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英国医学研究留学記

London Snap

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今日は朝からぐずついた天候。
気温も10℃ほどしか上がらずに、寒い一日でした。
英国は総選挙が終わりましたが、保守党が過半数を取れなかったために、負けたはずの労働党ブラウン党首が未だ首相のままで、今日の所では、まだ保守と民主が「連立」のための交渉ごとを行っている様です。
この国では政権が変わると政策が大きく変化しえるので、政治に対する関心は、選挙権の無い僕たちでさえも、必然と高まります。
生活に直結する可能性があるからです。
日本での「どうせ変わらんやろ」という諦めに近い境地とは全然違う事が、逆に新鮮なのですが、本来はこの様であるべきなのでしょう。
日本の政治における硬直感は、海外から見ると「どうしようもなくダメ」に映ります。

Bachelor of Medical Sciences と呼ばれる基礎医学研究の実習に参加していた医学部の学生さんの論文提出の締め切りが月曜日に迫りました。
5000 wordsという字数制限ですが、この文字数はちょっとした科学論文に匹敵する字数です。
金曜日の夕方にはほぼ仕上がった感じで、あとは週末に何度も読み返して良い論理的で判りやすいこなれた文章にする様に、何度も読み返して修正をする様に指示しました。
これでやっと解放されると思っていましたら.....
金曜の夜になって、論文作成の大学のガイダンスを見たら、「xxxとxxxという項目も記述して説明する必要があると記載されてあるので助けて欲しい」とのこと。
う~ん、今頃言うか、え~かげんにせいよ、という気分になってきました。
「学生君、今回も『おいしいネタ』をありがとう」と思う事にしました(つくづく、大阪人的発想からは逃れられないんやね.....)。

と言う訳で、学生が書いてよこしたdraftの原稿(これがまた箸にも棒にもかからなかったりするんだな....、どない直そうか.....)を前に、より「科学的」かつ「論理的」にするべく、格闘しています(笑)。

って言う訳で、未だ忙しいので今日はこれくらいで。
学生に対する「ぼやき」はこれが仕上がったら「吐き出そう」と思います(笑)。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2010/05/08(土) 18:44:59|
  2. 英国
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:12
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コメント

御無沙汰しています。
サラリーマンに論文はありませんが、部下や同僚の書く(商業文とでもいうのでしょうか)
取引先への値引き交渉や無理な条件をのんでくれるように書く文書があまりにもぶっきらぼうで直すと全面改訂になるのでいつも悩みます。もう語学力というよりも商売のセンスがないんじゃないかと思ってしまいます。そこで最近は日本語でどんな風に交渉するストーリーを立てているのかを聞いてから書く様に指示する様になりました。

光る石畳の道美しいです、でも修理の仕方が荒いですね。
  1. 2010/05/09(日) 02:52:48 |
  2. URL |
  3. adelie #-
  4. [ 編集]

こんにちわ~

石畳って...もっとタイル貼りみたいなのをイメージしてました
かなり凹凸が激しそうです
車や自転車は走りにくいでしょうねぇ
首相のマイク付けたまま発言は日本でもニュースでやってました
あれはいくら撤回して謝罪しても感じ悪いです
  1. 2010/05/09(日) 04:01:11 |
  2. URL |
  3. yo #vYXebdWU
  4. [ 編集]

弱い照り返しがなんともイイ風情ですね。

この石畳の補修、東京の居所の近くと同じです。そこもそれなりの由緒と風情があるので補修の仕方が残念です。いまの日本にはそこまで気を配る余裕はないのですね。進歩という観点では永久に続くものはないので仕方がないのでしょうが、なんだか切ないです。
  1. 2010/05/09(日) 06:32:39 |
  2. URL |
  3. kk #1jhbtX.k
  4. [ 編集]

素晴しい石畳ですね。
こういう道を走るからヨーロッパ車は足回りがしっかりしてるんでしょう。
若い頃は何でも直感で動くことが多いから、改めて論文を書けといわれると、相手がどんなものを期待してるかも知らずに、あらぬ方向に向かってしまうんでしょうね。
「わからんかったらKen先生に訊け」
こんなキーワードが学生達の間でまかり通ってるのかも知れません^^
Kenさんやさしそうだからw
学生達も苦労してKenさんも苦労して、これが後々人生の財産になるんでしょうね。
  1. 2010/05/09(日) 16:19:02 |
  2. URL |
  3. 成記 #7daZ1kYE
  4. [ 編集]

Re: タイトルなし

adelieさん
トラックバック企画の選出、おめでとうございます!
いつも素敵な写真を撮られているので、当然の結果とお見受けします。
僕もいつか選ばれてみたいですね~

英語での交渉の文章ですか。
なかなか日本人らしい価値観で文章にしてしまうと、これがまた「何を交渉したいのか」が伝わらなくなったりするので、それもなれが必要でしょうね。
交渉は僕は手紙ではしませんが、メールで研究上のやり取りをします。いつも文章には頭を悩ませます。
英文にしろ、日本語にしろ、僕に必要なwritingも「技術」なんですよね。文学作品を書いている訳では有りませんから。だとしたら目的意識をしっかりともって訓練に励む必要がありますね。
  1. 2010/05/09(日) 18:02:00 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

Re: こんにちわ~

yoさん
石畳は相当凹凸が激しいですよ。多分どこへ行ってもそうです。
松本清張の小説の中に、自動車会社が欧州の道路を走行するのを前提に車の設計をするのは、石畳を走る事を想定した足回りにしないと行けないと言う下りが出てきますが、実際を見ると、なるほどと思わざるを得ないですね。
  1. 2010/05/09(日) 18:04:21 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

Re: タイトルなし

kkさん
補修は、多分予算の関係だと思います。
応急処置をしておいて、後から予算が確保されたらまた補修し直すのでしょう。
それが証拠に、ここの区画の一部は、昨年大きく改修工事がされました。
ロンドン市の行政機関には、街の景観を損なわない様に監視する機関がありますから、日本と違って街の景観に対する意識は高いと思います。

日本と違って、道路の補修はずいぶんと「のんびり」に見えます。
たぶん、困ってないなら予算がついたときにやれば良いと言う、まことに合理的な発想によるのかもしれません。
  1. 2010/05/09(日) 18:13:06 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

Re: タイトルなし

成記さん
石畳の雰囲気は、欧州のは独特のものがありますね。日本は日本らしいと思います。
欧州車の足回りについては、おっしゃる通り、こういった路面に対応しているからこその足回りだと言うご意見には、賛成です。

学術的な記述をどうして行くか?と言う技術は、そのまま「問診し、診察し、問題点を整理し、治療戦略を立て、その結果がどうで、次に何をすべきか?」という臨床上の技術と全く同じ事なので、医学部の学部学生にとっては良い訓練の一環な気がします。残念ながら、今の日本に医学部には、こういった訓練の場は「ほぼ皆無」と言って良い気がします。
  1. 2010/05/09(日) 18:22:27 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

こんにちは、シンプルな写真ほどその人の心が映るって言いますよね、とてもきれいです。

選挙があったおかげで景気もまたうだうだしていますが、これからに期待したいです。頼むーイギリス!

また遊びに来ます、お仕事無理なさらないでください。
  1. 2010/05/10(月) 13:10:26 |
  2. URL |
  3. モモグラモ #ZuOZdXDE
  4. [ 編集]

こんにちは

Dr. Ken、指導がホント大変ですね。ご苦労様です。私のような忍耐強くない者には絶対に出来ない仕事です。いや、忍耐力以前に科学的センスが無いので、はなからダメですが.....。

選挙結果はチョイト意外な感じがしました。
  1. 2010/05/10(月) 20:35:11 |
  2. URL |
  3. surgeon24hrs #xJW3mR9c
  4. [ 編集]

Re: タイトルなし

モモグラモさん
こんにちは。毎日肌寒いですね。今日は日が照っている所は心地よかったですが。
写真について、お誉めいただき恐縮ですが、僕の心がきれいかと言うと、決してそんな高潔な人物ではないのであります。
まだ保守と自民が交渉中で、一方では新政権が短命であろう事を見越して(ゴードン・ブラウンが看板では戦えないとの背景から)、労働党内から首相を潔く辞任すべしとの意見が出て来るなど、なんだか未だドロドロしていますね。
お気遣い、感謝です!
  1. 2010/05/10(月) 21:49:48 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

Re: こんにちは

surgeon24hrsさん
とんでもないです。先生こそ、開心術と言うとても手術の善し悪しがストレートに結果に現れるお仕事を生業にされてキチンと結果を出されている事に、敬服致します。
科学の現場で使われる技術も臨床の現場の技術も、思考過程に限って言えば、大差は無いと思います。実際に使う方法・技術が違うだけだと思います。
意識していなくても医療の現場で当たり前の事がこなせる医師は、研究もキチンとこなせる能力があると言うのが、僕の持論です。
逆に言うと、臨床がもう一つな人は、研究も絶対にダメだと思います。
問題は、名医が研究行為を好きになれるのかどうか、だと思います。
好きにならないならば、なんぼ能力があっても、結果を出せませんよね。
逆も然りだと思います。
僕はpediatrician/neonatologistとしてのベッドサイドの仕事は大好きでした。
でも、研究も好きです。
いまでも研究者の道を選んだ事は本当に正解だったのだろうかと、時々自問します(後悔は無いですが)。
  1. 2010/05/10(月) 22:03:59 |
  2. URL |
  3. Dr Ken #-
  4. [ 編集]

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Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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