天和山山頂にて
登りごたえがすべてそういえば大峰の天和山ってまだ登ったことがなかったなぁ。
というのも、大峰山系の中で不人気ナンバー1だと思っていた山。
以前から登る理由、目的、目標、お目当て、何ひとつ見当たらなかった。
同じ稜線上にある栃尾山の存在感のほうが遥かに希薄なのに
ちょっとだけ立地が良いというだけで太平辻からだとついでに立ち寄る山?になっている。
天和山ときたら、あんな奥地までわざわざ行く人いる?何しにいくの?と思っていた。(^^ゞ
実際に登ってみたら、トンデモ急登にトンデモ高低差、そこそこの距離。
よほどの覚悟というか意欲がないと誰も登らないだろうなぁというレアさが逆にこの山の魅力かも。
周囲数キロ、誰も居なさそうな緊張感。
山頂はというとオアシスといっても良い小さな芝生広場。
道中の苦労をすっかり忘れさせてくれるほど平和なところだった。
山頂からは大峰の主稜が少しだが見通せる。
立木が成長していかなった過去には大展望があったらしい。
ちなみに今年はとんでもない暑さの夏だが、
これくらいの標高と距離、高低差の山行なら水分3リットルで十分足りたという自分用メモ。
内500mlは冷凍ポカリで夏の登山には必須装備。
保冷剤も入れてないのにモンベルの保冷バッグの保冷力が高すぎてぜんぜん溶けていない。
それでも少し溶けた分をすすって溶かすために水を注ごうとしたらボトルを倒して500mlを喪失。
残り2.5リットルのうち160mlは白飯に必要で、レトルトの湯煎に200mlくらいと食後の珈琲に200ml。
それでも今回のルートの約95%は日陰だったため飲むための水分は実質2リットルで足りた。
あまりの急登続きでザックをおろしての休み休みであったが休憩のたびに汗が引く心地よい風。
最高気温が22℃程度だった。
ところで天和山、何と読むかというと「てんなさん」。
そこをあえて「てんにゃにゃん」という読みにしたらもっと人気が出るかも。(≧∇≦)
山にしてみたら登山者にもっと来てほしいなんて思っていないだろうけど。
なかなか登りごたえがあっていい汗かけた。
山と高原地図(52 大峰山脈)2020年版より ★反時計回り周回
ジオグラフィカより 高低差と距離
舗装林道を進んで行くと、まさかの通行止め。
手前の広いスペースに駐車。
駐車地からすでにセルラー圏外。
先日、正式に日本国内での衛星通信が使用可能となったので
機内モードでない場合は圏外だと自動的に衛星SOS通信モードになる。
これで非常時はどこにいても緊急通信ができるわけだが本人が意識あってのこと。
また、「探す」アプリで非常時以外でも衛星経由で位置情報を共有できるが
操作が面倒なのとトラッキングができないので実用性に欠ける。
一瞬、もうこれでGARMINのinReachは不要になったかと思ったが運用継続。
ちなみに現在のキャリアはダブルesimでソフトバンク系がメインで補助がau系のMNOだ。
最近のドコ◯はいろいろ問題ありすぎで現時点では不要となった。
取り付きまでのアプローチが長いとやめようかと思ったが1km程度なので歩くことにした。
壁にびっしりと・・
群生している
イワタバコ
林道は落石が少しあるものの車両通行に支障なし
今回歩いた区間にはまったく路面に異常なしだった。
(一般車両に入り込んでほしくないのかも)
普段、人がほとんど入ってなさそうな秘境感がある。
そろそろ1kmくらい歩いたかな?と確認すると
200mも行き過ぎていたことに気づいてここで引き返す。(´ `)
取り付きまで戻ってきた。
こうして眺めてもここから登るなんてじっくり観察しないとわからないくらい踏み跡が薄い。
たしかに踏み跡の名残りのようなものがある。
今度はやや難所のへつりだと進むも、またもやルートミスに気づいて引き返すも
いったいどこから?というような分岐を探す。
ここですか~。
馬酔木ブッシュのせいで足元をじっくり見ないと踏み跡に気づかないくらいだ。
しばらくブッシュが続くので遅々として進まない。
延々とブッシュなら撤退しようと思っていたら少しマシになってきた。
ずいぶんブッシュはやらわいだ。
植林帯ということもあり、このまま進むことにする。
途中、明確な踏み跡が横断していたりしたが尾根を突っ切る。
あれ?前方を自然林の壁が阻んでないか?
もうちょっと進んでみよう。
あれ?
どこからともなく続いてきている明確な踏み跡に合流したぞ。
進むべきルートがはっきりとして快適になった。
やや?右手のアレなに??
なんだあの木は?
プラッチック?
近寄ってみた
スベスベ~。
う~ん、スベスベ~。(^^)
スプレー塗装されたかような滑らかな表面。
ヒメシャラとはまた違うような。
植林帯と自然林の境界を進む感じ。
赤松がけっこう混ざっている。
快適、快適。
堆積した松の葉でフワフワの踏み心地だ。
こんな感じ
右手は深い谷だ。
前方に大きな赤松が立ちはだかる。
植生が変化して明るい雰囲気になる。
しかもフラットでゴキゲンなトレイルだが長くは続かなかった。
前方が壁のように急斜面となって迫ってくる。
すぐに終わるかと思いきや、これが延々だ。
見た目以上の急登で踊り場のたびにザックをおろして休憩。
西風もあってか涼しくすぐに汗が引く。
気温は20℃程度
後ろに転げ落ちるくらいの斜度はさらに続く。
右手はさらに深い。
正面はこんな感じ。
このまま急登が続くだけならよかったが・・
やや難路が現れる。
左手側をへつると急すぎてヤバい。
尾根芯を進むと馬酔木に阻まれてやばい右側へ誘い込まれるではないか。
そこをなんとか考て安全に突破。
さらに急登は続く・・
終盤、さらに急になったところを右手の尾根に取り付いて振り返ったところ。
あとはここを登りきれば・・
まだ終わらんかぁ。
またしてもザックおろして休憩。
ついにラスボスというか前方の膨らみのある尾根へ横移動。
上から安全に巻いた。
尾根に取り付いて振り返る。
あの先端の向こうはほぼ垂直。
もうひと踏ん張り
斜度はさらに・・
ようやく登りきりそう
ようやく登りきったがここは山頂ではない。
稜線に合流しただけだ。
少し下って・・
痩せ尾根の登りに転じる。
左手側はそうでもないが、右手側は切れ落ちている。
最後の最後にここを登り切らなければならない。
いよいよ山頂が近いというところで日の当たる場所に出た。
日差しがあると暑すぎる。
それにしてもここは芝生広場か!?
暑い、暑い・・日陰の無い山は考えられない・・
ついに到着。
天和山山頂にて
山名板が上下ひっくり返っているので直す。
新宮山彦ぐるーぷ設置の山名板だった。
H30年設置ということはまだ6年しか経ってないのにえらい傷んでるなぁ。
三等三角点
山頂はけっして広くはないというかフラットな部分はわずかだが
昼休憩で過ごすにはルート上いちばんの適地だ。
奥行きは写真で見えている範囲までだった。
赤松が多い
ここまでを地形図でおさらい
さて、昼休憩だ
11:40より開始
気温は22.5℃
湿度75%
またもやカレーライス作り。
「尾西の白飯」を備蓄してあるので寒くなるまでずっとこのパターンかも。
ちなみにカレーには少々うるさい。
カラメル色素の入っているようなカレーは論外。
ほとんどのレトルトカレーは選考対象外。
今回は「おうちのこだわりビーフカレー」✕2
白飯がけっこうな量なのでカレー(200g)が先になくなる。
最後は白ご飯定食になるので、まぜるな危険、あえて同じのを2袋で大満足。
また3Dプリンタで余計なもんを作ってしまった。
甘口だったが野菜ごろごろと大きくて美味しかった。
手が汚れている時などに限って手元にティッシュがなくて
ザックをかき回すことが多々あったので専用ケースを製作。
箱ティッシュの使い心地を再現。
最初から出しておくことにした。
ポケットティッシュって一旦開封するとザックやカバンの中で
なぜかボロボロのクタクタになって中身が飛び出していたりと悲惨。
こんなの100均に売ってそうだけど。
さて、下山のほうが距離が長いのでそろそろ再出発。
11:40~13:20ということで1時間40分の休憩だった。
山頂からは大峰の主峰、八経ヶ岳が正面に。
ここ天和山(標高1280m)よりまだ700メートルほど高いからかなりそびえて見えた。
下山方向を眺めると先週末に登った山々がそびえる。
紅白鉄塔の手前の尖ったピークを越えて、さらにもう一つ登らなければならない。
栃尾山は過去に登ったことがあるのでやめた。
痩せ尾根をピストンで戻る。
登ってきた尾根との合流箇所はピークに登り返さず巻く。
大きな赤松があった。
赤松を見上げる
ここからは歩きやすいまさかの快適ロード
下る・・
下る・・
登り返し
登る・・
縛られたままでかわいそう
だれか解いたげて・・
尖ったピーク直前はブナ林
もうすぐピーク
尖ったピークを登りきったがまだ本日最後の登りではない。
紅白鉄塔(高さが60mを超える鉄塔)が見えるがあの下は通らない。
ちなみにこの名も無き尖ったピークは天和山山頂よりも高いにも関わらず名前がない。
尖ったピークからの下り。
よく見ると右手側のブナ林の下のほうにピンテがあって踏み跡があるではないか。
ピンテの踏み跡まで下ってきて尾根をヘツリながら進む。
こっちのほうが尾根芯下りより快適である。
もしかして紅白鉄塔から続く巡視路かもしれないな。
ちょっとした登り返しの先は鉄塔があるはず。
21番鉄塔だ
鉄塔広場からは正面に先週末に登った頂仙岳がそびえる
先週はあんな高いところにいたのかぁ。
鉄塔広場は日当たりがあって暑すぎるので通過。
本日最後の登り
分岐点にて
特に案内は無いが赤破線方向は栃尾山だ
黄色の方向へ下山
なんだか前方が明るいぞ(暑そう)
22番鉄塔広場だ
越えてきた尖ったピークに紅白鉄塔、下を通過した21番鉄塔が見えた
そしてはるか奥には登った天和山が見えた
ズームすると手前に大規模に山抜けしている箇所があった
下山ルートは障害なくドンドコ進める
植林にまぎれてここにも立派な一本松があった
今回もプー機なしではおれない暑さだった。
常に「強」(最強ではない)で使っていたが電池切れになることはなかった
モノラックのレールと合流
今は使われてなさそう
レール沿いに下るが左側が歩きやすかったり、
また右側に移ったりとレール沿いあるあるだな。
おっと、そこは無理~
安心ください、右側に林道が現れました。
果たしてこの林道の上はどこまで続いているのだろうか。
舗装林道に無事、ソフトランディング。
地形図でおさらい
朝、取り付きに気づかず行き過ぎたところまで帰ってきた。
沢で手や顔を洗う。
水は美しいが冷たくはなかった。
今朝の取り付きまで帰ってきた
あんなところを登ったなんて。。
水が美しいかどうかは水中の岩の汚れ具合やヌメリで見極めているが
ここの水は美しいと思う
駐車地までまだまだだ。。
ちなみに13:21に山頂を再出発して、駐車地に到着したのが17:00だったのでかなり時間がかかった。
今回の山行も長かったけど、一日中どっぷり森林にまみれて満足だった。