部下からの執拗な質問攻めに悩んでいます。 技術職で係長をしています。 中途入社してきた部下のものから職場の様々なルールに関して、自分の思いや考え方、ルール制定の根拠を示せという内容の質問状が定期的に届きます。その質問状にはこの部下が設定した期限が記載されています。 最近業務が忙しく、質問状の期限を過ぎたところ、パワーハラスメントで訴えると言われました。 わたしはこれまで善意で答えていたつもりですが、部下は質問をするのは権利であり、その質問に解答することは上司の義務であるとのことでした。 これまで何度も質問に答えてきましたが、同じような再質問がずっと繰り返されてきており、おそらく、本人の思う考え方に合った回答がでてこない限りずっと続くのではないかと思っています。 知りたいことは以下の通りです。 1. 部下の質問に答えることは義務なのでしょうか?(できる限りのことはしています) 2. 一方的に設定された期限を過ぎることはハラスメントなのでしょうか？ 3. もう答えられることはなく、わたしの業務に支障をきたしているのでやめてほしいと伝えることは問題でしょうか?(他の人に回答書を読んで、十分理解できる内容であることは確認しています) わたしの上司は変な人間なので放っておけばよいと言っていますが、何かあったときはわたしが被害を被るのが怖いです。 どうしたらよいものかと思っています。 よろしくお願い致します。

1. 部下の質問に答えることは義務なのでしょうか？ 一概に「義務」とは言えませんが、上司には部下の指導・育成や業務命令・指示に関する説明責任、職場環境を維持・管理する責任があります。 • 業務上の正当な質問に対しては、円滑な業務遂行や部下の育成の観点から、合理的な範囲で適切に対応することが求められます。 • ただし、質問が業務と無関係であったり、すでに十分な説明がされており、執拗に繰り返されている場合には、その対応が上司の業務を著しく妨げると判断されることもあります。 • 「質問をするのは権利、回答するのは義務」という部下の主張は、権利や義務の範囲を超えている可能性が高いです。特に、その質問が業務の本質ではなく、単なる上司の個人的な考え方や感情を問うような内容であれば、回答の義務は限定的になります。 2. 一方的に設定された期限を過ぎることはハラスメントなのでしょうか？ 部下によって一方的に設定された期限を過ぎたという事実のみで、直ちにパワーハラスメント（パワハラ）になる可能性は非常に低いと考えられます。 • パワハラは、優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されることを指します。 • 質問への回答期限を守れなかったことが、業務上必要かつ相当な範囲を超える行為、つまり部下の業務に重大な支障をきたすような行為とは考えにくいです。 • むしろ、部下の方が「訴える」と脅しのように上司にプレッシャーをかける行為は、ハラスメント（精神的な攻撃や過大な要求など）に該当する可能性も否定できません。 3. 「もう答えられることはなく、わたしの業務に支障をきたしているのでやめてほしい」と伝えることは問題でしょうか？ 問題ありません。むしろ、状況を改善するために必要な対応です。 • 業務の妨げになっていること、すでに十分な回答をしていることを明確に伝え、質問の繰り返しをやめるように要請するのは、上司の適正な業務指示・管理の範囲内です。 • 大切なのは、感情的にならず、「回答書の内容は他の人も理解できる十分なものである」「この質問対応に業務時間の〇割が割かれ、本来の業務に遅延が出ている」「今後は、すでに回答済みの内容に関する再質問には回答しない」といったように、事実と業務上の必要性に基づいて冷静に伝えることです。 • 可能であれば、これまでの回答書（他の人に確認済みのもの）を含め、やり取りをすべて記録・証拠として残しておくと、万が一の際に役立ちます。 【今後の具体的な対策】 この状況を改善し、ご自身の身を守るための対策をいくつか提案します。 1. 対応の「線引き」を明確にし、記録に残す • 最後の回答書を作成し、「この質問事項に対する最終回答である」ことを明記してください。 • 他の人に確認してもらったように、「質問事項は網羅されており、内容の理解度は十分である」こと、そして「これ以上の同じ内容の質問や、業務に直接関係のない個人的な考えを問う質問には、今後は回答しない」ことを文書で伝えましょう。 • この文書は、必ず上司（頼りにならないから、人事部長などにも）共有し、状況の事実を認識してもらうようにしましょう（「放っておけばよい」という上司でも、報告は重要です）。 • 質問状が来た日付、回答した日付、質問内容、回答内容をすべて記録に残してください。 2. 対応窓口をルール化する • 部下に、「質問は〇〇（例えば、メールやチャットなど）で受け付けるが、回答は業務の優先度に基づき行うため、一方的な期限は受け付けられない」と伝え、ルールを明文化しましょう。 • 質問が「ルールの根拠」などであれば、人事部や総務部など、ルール制定の部署に直接聞くように促すことも有効です。上司として職場のルールを把握する必要はありますが、制定部署の責任ではない部分まで答える義務はありません。 3. 第三者の協力を得る • あなたの上司が協力的でない場合でも、人事部門や相談窓口に状況を報告し、対応のアドバイスや仲介を求めましょう。特に「ハラスメントで訴える」と言われたことは、職場全体の対応が必要な事態である可能性があります。 • あなたの回答書を確認して「十分理解できる内容である」と判断した同僚に、今後のやり取りの際などに同席を依頼したり、証人になってもらうことも考えられます。 この状況は、あなたの業務を妨害する行為であり、決してあなたが一人で抱え込むべき問題ではありません。記録をしっかりと残し、組織内の適切な窓口に相談しながら、冷静に対処を進めてください。