こんなブログを発見して、ああなるほど外からはそう見えるのか、と思ったわけで。
http://voya.hatenablog.com/entry/2016/09/22/110841
この人の捉え方は
「自分がプロデューサーという立場で担当アイドルと恋人(とははっきり言わないけれども、かなりそれに近いような)関係になる」という奴
だ。そして超解釈すると、そういった職権乱用的な邪な振る舞いを、オタクは無邪気に受け入れているように映るのだろう。
現実にそういった邪な現象が多発していることを知ってると尚更、度し難い設定だというわけだ。
オタクというものは得てして、虚構と現実を上手に混同して楽しむのが上手い。
それと同時に、現実のクソな部分、ドロドロした部分は冷徹に無視するのも上手い。
現実のドロドロした業界を背景とした大衆アイドルに興味もなければ、ゴシップのような下世話なネタも嫌う。
だからそもそも現実のアイドルとプロデューサーがうんぬんという話自体、あずかり知らぬオタクが多いのだろう。
耳に入ったとして、そういう世界と、自分たちの愛する作品世界は別モノだと受け止めるはずだ。
仮にその疑念を拭えなかったら、エロ同人誌のネタにでもするところだろう。
そしてコンテンツの側も、オタクの感性に沿ってキレイな世界を演出する。
オタクの間ではシモの部分を描いたアイドルものは成功しないという共通認識すらあるくらいだ。
アイマスは題材的に、業界要素に触れざるをえないコンテンツではあるが、
アニメなどで触れたとしても、上層部とのビジネス方針の対立だとかポエムバトルだとかで、
あくまで「美しい世界」の範疇だ。性的な堕落・腐敗を描いてリアリティを出そうとすることはない。
こっち方面のオタクが求めるのは、社会派な問題提起を含むアニメではなく、
他にも、「プロデューサーとアイドルの恋愛」を問題としない理由がある。
そもそもアイマス作品の主目的が「プロデューサーの立場でアイドルと親密に」というものではないからだ。
ファンの多くは、「プロデューサーの立場で担当と親密に」という要素を楽しみながらも、
あくまでその要素、展開は「お約束」として流しているように思える。
実際にコンテンツに触れていると、プロデューサーという役柄は、
職権を利用して擬似恋愛的な「俺嫁」欲求を正当化させるためというよりは、
なぜなら、ゲームの中核となるのは、アイドルといかにイチャイチャするかではなく、
アイドルをいかに育てる(プロデュースする)か、という部分にあるからだ。
アイドルが、他のアイドルたちと切磋琢磨し、時に仲良く、時にぶつかり合ううちに、
アイドル同士の関係性も深まり、人間としても成長し、それがライブという結果に表れる。
それを見て「やったな」とプロデューサーが声をかける、そういう世界観を骨子とするコンテンツだからだ。
まあ実際にプレイヤーがすることは雑務的な作業なのだが、ストーリーとしてはそう描かれる。
そうやってアイドルとして成長していく様を見てきたプロデューサーとしては、
そのアイドルを幸せにしたい、輝いてほしい、もっと良さを伝えたい、そう思うのは自然なことだ。
言ってしまえば仮想的な子煩悩だが、その欲求はプロデュース精神に通じるところがある。
そう考えれば同作がファンのことを「プロデューサー」と呼ぶ理由が分かると思う。
そうやってプレイヤーが「父性」に導かれてプレイをするうち、諸々の課金をするファンになる。
そして、その思いがちょくちょく何かしらの形で反映される――
何かの実装だとか、現実のライブパフォーマンスだとかの形で。そういう循環で成り立つ世界だ。
アイマスの世界にいる人間の感覚としては、アイドル同士のエピソードは言うまでもなく、
プロデューサーとの関係性についても一線は越えない清く正しく美しい世界を見ている感覚だ。
精々おまけ程度のボイスなどで、アイドルがプロデューサーを慕って妄想・妄言を呟くくらいで、
基本的にプロデューサー側からアプローチをしたりするものではない。
ギャルゲー的な選択肢による会話でアドバイス等することはあるけれども、
その辺りのバランス感覚は、経験者なら暗黙的に了解するところなのだが、
そうでない人は下世話な方向に強く推定してしまいがちな所かもしれない。
感動を誘う演出や表現として、キャラと演者がシンクロしているような言い方がされることはあるけれども、
ほとんどのファンは声優をキャラそのものとしては見ていないし、声優さん個人の個性も尊重している。
キャラを現実に降臨させるためのパフォーマーとしての立ち位置を望んでいる。
非アイドルもののアニラジでもそうであるように、本来の個性を抑えてキャラに寄り添わせるような空気は一切ない。
むしろ逆に、中の人要素がキャラに反映される、ということがあるくらいだ。
また、最近のヒットしたアイドル作品、デレマスやラブライブに関しては、
キャラの純粋さ・いい子ぶりとは対照的に、中の人たちは非常に芸人力が高い。
これは親しみが持ちやすいのと同時に、中の人はアイドル的な上品さを気にしなくてよくなる効果がある。
乱暴に言えば、キャラと同一視して恋するようなキモい人をふるいにかけられる、とも言える。
くだけた言動や女子らしからぬ振る舞いが許されるというか歓迎される風潮は、良い傾向ではないかと思う。
「声優はオタクの幻想を受け止める」という言い方を否定はしないが、
いまや、アイドルにπタッチするのに嫌悪感を示すプロデューサーさんすらいるらしいものな
アナルの弱いアイマスキャラって誰だろう ペルソナ5のキャラはみんなアナル弱そうと散々言われていたが