ソ連が本格的に核報復力を持つ前に、米国がソ連侵攻(核攻撃の後に、陸軍でモスクワ・サンクトペテルブルク等の主要都市を占領)を行わなかった理由。また、もし、それをやっていたら、何が起きたでしょうか? 私は、日本以外の国で「核兵器は恐ろしい」という感情が起きたのは、米ソ(後に米露)両国が大量の戦略核兵器を保有して以降と思う事もあります。 もし、1950年代半ば以前に、米国がソ連の主要都市(モスクワ・サンクトペテルブルク等や重工業地帯など)に、まず、戦略爆撃機で水爆(場合によっては原爆)を投下し、その後に陸軍で東欧経由でソ連領に侵攻して同国の主要都市を占領し、ソ連を降伏させたとしたら、日本以外の国での「核兵器」の評価は、どうなったか、と思う事があります。 もしこれをやっていたら、「冷戦」という東西の対決や、東欧諸国がソ連の収奪を受けることなどが、1980年代末まで続く事も無かったはずです。 史実の東欧革命のような状況がこの時点で起きたはずです。 それ以上に、その事で、ソ連の後継国家が議会民主主義に徹し、かつ親米で平和主義を取り、後のウクライナ情勢のような事も無くなった可能性があります。 後、「核兵器は恐ろしい」という感情は、日本と、ソ連の後継国家だけの感情に留まり、米国に限らず他国では、厳しい評価としても「国際秩序維持のための必要悪」甘い評価では「ソ連を倒した英雄的な兵器」と評された可能性を感じます。 ただ、米国がそれをしなかった事には、それなりの理由があったと思います。 それを推測しますが、間違いかどうか、教えてください。 ①ソ連が広大な国土を持つため、その後継国家全域に米軍を駐留させて、反米・反議会制民主主義勢力の討伐をする事が、人的パワーの面で不可能に近いため。 ②当時、欧州のNATO加盟国は勿論、米国さえ、直前の第二次大戦で疲弊し、厭戦的な世論が高かった。ソ連への空軍力での核攻撃はともかく、その後の陸軍による占領には、多数の兵力が必要。その確保ができなかった。 ③戦略爆撃機の兵力が、本格的な核攻撃には不十分だった事。まだ、B29などの第二次大戦型の爆撃機が多く残存していた(これらは第二次大戦の英雄だが、搭載力・航続距離の面で劣り、またジェット戦闘機の存在するこの時期では、防空面でも難あり)し、メインはその延長上の大型レシプロ爆撃機で、後の主力爆撃機のB52は、まだ数が少なかった。 ④財政負担。もしこれをやれば、米国財政は巨額の出費で破綻してしまう。 故に、米国等は「冷戦」に甘んじ、1980年代末にソ連等が経済の行き詰まりで自壊するのを待たざるを得なかったのでしょうか?