地球に優しい自衛隊ってあんた……
Posted: 2007.07.05 (Thu) by うちゃ in 意見など
久間さんの後任である小池百合子氏は、環境相時代に防衛庁でこんな講演をしていたそうだ。地球に優しい自衛隊?? そのうち、「自衛隊の制服はリサイクルされたペットボトルで作られています」なんてことを宣伝し始めたりするんじゃなかろうか。「ハイブリッド戦闘機とか燃料電池戦車とか」なんて話を聞いて、旧帝国陸海軍末期のビンボくさい兵器を思いだしてもの哀しい気分になってしまったのは私だけだろうか? 海上輸送路を遮断されて物資が手に入らなくなってから彼らの作った兵器は、化石燃料や鉄鉱石、アルミなどをなるべく使わないという意味でなら地球に優しかったかもしれない。環境の観点からの発想を安全保障に取り込む、というのは大賛成なんだが、この人の発想はどこかずれている。最も”地球に優しい”選択というのは、お互いに全く軍隊を持たないということなのだから、いかにして軍縮に持ち込むかということを考えるのが、地球に優しい自衛隊への第一歩のはずだ。
一番”地球に優しく”ない行為が戦争なので、戦争を起こさないようにする努力は
必要であり、仮にそのために軍備がいるというなら、それはそれで意義はあるかもしれない。ただ、軍隊に頼りすぎれば、軍拡の方向に向かってしまうことは避けられない。それに環境問題というのは必然的に国際的な問題とならざるを得ないので、隣接している国同士が険悪な状態にあれば、効果的な対策だって打てやしない。
しかし、小池氏の発想は「化石燃料の消費量をおさえること」くらいのことしか考えていないように思われる。それで得られる「安全保障の面で得られる大きな効果」といったら、冒頭で上げたような旧軍のようなことになってしまうのではないだろうか。まあ、実際石油が貴重品になってしまってから、今で言うところのバイオマス燃料に手を出していたわけだが、だからといってそれで環境負荷が減ったわけでは無い。砂糖が戦略物資となっていたなんて話を聞くと、そんなことまでしないとならないんなら、とっとと戦争をやめろ、と言いたくなるんだよね。