の
の
[格助]名詞、形容詞、形容動詞の語幹、副詞、副助詞、接続助詞「て」「ながら」などに付く。
「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲—いづこに月やどるらむ」〈古今・夏〉
「妻(め)—女」〈竹取〉
㋗性質・状態。…のようすの。…の状態である。「瀕死(ひんし)—重傷」「縦じま—シャツ」
㋙名称・人名。…という名の。…という。「富士—山」「三河—国」
「ありさりて後も逢はむと思へこそ露—命も継ぎつつ渡れ」〈万・三九三三〉
2 動作・作用・状態の主格を表す。「交通—発達した地方」「花—咲くころ」「まゆ毛—濃い人」
「月—出(い)でたらむ夜は」〈竹取〉
3 (「ようだ」「からに」「ごとし」「まにまに」などの上に付き)その内容を表す。「綿—ような雲」
「大きなる柑子(かうじ)の木—、枝もたわわになりたるが」〈徒然・一一〉
㋐比喩を表す。…のように。
「春日野の雪間をわけて生(お)ひいでくる草—はつかに見えし君はも」〈古今・恋一〉
㋑(多くは「さまの」の形でサ変動詞に連なり)動作の対象を表す。…を。
「おしなべたるやうに人々のあへしらひきこえむは、かたじけなきさま—し給へれば」〈源・柏木〉
㋒(下に「ともに」「むた」などを伴って)その内容を表す。…と。
「白雪—ともに我が身はふりぬれど心は消えぬものにぞありける」〈古今・雑体〉
[補説] 古語で1・2が人を表す語に付く場合、その人に対する敬意を含んでいることが多い。また、2は1の用法から転じたといわれ、現代語では、「枝の折れた木」「老朽化の激しい校舎」のように、「何のどうする(どんな)何」という形で用いられる。
1 (下降調のイントネーションを伴って)断定の言い方を和らげる意を表す。多く、女性が使用する。「伺いたいことがある—」「あいにく母は留守です—」
2 (上昇調のイントネーションを伴って)質問または疑問の意を表す。「君は行かない—」「そんなに悲しい—」「なぜな—」
3 強く決めつけて命令する意を表す。「余計なことを言わない—」「遊んでばかりいないで勉強する—」
4 念を押すような気持ちで、詠嘆・感動の意を表す。「仲がよいことだ—」
[補説] 終助詞の「の」は、近世後期以降用いられ、現代語ではうちとけた対話に用いられることが多い。ただし、感動の意の4だけは中世後期にはすでに用いられ、現代語では古風な表現に用いられる。
「おれは—、去年まで五十九だっけが、取って六十だよ」〈滑・浮世風呂・二〉
[並助]
1 並列・列挙を表す。…だの…だの。「やかましい—うるさい—と文句ばかり言う」「行く—行かない—とごねる」
「唐(から)—、大和—、めづらしく、えならぬ調度ども並べ置き」〈徒然・一〇〉
2 (「の…ないの」の形で用い、「の」「ないの」のそれぞれ前に同じ形容詞をともなって)程度がはなはだしい意を表す。「寒い—寒くない—ってふるえあがったよ」「痛い—痛くない—って涙が出てきたよ」
[準体助]
1 (体言に付いて)下の名詞を表現せず、「のもの」「のこと」の意を表す。「この本、君—だろう」「自分—には記名しておく」
2 (活用語に付いて)その語を名詞と同じ資格にすることを表す。「読む—が速い」「彼を行かせる—はまずい」「こんな—が欲しい」→のだ →のだろう →のです
の
[格助]格助詞「を」が撥音「ん」の直後に付いて音変化したもの。能・狂言・平曲などに多くみられる。
「こなたのいよいよ大名にならせられて、御普請—なされう御瑞相(ずいさう)に、番匠(ばんじゃう)の音がいたす」〈虎明狂・宝の槌〉
の【▽幅/▽布】
の【×篦】
の【野】
(が)、(の)
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
---|---|---|
(が)、(の) | が、(の) | 「が」は主語を表し、後に続く動詞に付随する。聞き手が既に知っている内容の場合に用い、現象や描写、状態の対象を表す。足が四本も付いてる犬飼うてまんねん、あっ穴から汁が出てきよった、大阪弁が方言だす、ドーンいう音がして揺れた思たらあっちゅう間に火事や。語句と語句とを関連づける。大阪人は背が低うて足も短いのに歩くのんだけはえらい速いらしいそうやな。疑問文の場合は、疑問詞の後に置かれ、「が」の疑問文に肯定で答える場合は「が」を用いるが、否定で答える場合は「は」を用いる。あの先生が大阪弁教えてくれるのんか? せやあの先生が教えてくれんねん。あの先生は教えてくれへんわ博多弁の先生やで。どこが日本の首都に名乗り上げんのん? そら京都がやろ。一体何が言いたいねんな? 二人の結婚許してやったらどないやっちゅうのんが言いたかってん。見たことない人、気ぃきかんやっちゃ、というように、「が」に置き換えられる「の」も省略する。「が」は「の」の古い形で、「おらがまち」「剣が峰」「夕陽が丘」「体が伸びる猫」「飯がうまい店」の「が」は「の」に置き換えられる。東京式の標準語以上に、高い確率で省略されるが、丁寧に言う場合や強調して言う場合は省略しない。師匠が毎朝6時に起きやはる、先生が採点をすんねんわかった?先生がやで? わたいの作った料理食べられへん言うのんか。「は」と「が」については英文法の主語の概念とは異なり、主語の重要性は必ずしも絶対的とはいえはない。駿河で「ん」。 |
のう、の
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
---|---|---|
のう、の | ねえ | 「なあ」よりやや古めかしい言い方で、使用頻度は「なあ」より低い。感動や詠嘆の意を表す。あかんのう、つかんのう、すまなんだのう、すまんの、など。西日本や東日本の日本海側で使われる。 |
ん、の
卯の花色 うのはないろ
桑の実色 くわのみいろ
菜の花色 なのはないろ
鳥の子色 とりのこいろ
野
姓 | 読み方 |
---|---|
野 | の |
の
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 08:18 UTC 版)
平仮名 | |
---|---|
文字 | の |
字源 | 乃の草書体 |
JIS X 0213 | 1-4-46 |
Unicode | U+306E |
片仮名 | |
文字 | ノ |
字源 | 乃 |
JIS X 0213 | 1-5-46 |
Unicode | U+30CE |
言語 | |
言語 | ja, ain |
ローマ字 | |
ヘボン式 | NO |
訓令式 | NO |
JIS X 4063 | no |
アイヌ語 | NO |
発音 | |
IPA | no̞ |
種別 | |
音 | 清音 |
かな | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
仮名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
濁点つき
半濁点つき
|
の、ノは、日本語の音節のひとつであり、仮名のひとつである。1モーラを形成する。
五十音図において第5行第5段(な行お段)に位置する。な行音は清音でありながらその子音は有声子音であり、濁音や半濁音は持たない。
概要
- 現代標準語の音韻: 上歯茎に舌をつけて発音する鼻音である有声子音/n/と、母音おから成る。
- 五十音順: 第25位のかな。
- いろは順: 第26位。「ゐ」の次。「お」の前。
- 平仮名「の」の字形: 「乃」の草体
- 片仮名「ノ」の字形: 「乃」の左の部分 (第1画)
- 変体仮名(能)
- ローマ字: no
- 点字:
- 通話表: 「野原のノ」
- モールス信号: ・・--
- 手旗信号:3
の に関わる諸事項
- のの字:ひらがなの「の」の字形およびその呼び方。
- 「ノ」は漢字の部首である「丿」とほぼ同形である。「ノ」が「丿」を含む「乃」という字を略して造られた為で、「丿」の名称はそのものずばり「の」となっている(他には「はらいぼう」や音読みで「へつ」)。
- 〃記号(ディット)の別名が、「ノノ字点」。
- 千葉県野田市の市章及び市旗は、平仮名の「の」を図案化したものである[1]。
- 漫画家の石ノ森章太郎の「ノ」は正確には小さく表記する[2][3]。ただし、拗音と促音を表現する小書きとは異なり、縦書きの際は中心寄りとする[4]。
中華圏における「の」
2000年以来、中国、香港や台湾などの中国語圏(中華圏)において、主に看板や商品パッケージ 、TVタイトルなどで、中国語の「的」や「之」の意味で平仮名の「の」を使用することが流行している[5]。
中国語では、通常「の」を「的」の発音(普通話で[de] と発音)で読み、大陸で使用されているピン音入力の文字入力ソフトの大半でも[de] という発音の文字として「の」が登録されている[6][7]。この「の」の用法は、日本の仮名文字が中国語の簡体字の一種として用いられている数少ない例で、他には「衞」(衛)の簡体字「卫」の字母となった片仮名「ヱ」の例がある[8]。
- 香港には、「優の良品/AJI ICHIBAN」という菓子のチェーン店がある。
- 康師傅は、「鮮の毎日C」というジュースを発売している。
脚注
- ^ “野田市の市章”. 野田市役所総務部総務課 (2022年11月7日). 2023年4月25日閲覧。
- ^ 「マンガの聖地!東京・豊島区のトキワ荘マンガミュージアムへ」『ORICON NEWS』、2020年12月4日。2023年12月31日閲覧。
- ^ “石ノ森章太郎ルーツを探る”. 石森プロ. 2023年12月31日閲覧。
- ^ “広報用画像について” (PDF). 特別展:手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから. 大阪歴史博物館. 2023年12月31日閲覧。
- ^ “「~の~」中国でなぜ人気? 日本の文字で商品名に高級感、好印象… 発端はあの飲み物だった”. 西日本新聞 (2022年1月13日). 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月17日閲覧。
- ^ @nifty:デイリーポータルZ:中国に日本の「の」が浸透した
- ^ Blog版香港中国熱烈歓迎唯我独尊
- ^ 「卫」の経緯については、ゑ#現代の用法を参照。
関連項目
の
出典:『Wiktionary』 (2021/11/16 22:45 UTC 版)
発音
- IPA: /no/
名詞:野
名詞:幅・布
名詞:篦
名詞:形式名詞
- もの。
- うまいのが食べたい。
- こと。
- 人や動物など。
- ときや場所、状況など。
- 事物について、同じ言葉の繰り返しを避けるために代名詞的に用いる。
- 理由・根拠を強調する。口語ではんも使われる。下に「だ」「です」「で」を接続する。
- すべきであることや指示・命令を表す。口語ではんも使われる。下に「だ」「です」「で」を接続する。
- (主に用言につけて)列挙する。だの。
類義語
- ん
助詞
格助詞
- 所有、属性などで、後にくる言葉を限定する。
- 具体的な名詞の属性や状態を示す修飾節の中で、がに代わって主語や、一部の構文では目的語を示す。[1]
- (九州方言)主語や、一部の構文では目的語を示す。
- 助詞について体言を修飾する機能を担う。
- 上の語と下の語が同格であることを表す。
- 上の語が下の語によってさらに修飾を受ける。
- 名詞述語文が体言を修飾する場合において、連体形語尾と同等の機能を担う。である。という。
派生語
- んぼう
- んち
終助詞1
終助詞2
翻訳
接頭辞 :野
接尾辞:幅・布
接尾辞
参考文献
兮
埜
壄
野
「の」の例文・使い方・用例・文例
- 私の母は言語学者です
- 私は少年が道路を走って横切るのを見た
- 駅近くの本屋で彼女と待ち合わせた
- 彼女は私に1本のフイルムをくれた
- 友達の1人が先週の土曜日に私に会いにきた
- 同じ羽の鳥は群れる;類は友を呼ぶ
- 宿題をするのに1日6時間使う
- 犬というものは忠実な動物だ
- 理論とは相互に関連した概念の集合のことをいう
- 五番街のデビッド・クーパーという人の電話番号を数えてください
- いつか彼女は日本のマザーテレサになるだろう
- その会議で長い沈黙の時があった
- 彼がそんなに急ぐにはそれなりの理由があった
- 非対称の
- 彼はその計画を断念した
- Apr.はAprilの略語です
- 規則の効力を一時停止する
- あの騒音には我慢がならない
- 彼にはその仕事をする力はないと思う
- 1歳の娘は英語を多少は話すことができます
のと同じ種類の言葉
品詞の分類
「の」に関係したコラム
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