東周列国 戦国編 第十一集(1)
そのころ、砂漠で三人の剣客が出会っていた。そのうちの一人、荊軻は、他の二人を圧倒する雰囲気を漂わせながら、いまだその腕をふるうだけの目的を見いだせずにいた。はたして北方の凶兆とは彼のことなのか?
そのころ、秦以外の六国は衰退しており、秦はいよいよ天下統一へ向けて動き出そうとしていた。まずは手始めに、もっとも秦に近く、国力も弱っている韓と魏の両国を攻め落とそうとする。そのとき、人質として秦に留められていた燕の太子・丹が、父が重病で倒れたため帰国したいと嬴政に申し出てきた。丹と嬴政は、趙で人質だった頃からの幼なじみであったが、嬴政は帰国を許さず、さらに、太子の世話役である樊於期を、太子に帰国の念を抱かせたと言って、厳しく責める。
荊軻は故国の衛に戻り、君主に秦王暗殺を進言していた。だが、衛王は秦に逆らうことなど全く考えられず、恐ろしさのあまり荊軻の前から逃げ出してしまう。
そんなころ、ついに秦の圧力に耐えられなくなった韓は、南陽の地を秦に献上し、自らは秦の臣下となることで生き延びようとしたが、嬴政はそれすらも許さず、韓全土を我がものにしようとする。
そのとき、太子丹が樊於期将軍の手引きで秦から逃亡した、という報が入る。怒った嬴政は連れ戻すように命令するが、逃げられてしまう。嬴政の怒りは収まらず、樊於期の一族を皆殺しにし、さらに燕を滅ぼす決意をする。だが、遠方の燕ではなく、先に韓を滅ぼすべきだという尉繚の言葉に頷く。
燕に戻った丹であったが、韓滅亡の報を聞き、いずれ燕の番がくることを確信する。連合して秦にあたるという策をもとから信じていない丹は、刺客を放って秦王を暗殺することを計画する。そして、方々で剣客をつのっていた。
そんななか、燕に来ていた荊軻は、剣客を求めて各地を回っている田光と出会う。だが、動向を請われても彼は動こうとしない。あくまで自分の判断のみを信じる荊軻は、他人の要請で動くことはしないのであった。そして、ひたすら酒を飲んでぐうたらすごす荊軻に、宿屋の娘である斯妤という娘が興味を引かれ、やがて二人は思い合う仲になっていった。
しかし、ある日、何の前触れもなく荊軻の姿は宿屋から消えていた。
いよいよ最終章と言うことで、主役は秦王嬴政と刺客の荊軻となった。最初のエピソードも刺客と王の物語であり、これは意識して対になるようにつくってあるのだろう。
第一エピソードでは、時代の変化や、民の意識の変わりように、刺客が王に敗北する、という結末だったが、はたして今回はどんな結末が待っているのか。というか、結果だけなら既にわかっているのだけれど、そこまでにどんな展開が待つのか、今の時点ではわからない。
第一エピソードの豫譲は忠義に生きる侍、という感じだったが、荊軻は大物の首を取って名を上げようという野武士みたいな感じ。どっちもお侍さんっぽい雰囲気がある。
豫讓も荊軻も、やっぱり象徴的に配されているエピソードだけあって、
たぶんその生き方もそれぞれの時代の変化を反映したものになってるんですよね。
そして(またもや時代が近いので引き合いに出してしまいますが)
アレで刺客やらその集団なんてのが特徴的に出てくるのも、
やっぱこの辺(刺客列伝とか)からの流れを引き継いでるんだな~などと思ったりするのでした。
2008.09.07 (Sun) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit