横山岳山頂にて広大なブナ林に包まれた登りごたえのある山先週末のキタヤツの寒さに縮み上がり、
長野県にとうとう冬がやってきたぁ、もう今年も終わりかぁ。。
という晩秋の思いをしたばかりなのに関西に帰ってきたらまだ温かくてよかった。(^^ゞ
さて、横山岳である。
未踏18座を残す関西百名山のうちで横山岳はいちばん最後になるだろうと考えていた。
というのもアクセスが遠い、季節が限定される(豪雪地帯)、天気の良い日が少なめ?
そこそこハードなのに見どころが少なそう、花はあまり興味なし。
そしてなによりも山頂のシンボルの謎の物置小屋が萎える、
という取り柄がまったく無いみたいな山だと勝手に思っていた。
今回、なぜ横山岳に行くことにしたのか?
季節的にも天気的にも今がチャンスと半ばやっつけ仕事だったのは正直なところ。
山は実際はどうだったのか?
19回の渡渉に鬼の無限急登、大スズメバチにマダニの洗礼。
さらには氷結風つるっつる坂になんども滑ってコケかける
というフル・オプション付きだった。(≧∇≦)
カモシカや野猿にも出会えたのでマイナスばかりではないが
これ以上の山は他に無いだろうという意味では良い経験をしたと思うことにしよう。
名神は京都東から湖西道路下道で約3時間半約180km走って
白谷駐車場に着いたのは8時半。
舗装された美しい広い駐車場には1台も先行駐車車両なし。
あれ?もしかして今日は定休日?
こんな時間に1台も車が無いなんてアヤシイ。
恐る恐る準備していると滋賀ナンバーの車が一台入ってきた。
単独女性が下りてきてあたりを撮影していたかと思うと
ナップサックみたいな軽装で先に出発してしまった。
会話はおろか、挨拶もなかったこの女性とはそれっきりで
この日、二度と出会うことはなかった。
計画では東尾根コースで登って三高尾根コースで下山するという大周回。
ところがだ、登山届の入ってそうなところに何やら張り紙があった。
「忠告」と始まってどうやら三高尾根コースにある鳥越峠あたりに
オオスズメバチが巣を作っていて極めて危険とのこと。
白谷本流コースか東尾根コースを利用してほしいとのこと。
まさかの現地でコース変更を余儀なくされるとは想定外だった。
知らない沢ルートでの下山は避けたいので登りで使うことにして
つまり白谷本流コースで登り、東尾根ルートで下山するという
反時計回りコースへ急遽変更することにした。
結果的に沢ルートは楽しく、あえぎながらの無限急登もまたとない経験。
登りごたえがあり、かつ、山頂はともかく山頂から東尾根への細尾根の展望が気持ちよく
予想していたより良かったという印象のまま終えることができた。
それにしても山深くてひとたび入り込むと簡単には戻って来れないスケールだった。
詳細は以下より。
Geographica + GPSログ ★時計回り周回
※山と高原地図は掲載圏外
8:30 駐車場に到着するも駐車車両が無い。
今日は横山岳は定休日か?
これはよく出来たミニチュアログハウス風連絡箱
登山届が入っているのかと思いきや・・
紙地図やこんなのが。。。
どういう時に使うのコレ?使い道を教えて(≧∇≦)
なんと!二日前に貼られたもので
下山で歩く予定だった三高尾根コース上の鳥越峠に
オオスズメバチの巣があるとかで通行を控えるようにとのこと。
これ以外の場所でも巣を見つけてしまったよ。。後述
なるほど~、これは楽しみ♪
駐車場に設置されていた立派な案内板。
ハイカーの多そうな山なのに時期を間違えた?!
黄色矢印の方向へ進んで、赤色矢印方向に下山してきた。
先週末のキタヤツがやたら寒かったので今回の着物に迷った。
いちおうここは雪国なので。
しかしさすがは低山、まだまだ暑かった。
まずは林道を行く
林道はすぐに行き止まる。
ここからは白谷本流コースである。
いきなり滑り落ちるように下ったところにドボンしそうな沢。
渡渉の1つめだ。
「横山岳」看板がやたらと登場するので迷いようがない。
まさかの倒木くぐりの洗礼。
こんどはいきなり急登かと思いきや・・
2つめの渡渉。
このような一本橋はこれが最初で最後の登場だった。
沢に沿うようにまたもや激登り
3つめの渡渉。
浅いからジャブジャブ渡れるが、増水してたらすぐ詰みそう。
お助けロープが無かったら厳しい登り。
手が汚れるとカメラも汚れる。
沢があるのですぐ手を洗えるが。
沢沿いではあるが沢から5mくらいの高さを沿う。
写真の矢印のところに何やら人工物が見えた。
あれは林道ではないか!
もしかして今がんばっている苦労はしなくてもよかった?
10mほど下にある沢まで転がり落ちるように下る。
おっと、へつりの難所だ。
足場がほとんど無い斜面なのでお助けロープが無かったら詰んでたかも。
さらに渡渉して、登って、登って・・なにこれ?
さきほど見えていた林道に合流ではないか。。
これまでの苦労はいったい何だったの?
ハシゴで上がると林道は左右に進めるが左へ。
右は下山で使う予定の尾根ルートにつながるがかなりの遠回り。
このまま白谷本流コースを忠実にたどる。
ということで林道を左へ進むとすぐに橋が見えた。
なんだコレは?!
もしかして、もしかするヤツ?
絶賛ブンブン中の大スズメバチの巣だった。
ここは鳥越峠じゃないのであの注意喚起とは別の巣ということになる。
白谷本流コースはこの太鼓橋を渡らずして右へ進むのでセーフ!
すぐ近くで蜂が飛んでたから橋を渡ったらヤラれてたな。。
長いこと山登りやってるがスズメバチにはまだ刺されたことがない。
ちょっと進んでさきほど蜂の巣のあった太鼓橋を振り返る。
この先、またスズメバチに遭遇したりしないだろうか。。
おや?正面を見るとナニか居るではないか。
こんどはナニよ?
紀州じゃないカモシカさんだった。
近づいても逃げないので襲ってくるんじゃ?と一瞬思ったが
カモシカってウシ科なのだ。牛だと思えば大丈夫。(^^ゞ
向こうのほうが怖がりさんだったみたいでさらに近づくとゆっくりと逃げた。
こちらに興味津々・・・かわいいなぁ。
さてまたの渡渉は5つめだ。
そして6つめの渡渉。
何やら前方に滝を確認。
さらに渡渉が続く。
この渡渉はちょっとバランス感覚が必要だったような。
お助けロープに少し頼った。
なかなか見応えのある滝壺のない滝
名前あるのかな?
滝を巻くようにいきなりの登りとなる
トラロープはわかるが・・
何のシーンの写真だったのか自分でも覚えていない。
9つめの渡渉
渡渉は数えにくいほど小刻みとなる。
やっと沢から遠ざかったかな?
はぁ・・まだ渡渉があった。。
ついに16つめの渡渉。
まだまだ17つめの渡渉。
ほとんどの渡渉は浅いんだけどね。。
18つめの渡渉。
そろそろ数えるのに疲れてきた。
19つめの渡渉。
これが最後の渡渉だった。ヤレヤレ・・
この滝が五銚子の滝だと思ったら違った。
さらに登った先にいきなり現れた「五銚子の滝」
まもなく地獄が待ってるので滝でも眺めながら
ここでちょっと休憩していったほうがええよマジで、っていうスポット。
しばらく休憩するも、置いたカメラバッグにマダニが付いてきたし。。
汗が引いたところでさぁここからが鬼。
地獄の激登りの始まり
金剛山3大急登の中尾の背もびっくり、もみじ谷のどんぐり坂みたいなのも無限に続く。
滝の上部までトラロープに頼りながら登る
右側へ転落すると下まで止まらないのでロープが助かる
とにかくこのあたりはお助けロープに頼りまくり。
ふと対岸を見るも登れそうな箇所のない急斜面だ。
心臓破りを通り越す激登りをあえぎながら登る。
ものすごい斜度。
関西百名山3大急登があるとしたらトップクラスだろう。
左側を向いたところの斜度。
右側を向いたところの斜度。
垂直に近いかもなぁ。
こんなとこ下りでは使いたくない。
せぇ~の~。
あの岩の割れ目を目指して・・
プハ~。(≧∇≦)
あと300mって高さ?距離?どっちでもいいや。。
この急登じゃ距離もなかなか縮まらない。
休み休みとはいえ、まだまだ続きそう。
急登は高さを稼ぎやすいのはいいんだけどね。。
あと・・あと?200m?100m?
やっとあと100m
さっきの看板はあと200mと書かれてたみたい。。
おっと、やっと急登が終わって登りきったみたいだ。
水平移動になってさっきまでの苦労はすぐに忘れた。(^^ゞ
もうすぐ山頂か?
交差した踏み跡を少し左に向かうと・・・
ついに横山岳山頂だ。
登頂成功!
横山岳山頂にて
関西百名山がっかり山頂トップクラス。(≧∇≦)
あの物置小屋がシンボルではあるが。。
物置から反対方向を見るも展望はきびしい。
三高尾根ルートも同方向だ。
横のハシゴを使って物置の上から展望を眺められるみたいだが満足な展望を得られず。
下山ルート上にもっと良い場所があった。
それにしてもこの鍵のかかった物置の中にはナニが入ってるの?
ガイガーカウンターもバケタンも反応なし。
弁当広場適地であったが日差しが暑く陰もないので
休憩もそこそこに下山方向へ昼休憩適地を探しながら移動開始。
ブナの木が目立ってきた。
冬場の積雪量の多さを物語っている。
見晴らしのいい細尾根に出た。
背後の左は横山岳山頂。
右側の名もなきピークのほうが山頂より標高が高かったが??
横山岳を振り返る。
細尾根から眺める南側の展望。
展望は抜群だが弁当適地なし。
細尾根から眺める北側の展望、
ほんとに山深い。
ここは自分の足でかなり歩かないと来れない場所だ。
登山道から北側に登る尾根、
奥のほうを見ると平坦そうなところがあったので低木を少し掻き分けて進入。
いい場所を見つけた。(≧∇≦)
気温は20℃でちょうどいい。
12:50 マタドールのブランケットを敷いてようやく昼休憩にありついた。
ところがだ・・休憩中、大小無数のマダニが忍び寄ってきて・・
登ってるときにも休憩するたびに登山靴にマダニが付着してたので
ザックを下ろしておちおち休憩してられない山だなぁと思っていたんだった。
見つけるたびにバンドエイドにくっつけて回収するもだんだん忙しくなり
それでも一時間は休憩して珈琲まで飲んでマダニを持ち帰らないよう注意深く撤収。
ザックにもカラダにもどこにも進入されずに休憩成功!
これからはマスキングテープが要るなぁ。(´`)
さて下山開始というか下山途中に昼休憩したので下山を続行。
「東峰」というところに出た。
こちらも展望抜群。
三角点のような石柱に何やら彫られていた。
南側にそびえ立つのは金糞岳(未踏)だ。
存在感あるなぁ。
あっちからこっちを見るとどう見えるのだろうか。
国道303号線をズーム。
東峰の先端からは転がり落ちるような急転直下となるが・・・
すぐに落ち着く。
ブナ林が続く・・
もう15時近い。
今日はもうこの山には誰も居なさそう。。
15:00
左へ進んでも帰れるが一時間くらい遠回りになる。
よって右(東尾根)へ進む。
ブナ林からさらに高度を下げるもこれといって見どころなし。
このルートで登らなくて正解だった。
一瞬、開けたところに出た。
草刈りがされていたので林道が近いのかも。
植林帯に入った。
すぐに激下りとなって・・
もうすぐ着地か?
その先は切れ落ちてそうだ。
林道が見えたがまだ高所だ。
徐々に高度が下がってきて・・
林道に着地。
しばらく下って行くと前方には左への分岐とその奥に赤い橋。
下山は左方向だが赤い橋まで行ってみた。
夜這橋
ウワサの夜這いの水場は今はもう無かった。
赤い橋はさらに奥にもカーブして付けられていた。
さて下山続行。
しかし立入禁止とある。
赤い橋を進んで下山できなくもないが一時間くらい遠回りになる上、
あの大スズメバチの橋の上を通り、
そしてさらに忠告のあった大スズメバチの巣のある鳥越峠をも通る。
ここを下りなきゃ無理だ。
ってことで突破。
舗装されていたので快適に下れると思いきや、
なんと!10匹くらい居た猿の軍団はすぐに散って行ったのでよしとして
それよりなによりコンクリートなのにまるで凍ってるかのように滑りまくる。
濡れている箇所はもちろん、乾いている部分まで滑る滑る。
5回くらい滑って転けそうになったがなんとかセーフ!
最後の最後に思いがけないトラップだった。
これは書き留めておかないと尻もち犠牲者が出るレベルだ。
ヤレヤレ、この林道も長いなぁ。。
テクテク・・
16:25
下山完了は16:30
10分ほどたそがれて帰国の途へ
温泉と食事(かなりいい店だった)ので再訪後に改めて紹介予定