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英国医学研究留学記

春の予感

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年始に更新してから、ずいぶんと時間が経ってしまいました。
まだまだ寒いロンドンですが、次第に日が長くなり、大学の構内にはクロッカスの花が咲いているのを見かけるようにも成り、次第に春の気配が感じられるようになりました。ラッパ水仙が咲き乱れ始めると、本格的な春の到来です。

昨年7月から、英国内務省国境局に永住権の申請をし、パスポートを内務省へ提出していましたが、まだ却って来ません。申請から6ヶ月以内はクレームはしない事と成っていますが、6ヶ月過ぎた時点で正式にクレームが出来るので、まずは所定の窓口に電話をしてみました。担当の人は、コンピューターで現状を確認の上、まだ手続きがすべて終了していないので、僕に出来る事は待つ事だけと云う事、そしていつ完了するのかについては明言できないとの事でした。だいたいそのような反応は想定の範囲でしたので、念のために大学のヘッダーの入った用紙に、次第に大学に於ける科学研究活動を阻害し始めている事(国際学会などで発表し、交流する事は、国際的に活躍する研究者にとってはマストなのです)、そして5月と7月に日本での学会に招待されているので、これ以上の遅れは国際的な科学コミュニティに対しても被害を与えることになる事を明記して、クレームの手紙を書きました。さてさて、どうなる事やら。手続きに、約2500ポンド(約35万円)ほど取るにしては、全く持って事務処理が遅く、さすがブリティッシュ・クオリティです。渡英直後ならイライラして腹を立てていましたが、5年も暮らして調教され尽くされると、こんなもんやと思えるようになるんですね。人間って、慣れる動物だと改めて認識しました。

娘が今年の9月からSecondary Schoolへ進学するのですが、出来れば進学校へ行ってほしいと、日本のお受験とはだいぶ様相が違いますが、昨年の年末までの1年間はお受験一色の1年でした。僕たち家族が住んでいる行政区は成績の良い公立のSecondary School(Grammer Schoolと一般的に呼ばれます)がいくつもあって、比較的恵まれています(越境しないと一つもない地域も多いのです)。こういうGrammer Schoolは、選抜試験を行い、入学させる生徒を選ぶのが普通です。進学した学校によって、こどもの進路が大きな影響を受けるので、この事に関しては僕たちと同じ様に中産階級の英国人達も結構必死です。なぜなら、お金持ちは私学に入れれば良いと云う選択肢が有り、日本に於ける灘校のような超のつく私学はロンドンにはいくつも有るのですが、そういうスーパー私学は入学するための選抜試験の難易度も高いのですが、授業料はものすごく高く、とても中流家庭には払えない額なのです(超優秀だと、各私学は授業料免除の制度も用意していますので、うまくいくと全額免除もあり得るのですが、免除については毎年成績を元に審査をされるので、入学後もトップに居続けないと行けないようです)。中産階級が自分の子供に将来高等教育(大学への進学)を受けさせたいと願うならば、一番確実なのはなんとかしてGrammer Schoolの入試を突破してそこへ進学させる事、というのが一つの王道と云えるようです。入試は各公立のGrammer Schoolが個別に行いますが、最終的に子供たちをどの公立校への入学を許可するのかの決定は各行政区のカウンシルが行い、願書もGrammer Schoolではなくカウンシルへと提出します(この締め切りは例年10月31日。Grammer Schoolよっては、カウンシルへ提出する願書に追加して、学校への別の書式での願書の提出も求められます)。そして、3月1日に英国全土で一斉に次年度の9月から進学する生徒達の家庭へ結果が知らされます(National Offer Dayと呼ばれています)。3月1日である先日の金曜日に居住する行政区のカウンシルから公立校への入学案内の結果が知らされ、我が家へは、ひとまずは北ロンドンの大変に人気のある歴史ある進学校から入学のオファーをもらい、家族一同でほっとしました。本命の学校は2校あり、それぞれが良い学校で遜色無く、どちらかからオファーをもらえればと思っていたうちの一つからだったのも嬉しかったのですが、なにより、娘が努力した事に結果が付いて来た事が一番嬉しい事でした。これから9月まで、Sccondary Schoolへの進学の調整が、各家庭とカウンシル、学校間で執り行われます。というのも、合格したのに私学などへ進学する人達がいて辞退者が出るためで、その空いたスペースを埋める作業が入学直前まで延々と続く訳です。ですから、現時点でのオファーは最終的な確定ではないのですが、オファー後は先方から拒絶されることはもうありません(オファー後の選択権はこちらに有ります)。英国在住が長くなるにつれ、教育のことには頭を悩ませる事が多くなりました。まぁ、日本にいても同じなんでしょうね。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2013/03/03(日) 16:57:34|
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プロフィール

Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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