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バビロン5/第15話「聖杯を探して」

 原題「GRAIL」
 伝説の聖杯を探している地球人アルダスがバビロン5にやってきた。聖杯探究のためにミンバリのデレンに協力を求めに来たのだ。宇宙基地に不慣れなアルダスから金を盗もうとしたジンクソンと呼ばれる若者がガリバルディに捕らえられる。ジンクソンは裁判でバビロン5追放を宣言されるが、自分がこの基地を離れると基地に不幸が訪れると信じている彼はなんとか基地にとどまらせてくれと嘆願する。それを聞いたアルダスは、彼を自分の保護観察下に置くことを条件にバビロン5に彼を留めることを提案する。
 ジンクソンはバビロン基地建造に携わったことのある技術者であったが、彼が基地を離れるたびに事故がおき基地が失われてしまったために、基地を離れることを恐れているのだった。ジンクソンはそのためについたあだ名で本名はトーマスといった。
 そのころ、何者かによって脳の中身を消去されるという事件が起きていた、最新の犠牲者はバビロン5下層に住む悪党デュースの裁判の承認になる予定の女性だった。実はデュースはナガリン・フィーダという人の脳を食う怪物を使ってトーマスを脅迫していたのだった。

 ミンバリの聖職者階級である、デレンと副官のレニアーがアルダスに対して非常に敬意を払っているのが印象的だ。あんまり真面目に接していないシンクレア司令官はデレンに叱られてしまう。
 バビロン5にも法廷があって、裁判が行われているというのがわかる。この裁判官は地球人だが、異星人が係わっている犯罪も担当しているらしい。これも大変そうな仕事だな。文化の違いとかも多そうだし。
 トーマスの身の上話として、バビロン5に先立って建造されたバビロン1からバビロン4までの基地の運命が語られる。バビロン1からバビロン3は破壊工作で失われ、バビロン4は謎の消失を遂げた。第13話ではセントーリの予言者ラディアが、バビロン5が将来爆発によって失われる、と予言している。なんだか不吉な話である。
 アルダスは最初はちょっと変わった人という感じだったけれど、実はかなりの人格者で、一緒に行動していたトーマスは次第に彼に心酔してゆく。最後には彼の聖杯探究の後継者となることを決意して、バビロン5を離れることになる。最後にガリバルディがジンクソンとあだ名で呼んだのに対して、「私はトーマスです」と答えるようになった。このエピソードは彼の自立の物語なのだ。

 今回はイワノバ少佐はあんまり出番がない。ラストシーン、トーマスがバビロン5を出発するところを見送るところくらい? そこだけちょっと不満だ(^^;

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