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今度が本番?

 さて、正式の与党案が出たわけだが、さすがにあれではあんまりだと思ったのか、だいぶまともに読めるものにはなっている。少なくとも文面上は国に対して権限を与えるようにはなっていないし、露骨な中央集権色は薄められている。
 例によって成城トランスカレッジさんのところで比較表が出ているので、それを元にまた考えてみたい。以下、目に付いたところ。

(1)”露骨な”中央集権色は薄くなっているけれど、まだ教育を国で管理したいという意志は透けて見える。第三条(生涯学習)、第十条(家庭教育)、第十一条(幼児期の教育)、第十二条(社会教育)とほとんどすべての場面で首を突っ込んでこようとしている。また第八条(私立学校)では私学にも影響力を行使しようとしている。(一応「自主性を尊重しつつ」とはあるが)
 また十六条、及び十七条は、国と地方公共団体との間に明確な上下関係があることを示している。具体的な教育行政に触れるところでは中央集権色を消しきれなかったらしい。問題点についてはこちらも参照。現在すでに行われていることを追認するような法案なのかも。例えば家庭教育への干渉は家庭科の教科書検定という形で先行している。

(2)「公共の精神」という言葉が入れられている。個人の尊厳が重んじられている現行法に対して不満を持っていた人たちが作成しているのだから、当然入ってくるとは思っていた。しかし、
不協和音~合唱隊の比ゆについて
なんてのを見ると「公共の精神」が「空気読め」になってしまうような気がしてすごく嫌。周りに合わせることが公共精神じゃないと思うんですけど。
 あと、これに関連して第六条(学校教育)の第二項にある「教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならないこと。 」も気になるところ。教育を受けるものに対して義務を課している条文というのは現行法には無い。

(3)「国や郷土を愛する態度」については、別記事にする。本丸は教育の中央集権化だと踏んでいるので、ここは餌だと思っているけど、やっぱり突っ込みどころではある。