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英国医学研究留学記

流行

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Canon EOS M EF-M22mm F2 STM Intelligence Auto (ISO400, f2.0, 1/125s) , Cambridge

中学生くらいの子供を持つと、今どんな曲が若者達の間で流行っているのか、子供たちが聞いている曲が耳から入ってくるので解ります。
ただ、海外に居ると、これは自然と当たり前ですがいわゆる「外タレ」の曲であって、日本の歌謡曲にはなりません。
で、いま英国の中学女子の間で爆発的な人気を誇る曲が、コレ。
「太さなんて気にしない」てな曲で、歌詞を聞くとなかなかおもろい事を云っています。
日本でも流行っているのかしら?

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2014/10/30(木) 18:32:24|
  2. 英国
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ニアミス

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Canon EOS M EF-M22mm F2 STM Intelligence Auto (ISO200, f4.0, 1/500s) , King's College, University of Cambridge

とうとう懸念していた事態が起こってしまうかもしれない事例が日本でも発生しました。
<速報>一般市中病院に来院した西アフリカからの帰国者における熱帯熱マラリアの例一

リベリアに滞在していた日本人が、帰国後10日目に発熱を訴え、かかりつけ医を受診した事例です。最初は西アフリカからの帰国者と云う認識がなされずに対応されていたそうで、結局はエボラではなくてマラリアでしたし、エボラに目を奪われてマラリアを見逃されると云う事にもならず、患者さん本人に取ってはとっては良かったのですが、日本の医療機関と関連部署は猛省しないと大変なことになると思います。

問題は、そのまま国立感染症研究所のwebから転載すると、

(1) 来院時は渡航者との認識がされず、対応した事務員や問診をとった看護師、当直医がPPE(個人用防護服)装着をせずに患者に曝露している。
(2) 受診時にはEVD(エボラ出血熱)が鑑別に挙がっていなかったため、検査室への検体(血液)運搬や検査時に、通常の血液検体として扱っていた。検体を介した感染拡大のリスク因子となりえた。
(3) 病歴からは初期から熱帯熱マラリアが濃厚に疑われたが、リスクマネジメントとして確定診断されるまでは接触・飛沫感染対策を想定したPPE装着での診療を行うべきであった。
(4) 搬送先の病院が受け入れる準備をするまでは、自施設にて対応する必要があるため、どこで(陰圧室など)待機するか、だれが患者ケアを行うかなど具体的に決めておく必要がある。

これに加えて、個人的には、かかりつけ医にかかった段階で、抗生剤を投与されているが、かかりつけ医がこの時点でエボラを念頭には全く置いていないこと(患者さんがリベリア滞在に付いて告げたかどうかは不明ですが、検疫所にて発熱時は病院にかかるよう説明を受けていたためとありますので、かかりつけ医に告げている可能性は高そうです)も問題が無いとは言えません。

これを「もし本当のエボラだったら.....」と想定して動く事こそが、今の日本に求められている「国民を守るため」の行動と思います。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

  1. 2014/10/17(金) 16:48:26|
  2. 医学
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感覚の鈍さ

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Canon EOS M EF-M22mm F2 STM Intelligence Auto (ISO100, f5.6, 1/100s) , Cambridge

とうとう米国では2例目の水平感染がダラスで確認され、驚きの展開を見せています。さらに、エボラ熱に感染した患者が来院した際の初動段階で不適切な手順が有った事(適切な指示も遅れ、しかもきちんとした防護服の装着の仕方すらきちんと教育/周知されていなかった事)が病院職員からのリーク情報で発覚し、CDCのある米国でこのような事態に至った事に、衝撃を受けました。個人的には残念でなりません。本当だとしたら、これはもはや人災と云っても良いのではないでしょうか。アフリカでは絶望感も漂うほどの広がりを見せていて、米国や英国を始め現地の感染の封じ込めのために軍が出動し始めました。米国やスペイン感染の拡大が封じ込められる事を祈ります。

一方で、漸くマスコミが日本にはレベル4に相当する施設が稼働していない事の重要性に気づき始めたようです。

エボラ出血熱:国内検査に懸念…危険ウイルス扱えず
毎日新聞 2014年10月16日 07時30分(最終更新 10月16日 09時26分)


これに気づくのがあまりに遅すぎると、個人的にはこの感覚に鈍さには唖然とします。疑われる患者さんから採血された血液(エボラ・ウイルスがある事を前提で考えないと行けませんから)を国内でフルに検査出来ない(取り扱えないから)わけで、これは「迅速には対応はとても出来ない」と云っているに等しい訳です。欧州と米国は「いつか入って来るかもしれない」という前提で動いているのに対して(それであっても、ダラスでの水平感染を防げなかったのに)、日本は一般大衆のみならずマスコミに至るまで「まず入って来ないだろう」と云うのが前提なんだと思わざるを得ないのです。政府/行政サイドが同じように考えているとしたら、その国際的感覚の鈍さはもはや救いようがないと言えます。そうでない事を祈ります。

きちんと知識を持って応じれば先進国での感染爆発はまずあり得ないと理性的にも理論的にもそう思えますが、日本に患者さんが入って来た時の事を想像すると、治療を受け持つ病院は決まっているにしても、誰がそこへ搬送するのか、治療を担当する医師および看護師達は、防護服の装着や患者さんの体液の付着した可能性のある廃棄物の処理手順に既に習熟しているのか。うっかり、感染患者さんの採血された検体が、通常の検査ラインに載ってしまえば、検査部門全体が汚染され、患者さんの体液の付いたものが通常の医療用廃棄物に混じれば、そこも汚染されることになる訳で......考えるほどに恐ろしいです。

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  1. 2014/10/16(木) 16:51:03|
  2. 医学
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警戒

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Canon EOS M EF-M22mm F2 STM Intelligence Auto (ISO100, f8.0, 1/160s) , King's College, University of Cambridge
日曜日ですが、件の理学部生物学科の学生さんの実験のスーパーバイズと(事のついで?の)自分の実験のために研究室に来ていますが、日曜日ですから、家族と夕食を食べれるように、早めに切り上げて帰ろうと思っています(これを書いているのは、夕方の5時前です)。

日本からのニュースは、ノーベル賞の明るいニュースは有ったものの、御嶽山の噴火や猟奇的とも言える殺人事件のニュース、次々と来る大型台風と、何だか自分も落ち込んでしまうような悲しいニュースが多い気がします。

スペインでエボラの水平感染が確認されただけではなくて、米国ダラスでもどうやら生じてしまったらしい報道を見て、CDCという僕たち日本人からみると羨ましくなるような感染対策のエキスパート集団が居る国でもそのようなことが起こってしまうのかと正直驚きを隠せません。英国でも、スペインの事例を受け更に警戒レベルを上げるようです。日本よりも物理的距離が近いですし、シャルルドゴール空港と並んで、おそらくヒースローもアフリカからの主要玄関でしょうから、国の対応としては当然でしょうね。BBCのニュースでは、連日エボラ関連とイスラム国関連のニュースがトップを占めています。

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  1. 2014/10/12(日) 15:48:27|
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寒露

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Canon EOS M EF-M22mm F2 STM Intelligence Auto (ISO200, f4.5, 1/500s) , Cambridge
寒露と云うと10月8日頃を指すようですが、大阪だとまだ余り冬を意識するような季節では無い気がします。ロンドンはすっかり寒くなって来て、朝は夜露に芝が濡れています。
大きな台風が近づいているようで、大事がない事をお祈りします。

土曜日ですが、所属する大学の理学部生物の学生さんの研究の手助けのため、実習として受け入れて3週間前から研究室で実験をしてもらっています。マウスのES細胞を使う実験をしてもらっていますが、手がかかる細胞なので土日も作業が必要です。学部学生なので、スーパーバイザー無しに実験をするのは日本と違って御法度なので、僕も研究室に出てくる必要が有ります。これ幸いと、自分の仕事もしてしまおうと云う訳ですが、息子に「家族サービスする気、ゼロやな」と言われてしまいました。きっと、皆さん、こうしてダメオヤジのレッテルを家族から張られて行くのでしょうか......

風邪はちょっと良くなりましたが、依然だるくて鼻水も凄く、ちょっとつらいです。

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  1. 2014/10/11(土) 15:51:03|
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秋風邪

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Canon EOS M EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM Intelligence Auto (ISO1600, 30mm, f5.6, 1/160) , Dorking, Surrey, UK
ほぼ二週間ぶりの更新です。
油断していたら風邪をひいてしまいました。熱はないのですが、ここ数日鼻水と猛烈な体のだるさに悩まされています。なかなかすっきりと治ってくれないのは、加齢の影響かと......

前回の記事とかなり関係しますが、ハーバード大のDoug Melton教授のグループが、とうとうヒトのES細胞を使って大量にインシュリンを分泌する膵β細胞を作り出す事に成功したとの論文が、出たばかりのCell誌に掲載されていて、今朝のBBCニュースでも取り上げられていました。Melton教授は、僕が大学院生の時にはカエルを使った発生生物学では既に大御所としての名声を欲しいままにしておられましたが、ある時突然にカエルを使った実験系をすべて放棄し(と言う事は、今まで培ったexpertiseを一度すべて捨て去るに等しくて、普通の人にはそんなことは出来ません)、膵臓のインシュリンを分泌する細胞(β細胞)が如何にして出来上がるかの研究に方向転換をされました。その理由が、ご子息が1型糖尿病に罹患したからだそうで、今の彼の研究のモチベーションは、糖尿病をなんとかしたいという一心であろう事は疑い様が有りません。研究の方向性の大転換の後は、あっという間にこの分野のフロント・ランナーで、全くすごいというほか有りません。先日参加したworkshopでも、ヒトのES細胞やiPS細胞から作った膵β細胞の問題点は、インシュリン合成はしているものの、生理的なβ細胞で見られるはずの上昇したブドウ糖に対応してインシュリンを一斉に分泌する反応が無いことで、とても治療に使うにはほど遠いと議論されていましたので、Melton教授のグループは、モノの見事にこの問題を解決したことになります。となると、1型糖尿病は自己免疫疾患ですから、外から補充された膵β細胞もそのままだと結局は排除されてしまうので、その問題をどう克服するかの問題が残ります。インシュリンに依存するようになってしまった2型糖尿病の患者さんにとっては光明と云えるかも知れません。

とうとうエボラの死者が4000人を越え、しかもアフリカ国外で水平感染も確認されました。スペインの病院で、現地で罹患した神父さんを国内に連れて帰って治療を施したマドリードの病院にて、治療に加わっていた看護師さんが患者さんとの事で、改めて医療従事者はハイリスクである事を実感します。ただし、パニックが起きていないのは(病院でデモは起こったようですが)欧州らしいかなと。日本だとマスコミも大騒ぎして、豚インフルエンザの時のような集団ヒステリーのような様相になりそうなのが、日本の怖いところかなと感じます。

ノーベル賞は、物理学賞で日本人の受賞。前々からいつかは取るだろうと思っていた青色LEDでしたので、あまり驚きはなかったのですが、中村修二さんが米国籍なのにはちょっと驚きました。科学行政を担う方々と、企業の方々は、こういった頭脳流出については真剣に考えないと、日本の科学技術の未来はあまり明るく無いと感じます。政府筋から「日本の科学技術の高さを示した」的なコメントも、的外れかなと、なにせ、日本がイケイケだった頃の業績に対する受賞ですから、自分たちが現在行っている科学技術行政が正しいとのお墨付きには全くならないと思います。医学賞は、実はあまり僕にはなじみの無い分野で、研究者のお名前も受賞で初めて知りました。ここ十年ではそういう事はあまり記憶に有りません。化学賞が高解像度の顕微鏡なのはなんでかなと。物理学賞と化学賞、逆じゃないでしょうかと思ってしまいました。平和賞は、多分に政治的な香りがしますが、マララさんが受賞との報道には、納得。

ロンドンもすっかり秋らしくなってしまい、寒暖の差が激しく、体調には要注意です。

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  1. 2014/10/10(金) 19:28:27|
  2. 未分類
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プロフィール

Dr Ken

Author:Dr Ken
元小児科医。ある日より、医師としてのキャリアではなく、研究者としてのキャリア・パスを志す。2007年の8月よりロンドンにある某大学医学部に講師として赴任。なかなか上達しない英語が、少し歯がゆい。万年筆と銀塩フィルムカメラが好き。縁があってやって来たこの国での貴重な体験や日々感じた事を、写真と一緒に記事にしています。

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