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ナイトウォッチ

 ナイトウォッチというのは、私がずっとレビューを書いている「バビロン5」の中で第二シーズン中盤から登場した組織の名前だ。このドラマの中では地球政府が徐々に独裁政権の性格を見せるようになってくるのだが、それにあわせてナイトウォッチも変わっていく。最初はただの自警団として始まり、やがて「反地球的言動」に対する密告が奨励されるようになる。最後には権力と暴力でバビロン5を支配しようとする。大統領を風刺したポスターを売っていた小売店を営業停止にしようとしたりとかね。

 この密告の奨励については、第二シーズンの最終話が象徴的なんだが、かなりいやらしい。友人や知人を密告するなんて、大抵の人は多少の後ろめたさは持つものだ。そこで持ち出されるのが「愛国心」と「公共の利益」と「脅威」なのだ。今、私たちの祖国である地球は、敵対する異星人たちの脅威にさらされている。君たちの行動は地球の平和と安全のために必要なことなのだ……。

 製作者のストランジスキーによれば、ナイトウォッチはナチスドイツをモデルにしているそうだ。もちろん「バビロン5」は娯楽作品であり、フィクションとしてわかりやすく脚色しているのだけど。しかしまあ、現実でも同じような感じになってきてるではないか。

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