹に隠れて道標らしいものが見える。
まさかここを渡渉するのか?と躊躇している間に2人の男性は先に行ってしまった。
水量は多く、滑りそうな尖った岩を渡ってなんとか渡渉を終えた。
道標までたどり着くと、あれ?さっきの2人はどっちに行ったのかな?見失った。
自分は右方向、滝の左側から上へ高巻きするルートで登るつもりだが道標は左を示していた。
どうやら上へと高巻きするルートはショートカット路だと後でわかった。
あらかじめ写真で知っていた名物の鉄ハシゴは垂直か?と構えていたがそうでもなかった。
鉄ハシゴを登りきってなおしばらく登ると雄滝への分岐があった。
雌滝は見たばかりなので雄滝も似たようなもんでしょと行くのをやめてしまったことを後で後悔。
雄滝は雌滝の4倍ほどの落差だったようだ。
しばらく登り続けていると前方からこちらに向かってくる人の声がする。
なんとあの2人の男性が前方からやって来るではないか。
どういうことだ?本日二度目の対面である。
どうされたのかと尋ねると、渡渉後、道標に従って左へ進んだ結果、
単に遠回りとなったみたいで、雄滝を見るためにわざわざ戻ってきたとのこと。
遠回りルートには滝見台があったそうだが木々が成長してしまっていて何も見えなかったそうだ。
そんなこんなで2人とはお別れしてから再びゆっくりとあたりの地形などを観察しながら歩む。
あの2人は今日はどこまで行かれるのだろうか?また会うことがあったら聞いてみよう。
登山道の左側が崩れ落ちて踏み抜きそうな危なっかしい鎖場を通過したり、
深いVゾーンの中心を歩くのを嫌って脇道を高巻きして歩いてみたりしながら涼峠に到着。
自撮りしたり休憩していると、雄滝を見に行ったあの2人が追いついて来られた。
雄滝は良かったらしく、今日はヤケ山経由で北比良峠あたりでテン泊しようと思っているとのこと。
自分はオトシ出合経由で寒風峠へ抜けるので涼峠を最後に2人とは泣き別れとなった。
さて、こんな調子で書いて行くと読み物になってしまうのでつづきは写真内に引き継ぐとして
本命の嘉嶺ヶ岳(かねがたけ)は山名板も無いがっかり山頂だったり、
それよりなにより予想外だったのはリトル比良の縦走路が踏み跡薄く
さらには後半は過去イチ本気になったほどルーファイの嵐となる迷える森に見舞われたりと
なかなかのアドベンチャーを楽しめた。
そして最後にはまさかの圧巻の大展望の鳶岩からの眺めは締めくくりに相応しいハイライトとなった。
さて、伏線の続きはどうなったか。
比良げんき村駐車場(広いほう限定)
plus code=7X47+JX 大津市、滋賀県
山と高原地図(46 比良山系) 2020年版より ★時計回り周回
ジオグラフィカにて ★時計回り周回
累計高度と移動距離
「比良げんき村」のいちばん下にある大きな駐車場を利用させていただく。
上にある施設内2個所の駐車場は登山者利用禁止。
到着時は20台近くの駐車車両があった。
8:30スタート
舗装道終点近くに5,6台駐車可能な駐車地あり。
舗装路はここまで。
これより石段から取り付く。
左手には滝から流れてくる沢あり。
急な崖をへつるように仮設っぽい階段や手すりが取り付けられている。
仮設っぽいとはいえ、この手すりがないと転落の危険がある。
その時、けたたましくガイガーカウンターが鳴った。
いつも山行時は電源を入れているが最近は鳴ることがなかったので驚いた。
しきい値の0.3マイクロシーベルトを超えていた。
今回の全ルート上のあちこちで鳴る箇所が散見された。
さらにあと少し登る。
ルートから一旦外れて入渓し、左手に見えた滝のほうへ行ってみる。
滝に近づく。
しばらく眺めたり写真撮った後、入渓ポイントに戻ろうとしたら右手から男性が下りてきた。
近道そうなのでそこから入れ違いに登ろうとしたら、そっちじゃなさそうだと教えてくれた。
詳細は本文のとおり。
正しくは渡渉して滝に向かって左側へ渡る。
渡渉中。
ドボンするとやや深い。
乗っかって行かなければならない岩々は尖っていて少し滑るので慎重を要した。
対岸へ渡って少し登ると道標があって左を示していたが、上に向かっても踏み跡が付いていた。
左の滝見台方向も気になったが上に向かって登ることにした。
上を向いた様子。
そこそこ急であるが滑落するほどの危ない斜面ではない。
写真でよく見た鉄ハシゴが登場。
垂直だと思っていたらけっこう斜めだった。
それでも右手側は切れ落ちていてそこそこ長いので慎重に。
鉄ハシゴを登りきったところがもしかして直角になってたりして
向こう側に掴むものが無かったりすると、ハシゴから離脱する時は怖いんじゃないか?
と心配したが手がかりがあった。(^^ゞ 高いとこ苦手
さらに少し登る。
足場は狭く右側は切れ落ちてる箇所があるので滑落注意。
雄滝(右奥)との分岐があったが滝はもうええかぁそのまま通過して登り続ける。
手を使うほどではないが急登が続く。
ガレたところもあり。
このあたりで前から戻ってこられた男性2名と二度目の遭遇。
詳細は本文記載。
ほんのり下って・・
滝見台のほうから登ってこられたという先ほどの2名の男性曰く、
木々が育ちすぎて滝見台から何も見えなかったそうなので行くのはやめた。
涼峠に向けて歩む。
ガレガレな登り。
「畑の小場」にて。
なにやらよくわからない場所だがちょっとした休憩場所?
かつてはどういう場所だったのだろうか。
さらにガレ場や登山道すぐ左手が崩落した鎖場を通過。
左側にカラフルに紅葉しているヤケオ山の一部が見えた
深いVゾーン脇を通過し終わると前方に「涼峠」が見えてきた。
涼峠にて
小唄?
涼峠で休憩していると、雄滝を見に行かれた男性2名が追いついてきた。
男性2名はヤケ山(左)方向、釈迦岳経由で北比良峠へ向かうらしい。
自分は右方向、オトシ出合経由で寒風峠に直行する。
ヤケ山経由で寒風峠に向かってもコースタイムは同じであったが登りを嫌って。(^^ゞ
右手に並走している小川沿いをゆく。
すぐに行き止まりとなって渡渉を強いられる。
渡渉中、足の長さが要求される(≧∇≦)
対岸に渡ったところは広々していて良いところだった。
進行方向は開放感のない風景。
左側にさきほど渡渉した沢と並走する。
オトシ出合の直前。
オトシ出合にて
オトン出会い、じゃないよ
分岐のはずだが踏み跡は極めて不明瞭。
左 ・・読めない
このような小川を何度も渡渉する。
また渡渉だ。
迷える森とも言える。
さらに渡渉が続く。
倒木障害物もあり。
踏み跡が薄いのでルーファイを強いられる場面も。
ようやく明確な踏み跡があったりなかったり。
右上が自然林で明るく、あの稜線上の向こう側に何があるのか見えるのか気になったので
ルート(黄色矢印)から逸れて右手の淵まで上がってみると・・・
地形図で確認
大きな窪地、カルデラのようなところが気になった。
黄色矢印の部分でルートから外れて様子を見に行った。
結果、このような感じでまったく見通しがなかったので様子がわからない。
もうちょっとよく観察すればよかったかも。
淵(稜線)を少し歩くも右側の見通せない様子は変わらずでルート(左側)に復帰した。
進行方向はどっちだ?
どうやらこっちのようだ。
あとはここを登りきれば寒風峠のはず。
寒風峠に登りきったところは鞍部になっていた。
ここからリトル比良の稜線上に乗る。
前から見たところ
左から登ってきた。
後ろはヤケ山側だ。
リトル比良って踏み跡がこんなに薄かったとは知らなかった。
ほとんど歩かれていない感じ。
小さな秋を見つけた。
この秋の紅葉はこれが見納めになったりして。
両サイドの見通しは無いが気持ちのよいところも。
尖った岩。
痩せたラクダの背中って感じ。
上がると見晴らしがありそうだったので立木を掴みながら前方へ行ってみる。
カラ岳の電波塔が見えただけ。
以上
滝山に向けて
落ち葉の形がかわいい
あと少しで滝山という手前に鵜川方向との分岐があった。
リトル比良縦走は鵜川越方向だ。
滝山は後のお預けにして、ここで鵜川越方向に思いっきり下る。
今回の記事のタイトルにしようと思っていた嘉嶺ヶ岳(かねがたけ)を目指す。
珍しい名前なのでとても気になる。
登り返したところが鞍部で両サイドにピークがあった。
どちらかが嘉嶺ヶ岳(かねがたけ)のはず・・・
この道標の両サイドそれぞれにピークがあったがどちらにも山名板なし。
静かすぎるので今日はだれもこのあたりを歩いてなさそう。
もうこのあたりで昼休憩にしようかどうしようかと迷ってると滝山方向から声がして
突然、ヘルメットを被った3人組が現れた。
どうやらどこかの山岳会所属の人たちのようで鵜川の沢を登ってきたとのこと。
嘉嶺ヶ岳ピークから下れる稜線があるはずだと紙地図とコンパスで確認しておられた。
てっきり嘉嶺ヶ岳(かねがたけ)ピークを探しているのだと思ったら違った。
地形でおさらい
右側の嘉嶺ヶ岳(かねがたけ)奥の黒破線に沿って下れるルートがあるみたい。
リトル比良縦走は左方向になる。
山名板がなくてがっかりしながら登り返して元の分岐まで戻ってきた。
無駄足だった。
気を取り直して滝山に向けて進行継続。
滝山の直前
滝山にて
滝山からはさらに踏み跡薄くなった
655mの出合に到着
前方と右手に踏み跡があるが薄い
しかも進行方向は左手なのだが踏み跡が無い。
本気のルーファイ
迷走が始まった
もはや踏み跡なんてない。
せいぜい進行方向に気をつけるくらいだ。
遅々として進まないまま13時を迎えたので
決して広くはないがフラットなで軽めの昼休憩とする。
朝食用に買いすぎたパンを昼食用にも転用。
今季初のソフトシェル登場するも昼食が終わって歩き出すと暑くなって脱ぐ。
それよりなによりまだまだルーファイ迷走を継続中。
なんとかかんとか「牛山の池」までやってきた
明るくて広く、ここで昼休憩すればよかった。。
このあたりからGPSとにらめっこしなくても進めるようになってきた。
このようにルートっぽい感じが現れた。
14:50 牛山に到着
牛山にて
牛山だけに、牛の焼き物あり。
牛山からテープを追ってさらに進み、高低差70mほど激下ってちょっと登り返すと・・
鳶岩に到着
をを~!
大展望と高度感が凄すぎる!
ひぇ~、高い!
湖西線の列車がやってきた。
その向こうに白髭神社の湖中大鳥居が見える。
湖中大鳥居方向をスーパーズーム
ずいぶん離れているのに列車のカタコト音がよく通る
近江舞子駅をスーパーズーム!
延伸工事中の湖西道路とか、ビワイチのチャリダーとか・・・
琵琶湖西縦貫道路は相変わらず混んでいるなぁ。
向こうに見えるは
2022年12月に歩いた沖島だ。
黄色の丸のあたりをスーパーズーム!
集落が見えた。
蓬莱山方向を眺める。
裾野を眺める。
15:20を過ぎた。
さすがにそろそろ下山しないと日没に間に合わなくなる。
再び高低差70mを登り返して横移動。
等高線では下り基調に見えたが下っている気配がない。
少し暗くなってきた・・
この岩積みは昔の遺構か?!
岩々ゾーンを下る・・・
ようやく舗装路に着地。
古い別荘地帯を抜けて・・
げんき村のキャンプ場内を抜けて・・・
ヤケオ山を見上げながら・・
16:25分、まもなく下山完了だ。
日没に間に合った。(^^ゞ
いつものことだが、もはや自分の車だけがポツンと残されていて最後だろうと思いきや、あれれ?
3人女性が乗ってきた岐阜ナンバーの白い車がまだあるではないか!
自分の車は死角で見えないが他には車両なし。
日帰りだとしたら遅すぎるんじゃないか?
帰り支度をしているうちに戻ってくるかなと思っていたが気配なし。
どこか離れた駅にでも下山して電車で戻ってくるとか?
ちょっと心配になって駐車場閉門まで車の中で休憩しながら待ってみた。
こちらの駐車場、朝来たときも開門時間より早くから開いていただけに
閉門時間とか関係なさそうで17時を過ぎても一向に閉まる気配なしだった。
さすがに17時を過ぎるとあたりはかなり暗くなり山中ではもちろんヘッデン歩きとなる。
登ったルートで下ってくるとしたら暗闇では確実に難易度が上がる。
そうこうしていると今度は雨が降ってきた。
まぁ会話を交わしたわけでもないし遭難とも言い切れないだろうからと
その場を後にしたが、後ろ髪(無いけど)を引かれる思いだったことは確か。
その後の経過はわからない。
秋の夜長のミステリーということで。