2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

藤原カムイ『ROOTS』

藤原カムイという作家にはずいぶん早くから出会ったのだが、一度も好きになれないで来た。お前になんか好きになってもらわなくて結構、という藤原の声が聞こえてきそうだが。出会った当時としては、絵柄がスタイリッシュだったので目を見張ったものだったが…

「けいおん!」と少年・少女マンガの情報量・テンポ

ちなみに、ぼくの前にアップされていたのは円堂都司昭「『けいおん!』に勝てない日本のロック」でした。 http://bisista.blogto.jp/archives/1299201.htmlまったく偶然なんですが、ここ数日、「けいおん!」の1期目をずっと視ていました。 円堂は、 90年代…

「ビジスタニュース」のブログに前に書いた「マンガから聞こえるナショナリズム」がアップされました

こちらです。『ぼくらの』を通じてナショナリズムを考えるという作業をやっています。『ぼくらの』は大変嫌いなマンガだったのですが(「嫌い」なだけで「ダメ」なマンガとは言ってません)、なぜ嫌いなのかをあれこれ考えてみて、書いたものです。

「オルタ」10年3-4月号に書きました

大企業の内部留保を活用する問題について、「オルタ」誌2010年3-4月号に書きました。共産党の志位和夫の申し入れに対して、鳩山首相が「内部留保への課税も検討したい」と応じたことについて書いています。内部留保を活用する方法についてあれこれ書いている…

清水真木『これが「教養」だ』

「社会」と「私」の分裂 「社会問題」とよばれるものが、自分とは関係のない、縁遠いものとして受け取られ、「家庭」や「仕事」といった自分の生活にかかわるところだけにしかリアルさ、というか瑣末な生活実感しか感じられない、という分裂がある。それどこ…

本棚整理はつらいよ

本棚の整理をすすめている。 前のエントリを書いたのであるが、本の整理をすすめるうちに、さらに新たに湧いてきた雑感をいくつか。 その本を持っていた時間が長ければ長いほど、妙な愛着がわいてしまい、あまり価値のなさそうな本であっても放出しがたくな…

石黒正数『響子と父さん』

親のアホさが目につく20代前半まで ぼくの場合、反抗期めいたものは高校時代になってやってきた。ずいぶん遅いと思われるかもしれない。 左翼活動を始めたので真っ向から父親や祖父などと衝突するようになったからである。 家に置いといた反核運動の署名用紙…

ウィリアム・ビー作 たなかなおと訳 『だから?』

親がアウトドア派ではないせいか、娘にもそれが伝染しつつあるようで、公園ではあまり長い時間集中して遊ぶような気配はない。まあ動物じゃないんだから、魚を水に放したらすいすいと自由に泳ぐ、という具合に、公園に放したらキャッキャッと遊ぶというもの…

ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』vol.14

※以下のエントリにはネタバレがあります 野球、ではなく、野球マンガにとって「点差」は自然な差ではない。当たり前だが。それはドラマツルギーに徹底的に奉仕するもので、たとえばギリギリの点差を使ってデッドヒートを演じさせようとしたり、圧倒的な点差…

メーデーで思ったこと

政治風刺の出し物をした団体がいくつかあったのですが、オバマの評価が「日本に米軍基地を押しつけ続け、核廃絶の欺瞞を口にする反動政治家」みたいな評価と、「核廃絶を打ち出したリスペクトすべき政治家」という両極にブレていて面白かった。 政治風刺劇が…

書棚整理の原則についてのメモ

コメント欄でぼくの書籍整理について質問があったのですが、自分でも今考えていることがあるのでメモ的に。 マンガと活字本がふえすぎて困っています。といってもビブリオマニアからすれば笑うべき水準で、現在の自分の住居における同居人(つれあい)のキャ…

「ザ・スニーカー」10年6月号に志村貴子『放浪息子』のレビューを載せました

「ザ・スニーカー」(角川書店)に「コミック前のめり!」というマンガレビューを連載していますが、今回、志村貴子の『放浪息子』について書きました。 人にマンガをすすめるときは、その人の趣味嗜好に合わせて紹介するわけですが、何の前提もなく、「お前…