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不発じゃありませんよ?



不発だった明菜の紅白、次こそステージで


朝日新聞でよんだ。中森明菜の紅白出場は不発だったという記事。

確かに紅白のステージでかつてのヒット曲を歌い上げてほしいというのは、「伝説のアイドル、中森明菜」のファンであれば当然の思いだろう。
でもね、復帰して一番最初のステージでそれをやったらダメなのよ。そんな事をしたら懐メロ歌手にされてしまう。過去の、それも主に80年代の追憶の中に閉じ込められてしまう。
それはでは復活どころか「今の歌手」中森明菜の終焉になってしまうのだ。

だから、あそこで新曲を歌うのは大正解。
考えてみれば、今40パーセント代の視聴率が取れる歌番組なんて紅白歌合戦だけである。新曲のプロモーションには最高の場所だ。普段TVを見ない人達にも届けられる。

まあでも、思い切ったことするよね。その選択は多くの人達の期待とは真逆。実際、上の記事のようにがっかりしたという声も多い。

しかし、勝算はあったはず。今の自分の歌を届ける事が出来れば、理解してもらえるという自信が。そして、どうやら彼女は賭けに勝ったようだ。紅白での歌唱後の楽曲のセールスと曲に対する評価がそれを裏付けている。
だからあれは不発どころか大成功と言っていいのだ。

新曲La Vidaの中で彼女はこう歌う。
「地図があると信じていた
辿るべき星があると
いいえ 、光は 足跡からこぼれ出すもの」

星さえ見えない暗闇の中で、歩き続ける事で手にした光、それが今の中森明菜の歌なんだよ。それは聴いた人達に確実に伝わっている、そう思うんだ。

Rojo -Tierra-/La Vida/中森明菜

セールスも好調、アマゾンのレビューでも絶賛という明菜さんのシングル。
買ってからずっとヘビロテ中である。

4年以上の休業開けに出てきたとはとても思えない、会心作と言っていいんじゃないだろうか。世間の高評価は復帰開けのご祝儀だけではないだろう。

Rojo -Tierra-については、ちょっとアニソンっぽいという感想は結構多くの人が持ったようで、実際、ニコ動では既にJOJOのMADがあがっていたりする。
この曲とボーカルが生み出す疾走感は。確かにアニメのオープニングに使うとあいそう。サビに向かって盛り上げて行くのは彼女の得意とするところだものね。いっそのこと、正式にどこかで使わせてもらってはどうでしょうか?

あと、覚えやすいんだよね。繰り返し聞いていたらいつのまにか口ずさんでる。それにしても復帰一作目がこんなアップビートの激しい曲になるとは、予想してなかったので、これは嬉しい。

それがCWのLa Vidaになると、一転、ギターとパルマだけというシンプルな伴奏で歌われる曲。静かな感じ始まる曲だけど、聞いていると、いっぺんにいろんな感情が心に入ってくる。「孤独」だったり「決意」だったり「誇り」だったり。ちょっと一言じゃ表せないような……、ああ、だから「人生」ってタイトルなのか。ほんの4分半のなかでそこまで伝えてしまう。凄い、本当に。じっくり聞き込んでたら涙でてきたもんな。

それから、2曲とも、オケがすばらしいです。特にLa VIda。
シングルCDなので、お約束として2曲ともボーカル抜きのインストが入っているけれど、ふだんは飛ばしてしまうそれらのトラックもこのシングルに関しては飛ばさず聞いてる。本当に傑作。大満足なのである。

待ってて良かった。

Rojo -Tierra-
作曲:浅倉大介
作詞:川江美奈子/Miran Miran
編曲:浅倉大介/鳥山雄司

La Vida
作曲:koshin
作詞:izumi
編曲:koshin/沖仁

お待ちしておりました

ずっと待ってるからこの先を聴かせて欲しいと書いたのは、もう3年くらい前になるのか。

去年の年末に知った中森明菜の復活と紅白出場の話は、嬉しい気持ちの反面、心配も大きかった。
無責任なゴシップ記事は無視しようと決めていたけれど、ネガティヴイメージばかり繰り返し伝えられていれば、どうしたって不安になるものだ。しかも復帰一発目が紅白? そして、多分ほとんどの人が期待してるであろう往年の名曲じゃなくて、誰も聞いたことのない新曲?

大丈夫か、それ? と思った。また、叩かれるんじゃないか、と。

いや、舐めてました、ごめんなさい。

紅白での歌唱を聴いて、未だに攻めの姿勢を貫く姿に嬉しくなり。
配信された新曲を落としてきて繰り返し聴き込んで。
NHKの特番を観て。
そして発売されたシングルを買い。

「ブランクを感じさせない復活」どころじゃない、あの時望んだ「その先」にもう着いてるじゃないか。そしておそらくは、さらにその先まで行くつもりでいるんだろう。

これだからこの人のファンはやめられない。