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新しい高校生物の教科書/栃内 新・左巻健男

 思えば高校の時の生物の教師は最低であった。メンデルの遺伝の法則は確かに習った覚えはあるのだけど、授業は雑談ばっかりだった。試験は毎年同じ問題で、選択肢の記号まで同じだから、ただの暗記物(と言うのも恥ずかしいかも)。確かに楽だったけど、何にも残っちゃいない。さすがに受験で生物が必要なクラスではちゃんと教えていたらしいから、それ以外のところじゃ手を抜いていたんだろうな。

 そんなわけで、体系立てた生物の知識は中学までで止まっている。もっとも生物学自体は割と興味があったので一般向けの生物関係の書籍は読んだりはしていたんだ。

 だからこちらのブログで存在を知り、さらにそこからこちらの著者の方(の一人)のコメントを読んでがぜん興味が湧いたのだ。

 で、読んでみたところ、思わず冒頭に書いたようなことを思ってしまったのだった(^^; いや、やっぱり面白いっすよ、生物って。この教科書じゃ分子レベルでの細胞の働きといったミクロな部分から、地球の生態系というマクロなスケールまで幅広く扱われていて、そのどこにも何かしらの驚きがあった。マクロレベルの話の中には既に他の本で知っている部分もあるが、これだけの範囲を一度に俯瞰できる形で提示してもらえるというのはありがたい。また最初の章が「生命の誕生と進化」なので、その後の生命活動のメカニズムの巧妙さに対する驚きも増すのだ。こういう仕組みを進化という形で作ってきたんだから、生き物っていうのはすごいよ。

 こういう面白いこと、ちゃんと学校で学んでおけば良かった。

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