国見峠~国見岳の途中にて藤内壁想像以上の圧倒的スケールに驚いた!
御在所岳の裏側(北側)は日本アルプスさながらだった。【目的】
1.鈴鹿セブンマウンテンのうちの一座を制覇
2.御在所岳ってつまりどんなところなのか確認
3.できればメジャーではないルートで下山したい
【コース】
蔵の助(8:00)-スカイライン登山口(8:25)-負ばれ石(9:00)-地蔵岩(9:25)-キレット(9:45)-
富士見岩・山上公園(10:50-11:05)-リフト中間駅(11:20)~(リフト)~御在所岳山頂(11:25)-
鈴鹿国定公園記念碑(11:35-13:35)-山上公園(14:00)-国見峠(14:15)-国見岳(14:35)-
石門-天狗岩・ゆるぎ岩-1004mピーク手前分岐(15:45)-裏道の沢入渓(16:20)-
蒼滝トンネル(17:25)-蔵の助(17:40)
約一ヶ月前に登った鈴鹿山系の御池岳が非常に好印象だったことから
鈴鹿山脈に少々魅せられることとなった。
「鈴鹿セブンマウンテン」というキーワードが存在することがわかり都合の良い目標ができた。
御池岳が一座目ということで・・・って、御池岳はセブンマウンテンじゃないし。。汗;
気を取り直して、一座目は定番の御在所岳に登っておかないと話にならないってことで行ってきた。
鈴鹿セブンマウンテン=藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳お昼の大休憩までの前半はほぼ想像どおり。(^^ゞ
メジャールートである「中道登山道」はまるでここは六甲山か?と錯覚するほど
山ボーイ、山ガールが大挙して登っていて、これまた平均年齢が若い。(^^ゞ
足だけでは登れないアスレチックなルートはなかなか楽しくて登りごたえたっぷりであった。
山頂はというと観光地そのもので、ヒールや草履履きの観光客と登山者が混在するにぎやかな場所。
小さい子供はアブに追われて泣き叫び、ペットの子犬は立ちション。汗;
ここまでは想定内。
ところが後半は別世界へのいざない・・・。
アクセス節約のために新名神を使わずに西名阪自動車道から名阪国道経由で、
東名阪自動車道の亀山ICから四日市ICまで。
名阪国道は信号の無い一般国道なので制限速度の関係で燃費にも良い。
四日市ICからは一本道で出発から2時間ほどで湯の山温泉へ。
着いたのが御在所岳ロープウェイの山麓駅の目の前の駐車場。(800円)
駐車場のお兄さんに登山目的であることや中道から登りたいと伝えたら
起点がここじゃないことや無料駐車できる場所があることなどを教えてくれた。
目先の利益度外視で人に親切だった。
穏やかでどこか優しい三重県の好印象イメージ継続中。(^^ゞ
教えてもらった場所に移動するとまだ朝も早くフリースペースが空いていたが
帰りの事を考えるとそこまでの登り返しが必要であることやどのルートで下山するかまだ未定だったので、
有料ではあったが旅館「蔵の助」に駐車した。(600円)
日帰り入浴(タオル付800円)もあったが下山が遅くなり時間切れだった。
蔵の助前には公衆トイレもあって起点として便利だ。
中道登山口「蔵の助」を8時ちょうどに出発して舗装路をしばらく登って行く。
この舗装路は鈴鹿スカイラインにつながっているがゲートがあるので行き止まりである。
舗装路の途中の民家の軒先みたいなところに取り付きの案内板があった。
しばらく歩くと鈴鹿スカイラインの下をくぐって鉄階段を登ると登山口があった。
鈴鹿スカイライン上には無料の駐車スペースがたくさんあり、すでに無数の車が停められている。
ほとんどの登山者はここを起点に登ることをこの時に知った。
でも下山のルート次第では再びここに戻ってくるかどうかわからないので今回は蔵の助で正解。
鈴鹿スカイラインに駐車している車群から登山者がわらわらとこちらに向かってくる。
一歩でも早く先に行かないとと焦る。汗;
もろい地質の岩が見え隠れする急登な登山道をせっせと登り始めると汗が吹き出してくる。
最初っからアスレチックなステージで、足だけでなく手も使わないと登れないところが多くて楽しい。
立ち止まり休憩するたびに山ボーイ、山ガールが次から次へと追いついてくる。
コンニチハ~、と声かけてくれる者から、素知らぬ顔の者まで様々。。
集団が過ぎるのを待っていても次から次へと来るので、仕方なく若者たちにまみれながら登る。汗;
こんなに人が多いメジャールートはちょっと自分には向いてないなぁ~と早くも後悔の念。
ところどころ展望があるところからは日本一の地上高を行くゴンドラが眺められる。
所要時間が18分もかかるらしい。
トイレ行きたくなったり、腹でも痛くなったら18分は脱出不可能だなぁ。
負ばれ岩・地蔵岩中道(なかみち)登山道は奇岩があることでも知られていて誰もが一度は写真でみたことのある岩が現れる。
おばれ岩はくじらが海面から顔を出しているような形をしているが名前の由来は・・・まぁどうでもいいや。
山ボーイ・山ガールだらけで写真を撮る隙がなかなか無いので裏側からササッと撮影。
表では代わる代わる記念写真を撮っている間に先へと急ぐ。
次なる奇岩はサイコロのような四角い岩が2本の岩の上に挟まっている有名なところ。
これが地蔵岩っていうのか。もっとシャレた名前は無かったのかなぁ。(^^ゞ
いつも見る写真からの構図には見えないなぁと思っていたら、もっと登った先からの眺めがまさにそれだった。
登り始めの頃から同じ顔ぶれの山ボーイ・山ガールと抜きつ抜かれつのデッドヒートをしながら先へ先へと。
キレット・危険マーク中道は山と高原地図でも実線のメジャールートにもかかわらず地図上には2箇所も危険マークがある。
実際のところはどうなのかというと、よほどの大きなミスでもしない限りはまったく問題なし。
小さい子供からお年寄りまで登るルートなのだから。
でも実線ルート上の危険マークは他の山域でも同様に安全かというとそうとは限らない。
高度を上げるにつれて目の前に広がる展望の高所感は金剛山程度の標高とはとても思えないスケールである。
標高は金剛山程度でも地形や立地の関係で冬は非常に厳しく危険な山になると言う。
たしかにこんなに楽しいアスレチックなルートが凍結したり積雪があったらと考えると安全なところなど無い。(^^ゞ
富士見岩・山上公園高低差で830mくらいなので金剛山1個とちょいくらいなのにこの登りごたえのたっぷり感は何だろう。
約3時間の登りであった。
展望のあるはずの富士見岩に着いたときにはガスが出てほとんど展望が開けなかった。
柵がある側はものすごく切れ落ちていて、柵が無いとおそろしく危険な落ち込みようだった。
地蔵のようなものは何だろう。ブタの上に何やら載っているような。。。さっぱり理解できない。
ブタといえば・・・後半で。
山上公園とやらに着くとロープウェイで登ってきた観光客がたくさん。
もちろん登山者も混じっていてバーナーで何やら食事を作っていたりとにぎやかな後継。
御在所岳のピークはどこかなぁ~と探すも見当たらず地図を見てびっくり。
もう一つとなりの山みたいで。。。(^^ゞ
ガスっているさなかに少しだけ見えるスキーゲレンデのような芝生広場の先にたしかにピークらしいものが。。
観光客に混じりながらただちにそちらに移動。
御在所岳山頂途中、リフトがあることを発見。
しかも山上広場からそのリフトが続いているみたいで乗りそこねたって感じ。
スキーゲレンデ内を歩いて下って行った先にはリフトの中間駅があるのを発見。
山頂までの料金が300円くらいなら乗ることにしようと思って確認に行ってみたら
なんと200円だったので迷わずチケット購入。(^^ゞ
およそ5分ほどの所要時間なので、歩いて登ってもたかだか知れている。
遠くから見たら100mくらいの高低差に思ったが実際には50mくらいかなぁ。
そんなこんなでちょっと楽してピークに到着。
ここでも登山者より観光客のほうが多かった。
山と高原地図では窺い知れないスポットが幾つか散在していた。
長者池、御嶽大権現、鈴鹿国定公園記念碑、望湖台などなど。
すべてを確認してみたいところであったがこの時はガスっていて展望が無かったのであきらめ、
お昼休憩する場所を探して右往左往。
ベンチはいくらでもあるが、陰が無いと晴れ間が出ると暑すぎる。
もっと涼しいと思った。
鈴鹿国定公園記念碑のベンチがいちおう日除け付きだったのでそこにザチェアを取り出して根を生やす。
うつらうつらと2時間くらいも居た。
ひっきりなしに入れ替わり立ち替わりやってくる観光客。アブに追われて泣き叫ぶ子供。
ちょっと落ち着かなかったなぁ。もうちょっといい場所を探せば良かった。
国見峠・国見岳・石門スキーゲレンデを下ってふたたび山上公園のほうに登り返したところから裏道登山道の方へ。
登山道へ入るとさすがに観光客の姿はピタリと居なくなってちょっとしたジャングルムードに。
時間にして14時になろうとしているのに、まだこの時間から登ってくる登山者が次から次へと。
途中、いい感じの沢を一箇所渡渉した。
国見峠につくと4方向への分岐。
ほとんどの下山者は裏道登山道へと下りていくはずだ。
せっかくなので所要時間10分で行ける国見岳に行くことにした。
これまで下り基調できて国見峠からは登り返しだ。
50mくらいの登りだからがんばろう、と登って行くと巨岩が現れだし、
振り返って御在所岳のほうに目をやるとものすごい岩面だらけの山容に驚いた。
まるで北アルプスの甲斐駒ケ岳かと錯覚するほどのスケールであった。
これがいわゆるロッククライミング・アイスクライミングの聖地「藤内壁」だ。
今年たしか転落事故もあったよなぁ。。恐ろしい。
そこからほどなく国見岳に到着するも狭い小さなピークであった。
周りをよく見ると踏み跡があったのでザックをデポしてそちらに行ってみると
これまたすばらしい北側の展望が開けていて広大な鈴鹿の山々が一望できた。
下山は尾根道を行くことにしたので少し戻る。
途中、「石門」というところがあるようなので行ってみたらたしかにこんな山中に石門が。
しかもなかなか巨大であった。
尾根道・天狗岩・ゆるぎ岩尾根道は実線ルートであるが、なかなか距離を伸ばせない難ルートで、
足も手も使わないと行けないような木の根っこゾーンが続く。
ずいぶんと疲れさせるルートであった。
途中、「天狗岩」という圧倒的スケールの岩が目の間に突如現れてドキっとする。
中道の奇岩よりさらにスケールアップ。
せっかくなので上に登ってみたらすごい展望だった。
高所恐怖症なので先っぽの岩にはとても行く気にはなれなかった。
そしてすぐとなりには「ゆるぎ岩」があった。
さて、天狗岩に登ったものの、降りるのはちょい恐怖。
足の長さを利用してなんとか前向きに降りることが出来た。
後ろ向きだと転落したときに大怪我をしそう。
「ゆるぎ岩」は上に乗っかっているヤツがグラグラと揺れるとか。
その乗っかっているヤツを見上げると、どう見てもブタさんにしか見えない。
富士見岩にあったブタの上に何かが載ってる地蔵みたいなのと関係あるのか無いのか。
そんなかんやで下山を急ぐ。下山中にすれ違ったのは一人だけ。下山する人も居なかった。
途中、またしても岩があって実線ルートはそこを登ることになっていたが、
真新しいテープがそれらの岩をトラバースするように付いていたのでそちらへ行ってみる。
ずいぶん歩いたところでGPSを確認すると、尾根道の実線ルートからどんどん外れていっており
合流する気配が無い。
途中、藤内壁の圧倒的スケールの岩場が視界に飛び込んできた。
よく見るとクライミングしている人がたくさん。。恐ろしい壁。。。
そのままどんどん尾根道から離れて行って、こんどは裏道に近づいてきて、
最後には裏道に合流したところで沢。
それもなかなかのスケールの沢である。
裏道・沢・藤内小屋+モンベルハウス+テン場沢の水はどこまでも美しかった。
沢で休憩していると、藤内壁からロッククライミングを終えた少年少女たちがガイドさんと一緒に下りてきた。
みんなヘルメットをかぶってクライミングシューズをぶら下げている。
沢からしばらく下ったところに山小屋がポツンとあって賑わっていた。
藤内壁のクライミングのためのベースキャンプも兼ねている感じでいい雰囲気だった。
休憩している人が多かったのでそのまま通過。
すぐそばに林道でもあって下山完了かと思いきや、なかなかどっこい延々と沢沿いの山道を行く。
しかも途中でつづら折れの登り返しがあったりで。。
蒼滝トンネル最後は林道に出たかと思うと目の前にトンネル。
何も考えずに車の通るトンネルを早足で抜けたところで地図を見てショック。
実線ルートはトンネルをくぐってなかった。
でも周りを見渡すと地図には無い道を発見したので、アレヨアレヨと下って巻いてアップダウンの先には
起点である「蔵の助」があった。
まさかのショートカットで結果オーライであった。
さて車まで戻ったところで蔵の助にて日帰り入浴を・・と思いきや17時までだったみたい。
しかしながらなかなかいい温泉を見つけた。
国民宿舎の温泉(450円)で誰も入ってなくて貸し切りだった。
そんなわけでまたしても鈴鹿山脈のスケールと美しさ、奥深さに気付かされた山行きとなった。
三重県側は時間がゆっくり流れていて人も優しく、なにかこう包み込まれるような懐の大きさを感じたなぁ。
その他の写真は以下より。(今回は多いよ~)
GPS軌跡+地形図
GPS軌跡+山と高原地図
起点(蔵の助の駐車場が見える)(水がきれい)
民家の軒先みたいなところに取り付きがあった。
鈴鹿スカイラインの下をくぐって上がると登山口だ。
登山開始直後からアスレチックがはじまる。
足はもちろん、手も使わないと登れないシーンが多く楽しい。
高所を行く御在所ロープウェイ(地上からのゴンドラまでの高低差日本一)
ロープウェイの真下から四日市工業地帯を望む
巨石だらけ
おばれ岩(負ばれ岩)の裏側にて
御在所岳のピークに見えるけどニセピーク(険しそうな山だ)
東側の展望ヨシ!
鎌ヶ岳(トンガリ)の展望ヨシ!
地蔵岩(この構図で撮るにはセルフタイマーでは間に合わない距離にある)
飛行機雲が放射状に。。(一点透視図法?!)
積雪期だとヤバイ場所かな。
手前の岩場を下りて登り返す
岩場を下りて振り返ったところ(上に人がいる)
だいぶ近づいてきたけどまだまだだ。。
裏側(北側)の落ち込みようはすごい
左下に人が見えるのがルートでちょい難所
富士見岩(ここまで来れば観光客も居て山頂かと思いきや・・)
ブタ?の上にナニカが立ってる?さっぱりわからない。。。
落ち込みようがスゴい。。もし柵が無かったら。。
山上公園(お昼を摂っている登山者の姿も)
こんな看板もあったら山頂と思うよ。(タイムトンネル?)
向こうに見えるピークが御在所岳だ。
こっちがホンモノの御在所岳のピーク。ってどうみてもスキーゲレンデだ。
中間駅からはまさかの200円だったので、迷わず乗って楽させてもらった。
5分ほどで山上に着いた。
御在所岳ピーク(金剛山よりちょっと高いだけ)
鈴鹿国定公園記念碑のある広場
望湖台
御嶽大権現(中華風?これってなんだろう)
昼食を終えて下山モードへ(ゲレンデは場違いな雰囲気)
ひとたび裏道方面の登山道に入ると御在所岳本来のきびしい姿が。
国見峠(右へ行くと裏道、正面は国見岳へ)
気持ちは下山モードなのに、この登り返しがキツい。。
急に展望開ける。まるで御在所岳=甲斐駒ケ岳かと思った。
あいかわらず巨石
国見岳ピーク(印象薄い)
国見岳ピークから少し北へ踏跡をたどると藤原岳のほうを望む大展望が。
石門(まるで石舞台古墳?)
天狗岩(突然現れたのでその威圧感にびびった)
天狗岩に登ってみたら展望サイコー!
天狗岩の上から眺める「ゆるぎ岩」(ゆらゆら揺れるらしい)
ゆるぎ岩の上に乗っかっているのはまぎれもなくブタさん?カピバラさん?
ゆるぎ岩(左)と天狗岩(右)を下から見上げる。
北側はやはり落ち込んでいる
木の間から御在所岳北面の藤内壁が見えた!
なにやら人が居る!
スーパーズームしてみるとスゴい所を人が登っていた。
さらにさらに今度は集団でスゴい所を下っている(@@)
少し拡大してみた(この絶壁でクライミングの練習?)
さらに拡大すると子供たちのようだ。
マイナールートで尾根道から裏道に合流したところに大きな沢。
絶壁のところに居た子供たちと引率の人が下りてきた。まるで何事も無かったかのようだ。
気分はすっかり下山完了モード。
ところがここからさらに一時間ほど下山は続行だった。
まるで遠足に行ってきたかのように子供たちが仲良く下山して行った。。
藤内小屋
水の透明度が高い
蒼滝トンネル
蔵の助前にまさかのゴール。