東周列国 戦国編 第六集(2)
Posted: 2008.08.21 (Thu) by うちゃ in 歴史ドラマ
今回は、本編中に詩が入る。これがまた、効果抜群。 趙成を処刑しようとした武霊王だが、太子や他の重臣達にも取りなされて結局処刑は取りやめる。そして、太子・何と二人狩に出た武霊王は、趙成を処刑しようとした本当の理由を話す。実は、武霊王はいずれ即位する何の障害になりそうな趙成をあらかじめ取り除いておこうとしたのだった。父の深い愛情と、懐の深さに驚く何は父と自分の間にある大きな差を意識するが、武霊王は何の中に優れた王になる資質を見て取っていた。
胡服兵によって戦闘力の上がった趙軍は見事に胡人たちへの雪辱を果たし、東胡王は捉えられて武霊王と何の前に引き立てられた。武霊王は東胡王に剣を渡し自決を促すが、東胡王は渡された剣を持って武霊王に襲いかかろうとし、周囲の兵たちによって取り押さえられた。武霊王は何に東胡王を斬首するように命じるが、引き倒されている東胡王の姿に哀れを催した何は殺すことが出来ない。逆に油断した所を東胡王に組み付かれてしまった。だが、周囲が手を出せずにいるうちに何は東胡王の首筋を噛みやぶって殺す。武霊王はその息子の姿に満足するのであった。
軍の戦闘力を挙げることに成功した武霊王はついに主敵である秦討伐を実施する時がきたと考えた。そして自身が自由に動くために何に王位を譲り、自らは主父を名乗って対秦攻撃に力を注ぐことにした。そして偵察のため使者になりすまして秦に向かう。秦では物々しく武装した兵士達が警備しており、各国の使者たちはそれを怖れ萎縮していた。そんななか、全く気圧されることなく堂々と会見する主父に興味を覚えた秦昭王は、まだ王が健在なのに太子に位を譲ったのはなぜか、趙は秦のことが恐ろしくないのか、といったことを主父に訊ねる。最初の質問には、王が健在なうちに退いて若い王に経験を積ませるため、後の質問には戦争でお互いの民が苦しむことは恐いが、秦の軍事力は恐くない、とそれぞれ答え、昭王を唸らせる。
そして、目的であった秦の地図を作成し終えると、もはや長居は無用と自らの正体を明かした置き手紙を残し、秦王宮を後にする。手紙を読んで使者の正体を知った昭王は武霊王の器の大きさに感じ入り、彼が生きている間は趙に手出しをしてはならぬ、と厳命する。
準備万端整ったと思い趙に帰還した主父であったが、恵王となった息子・何が兵士を田舎に帰したと知って驚き怒る。だが、何はそんな父に、戦争続きで国力が疲弊していることを訴え、今は農業に力を入れて国力を養うべきだと主張する。息子の慎重論にも一理あることを認めながらも、父には父の思惑があった。強大な秦の力を目の当たりにして、自分が健在なうちに潰しておかないと、息子だけになったら対抗できなくなると考え、焦っていたのだ。
そこで、息子の闘争心に火をつけるため、あえてあまりぱっとしない長男の公子章に国の半分を与える、と言い出して様子を見る。だが、発奮して対抗するかと思った何は、兄に王位を譲るなどと言い出す。失望した父は息子を殴りつけ、王になるには父を超えて見せろと迫る。
その父親のあまりの剣幕に、そばで見ていた母の呉娃は二人の間に割って入ろうとする。邪魔をする彼女を振り払おうとした武霊王は、誤って彼女の頭を鐘に打ち付けてしまう。慌てて助け起こした息子の腕の中で、「父を恨んではいけない」と言い残して呉娃は息を引き取ってしまう。呆然と立ち尽くす父、そして母の亡骸を抱え、何かを決意したかのような息子。いったいこの父子はどうなってしまうのだろうか?
戦国編になってからあまり魅力的な君主がいない、なんて前エピソードまでは書いていたが、この武霊王はかなりカッコいい。多少強引な所もあるとはいえ、息子にそそぐ愛情の深さや、先を見通す見識の深さといい、相手国の兵士に囲まれながら堂々と舌戦を繰り広げる度胸とか、さすがと言うべきか。
そんな偉大すぎる父親に比べてしまえば、息子・何の線の細さが目についてしまうわけだが、しかし三人いた息子のうち、公然と父親に刃向かったのはこの男一人だったことを忘れてはいけない。
だけど、追い詰められると意外な反発力を見せることを知っているから、あそこで乱闘にもちこんだのだろうが、これが思っても見なかった悲劇を生むことになってしまった。あまりのことに声も出ずに立ち尽くす武霊王に、こちらも絶句してしまう。
胡服兵によって戦闘力の上がった趙軍は見事に胡人たちへの雪辱を果たし、東胡王は捉えられて武霊王と何の前に引き立てられた。武霊王は東胡王に剣を渡し自決を促すが、東胡王は渡された剣を持って武霊王に襲いかかろうとし、周囲の兵たちによって取り押さえられた。武霊王は何に東胡王を斬首するように命じるが、引き倒されている東胡王の姿に哀れを催した何は殺すことが出来ない。逆に油断した所を東胡王に組み付かれてしまった。だが、周囲が手を出せずにいるうちに何は東胡王の首筋を噛みやぶって殺す。武霊王はその息子の姿に満足するのであった。
軍の戦闘力を挙げることに成功した武霊王はついに主敵である秦討伐を実施する時がきたと考えた。そして自身が自由に動くために何に王位を譲り、自らは主父を名乗って対秦攻撃に力を注ぐことにした。そして偵察のため使者になりすまして秦に向かう。秦では物々しく武装した兵士達が警備しており、各国の使者たちはそれを怖れ萎縮していた。そんななか、全く気圧されることなく堂々と会見する主父に興味を覚えた秦昭王は、まだ王が健在なのに太子に位を譲ったのはなぜか、趙は秦のことが恐ろしくないのか、といったことを主父に訊ねる。最初の質問には、王が健在なうちに退いて若い王に経験を積ませるため、後の質問には戦争でお互いの民が苦しむことは恐いが、秦の軍事力は恐くない、とそれぞれ答え、昭王を唸らせる。
そして、目的であった秦の地図を作成し終えると、もはや長居は無用と自らの正体を明かした置き手紙を残し、秦王宮を後にする。手紙を読んで使者の正体を知った昭王は武霊王の器の大きさに感じ入り、彼が生きている間は趙に手出しをしてはならぬ、と厳命する。
準備万端整ったと思い趙に帰還した主父であったが、恵王となった息子・何が兵士を田舎に帰したと知って驚き怒る。だが、何はそんな父に、戦争続きで国力が疲弊していることを訴え、今は農業に力を入れて国力を養うべきだと主張する。息子の慎重論にも一理あることを認めながらも、父には父の思惑があった。強大な秦の力を目の当たりにして、自分が健在なうちに潰しておかないと、息子だけになったら対抗できなくなると考え、焦っていたのだ。
そこで、息子の闘争心に火をつけるため、あえてあまりぱっとしない長男の公子章に国の半分を与える、と言い出して様子を見る。だが、発奮して対抗するかと思った何は、兄に王位を譲るなどと言い出す。失望した父は息子を殴りつけ、王になるには父を超えて見せろと迫る。
その父親のあまりの剣幕に、そばで見ていた母の呉娃は二人の間に割って入ろうとする。邪魔をする彼女を振り払おうとした武霊王は、誤って彼女の頭を鐘に打ち付けてしまう。慌てて助け起こした息子の腕の中で、「父を恨んではいけない」と言い残して呉娃は息を引き取ってしまう。呆然と立ち尽くす父、そして母の亡骸を抱え、何かを決意したかのような息子。いったいこの父子はどうなってしまうのだろうか?
戦国編になってからあまり魅力的な君主がいない、なんて前エピソードまでは書いていたが、この武霊王はかなりカッコいい。多少強引な所もあるとはいえ、息子にそそぐ愛情の深さや、先を見通す見識の深さといい、相手国の兵士に囲まれながら堂々と舌戦を繰り広げる度胸とか、さすがと言うべきか。
そんな偉大すぎる父親に比べてしまえば、息子・何の線の細さが目についてしまうわけだが、しかし三人いた息子のうち、公然と父親に刃向かったのはこの男一人だったことを忘れてはいけない。
だけど、追い詰められると意外な反発力を見せることを知っているから、あそこで乱闘にもちこんだのだろうが、これが思っても見なかった悲劇を生むことになってしまった。あまりのことに声も出ずに立ち尽くす武霊王に、こちらも絶句してしまう。
>本編中に詩が入る
ここは台詞ではなく、詩(音楽)というのが良いですよね。
台詞だけだとなかなか薄っぺらい感じにもなりかねないし、
台詞なしというだけだと逆に演出効果が薄いし。
うまいことこちらの気持ちを盛り上げてくれたと思います。
>思っても見なかった悲劇
なんとなく不安のようなものは最初の頃からずっとあったんですが、
もともとの武霊王(主父)のスペックの高さに加えて
さらに阿何も一皮剥けて以来順風満帆だったので、
そこへ来てまさかの落とし穴というか、交通事故というか…(^^;
という感じでしたね。
あと毎度のことながらtypoに突っ込むのは心苦しいのですが、
>作成塩悪
主父はいったい秦に何をしにいったのかと一瞬考えてしまいました。
(あと「当呼応の首筋を噛みや武って」「長に帰還した」あたりも気になったのですが、最後の出来事によるショックの大きさの現れと考えてあえて突っ込まずにおきます。)(←結局突っ込んでるじゃねえか)
2008.08.22 (Fri) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit