2015-01-01から1年間の記事一覧

引っ越しで地元中小業者を使ってみて

引っ越しが終わった。 いやー、終わったなー。疲れた。 引っ越しをしてみて、思ったことを書いておく。 人生で10回近く引っ越しをしてきたが、自分自身が業者に依頼したのは初めてである(前回も頼んだがつれあいがやってくれた)。今から書くことの多くは「…

同性愛を「気持ち悪い」と思うこと

「同性愛は異常だ」という発言をする人は、ある性愛の有り様が自分にとって気持ち悪い、ということを根っこにもっているんだろう。 ヘテロセクシャルでも、たとえば自分の上司(疲れた年輩のじーさん)が自分の職場の高齢の経理の女性といちゃいちゃしたりセ…

れのれの『ネットで会って30分で結婚を決めた話』

結婚相手が同じ価値観の人がいいかどうかは、まさにカップル次第ってところはあるけど、金銭感覚というか、生活レベルの感覚は同じがいいんじゃないかなあ。 うちはぼくもつれあいも、「超ドケチ」な人間、しわい屋である。 つれあいは、先日出張でアメリカ…

ジムとしての町内会活動

町内会の活動って、まじめにやるとすごくカロリー消費するよ。 いや、うちの町内会は、まじめにやってないし、そういう何でもかんでも引き受けちゃって重荷になっている町内会活動を、ぼくは批判してきたわけだけども。 今日はあえて、そういう重荷の町内会…

古川琢也+週刊金曜日取材班『セブン−イレブンの正体』

年賀状の季節である。 サヨク仲間の知り合いから「郵便局の年賀状ノルマがキツい。買ってくれないか」という依頼が来た。「資本とたたかわないのか」と怒るむきもあろうが、まあいろんな人がいるのである。 ぼく自身必要なので100枚、その人から頼んだ。 ブ…

ふみふみこ『めめんと森』

「わたし くろかわさんがすきです」 ふみふみこのマンガ『めめんと森』の中で主人公の目野優子が上司の黒川に酔って告白した言葉である。 酔態にあるかわいい女性部下に言われてみたい一言。 そのとき大事なことは、お互いに酔っていることだ。 黒川も相手に…

不破哲三「本と私の交流史」の記事を読む

古本屋めぐりをまったくしなくなった。 福岡には古本屋がないせいである。 いや、あるよ。 あるけど、遠いし、ほとんどないので行かないのである。 言っとくけど、ここで言っている「古本屋」っていうのは、ブックオフとかそういうアレじゃないから。古書店…

朔ユキ蔵『お慕い申し上げます』

朔ユキ蔵『お慕い申し上げます』について書きたいと思いながら1年以上たってしまった。 書けないなら書けないでもいいじゃん、という声も自分の中から聞こえてくるけども、アウトプットしなければやがて消えていってしまう。いろいろ本も読んでいろいろ考え…

今野晴貴『ブラック企業』『ブラック企業2』

公約でいっぱいあった「ブラック企業規制条例」はどうなった 宇都宮健児が都知事選に立候補したとき「ブラック企業規制条例をつくります」というのが公約にあった。 この前のいっせい地方選挙でも「ブラック企業規制条例」を公約に掲げた候補がいた。 しかし…

冬目景『イエスタデイをうたって』11

冬目景『イエスタデイをうたって』が完結した。 15年か。 いつまでも決断しない若い人たちの恋愛のウダウダした様子をかくも長く見せられたという意味で記念碑的かもしれん。 いや、多くの恋愛マンガは、成就すれば終わりっていうところがあるから、決断しな…

避難指示が出ているのに誰も逃げない問題

朝日新聞デジタルで町内会・自治会特集が始まっている。 町内会について意見を集約しており、すべて読める。 すべて読んだ(9月20日時点)。 いろんな意見があるわけだが、大雑把にいって、(1)町内会は必要であるという意見、(2)強制され、負担を背負…

坂爪真吾『はじめての不倫学 「社会問題」として考える』

人間だれしも先生を「おかあさん」と呼んでしまうことは生涯で二度や三度はある。いや、隠さなくてよい。あるんだってば。だれにも。な。 「おかあさん」ならまだしも「ママ」だった日には目も当てられない。まだ「おかあさん」であった幸運を言祝ぐべきであ…

保阪正康『戦場体験者 沈黙の記録』

40数年もかけて4000人から話を聞いたということ、戦友会の抑圧構造が一般兵士の戦場体験証言の少なさに結びついているという新聞広告を見て本書を手にとった。 兵士としての戦場体験を直接聞けたのは、ぼくの父方の祖父と、つれあいの父方の祖父の2人…

りべるむ『三十路とレディ』

りべるむ『三十路とレディ』を読んだ。 あらすじだけ紹介すると、女子高生の経血をなめるのが好きな高校のイケメン養護教諭と女子高生の「恋愛」。うわぁ…、ドン引き…といかにもなりそうな中身だ。 みてよ、アマゾンのカスタマーズレビューに並ぶこの低評価…

公営住宅の自治会はなぜ共益費を集めるのか

東洋経済オンラインで、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』などの著書がありPTA問題にくわしい大塚玲子さんをインタビュアーにして、ぼくがPTAと町内会問題の「共通性」などをテーマとするインタビューに答えた記事がアップされています。 ぜひごらん…

さいきまこ『神様の背中 〜貧困の中の子どもたち〜』

サブタイトルにあるとおり、現代日本では6人に1人がその状態にあると言われる、子どもの貧困を描いたマンガである。 いま、ぼくは「6人に1人」と述べた。 これは「相対的貧困率」といって、1人あたりの所得*1が全人口の中央値の半分未満の世帯員を貧困…

「『漫画家になりたい』という子どもを待ち受けているもの」

季刊「人間と教育」(民主教育研究所編集)で「マンガばっかり読んでちゃいけません!」という連載をしているが、86号(2015夏)で「『漫画家になりたい』という子どもを待ち受けているもの」という記事を書いた。 うちの娘(小2)はマンガばかり毎日描いて…

西餅『ハルロック』

電子工作という分野はそれ自体に興味もなければ、ましてや実際に手出しをすることもない、「自分とは関係のないもの」ズバリそれである。電子工作をする女子大生・ハルが主人公の『ハルロック』の中で展開される、ある装置をつくるために必要な電子工作の膨…

自治体と戦争法案のかかわり

安倍政権が出した安全保障関連の11の法案について、その本質をぼくも「戦争法案」だと思っているので、以後「戦争法案」と呼んでいく。 国会では華々しく論戦が行われているが、地方議会ではどうだろうか。 4月のいっせい地方選挙では「戦争立法反対」と…

こやまゆかり・草壁エリザ『ホリデイラブ〜夫婦間恋愛』

どこかで書いたと思うが、忘れたのでもう一度書く。 不倫をするというのは畢竟スイッチの問題ではないか。 スイッチというのは、「相手を性的に見るスイッチ」である。 スイッチを入れてしまうことによって、初めは微弱なものだったのに、どんどん自分の中で…

『神聖喜劇』3巻

「百姓」はもともと専業的な農民のことではない……というのは網野善彦の本で紹介されている有名な議論である。 百姓は決して農民と同じ意味ではなく、農業以外の生業を主として営む人々――非農業民を非常に数多くふくんでいる(網野『続・日本の歴史をよみなお…

質問の緊張感

志位和夫の党首討論が話題になっているが、元官僚だった松井孝治(慶応大教授、元民主党議員)のフェイスブックの投稿が面白かった。 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1630450053835851&id=100006126152789 興味深かったのは党首討論の内…

松竹伸幸『慰安婦問題をこれで終わらせる。』

この本はひとことでいえば、慰安婦問題についての左翼による韓国批判である。日本の右派がやる韓国批判では何の新鮮味もないだろうが、左翼、しかも「日本帝国主義の植民地支配」と厳しく闘争してきた日本共産党の元政策スタッフ(現在は退職している)がや…

政治の勉強はどうやったらいいの? への答え

はてな匿名ダイアリーにあった、この記事。ぼくは「政治」に関する知識が全く無い。どうやって勉強すればいいんだろうか。 この人がどういう動機でこんなことを言っているのかわからんのだが、いっせい地方選前後にこのエントリがあることから察すると、選挙…

「自治会アンチ意識を誘導」「フリーライダー推奨本」という批判

拙著『“町内会”は義務ですか?』(小学館新書)が増刷(3刷)となった。書店のみなさんやお読みいただいた方々に、深く感謝する次第である。 ところで、ブログのコメント欄に次のような投稿があった。興味深いのでそのまま転載しておく。 入居して1年足らず…

棚園正一『学校へ行けない僕と9人の先生』

このままいったらどうなっちゃうんだろうという不安 いまの傾向を機械的にのばしていくととんでもない結論になる…というような話は「30年後の未来」みたいな未来予測でよく聞く。「地方消滅」みたいなやつね。 同じように、自分の子どものある時期の状況と…

ドイッチャー『スターリン 政治的伝記』

ぼくがぼくにインタビューしてみた。――この本、なんで読んだんですか? これ買ったの、20代のころだったかなあ…。だから十数年、「積ん読」状態だったんだよね。字がみっちりだし、過去のこういうロシア革命史を読んでいると、名前と人物関係を追っている…

『乙嫁語り』7巻

またもし、おまえたちが孤児に対して公正にできないことを恐れるなら、女性でおまえたちに良いものを、二人、三人、四人娶れ。それでもし、おまえたちが公平にできないことを恐れるならば、一人、またはおまえたちの右手が所有するものを*1。それがお前たち…

『犯罪社会学研究』第38号

保育園がいっしょだった親御さんと話していて、また地域で不審者情報が出たというので不安がっていた。その前日、ぼくはある学習会の講師で「犯罪は激減しています」としゃべっていたのであるが、その親御さんの意見をふんふんとうなずいて聞いていた。 そう…

人質事件で思ったこと

つまり私は、「死刑の全廃」を法制上の理想としてきた男子であって、そのような思想を抱懐してきた人間であった。私は、死刑およびその廃止に関する幾つかの法学論文または文学作品を読んだが、ドストエフスキー作『白痴』におけるムイシュキン公爵の死刑廃…