1: 依頼29-320,321@pureφ ★ 2012/06/18(月) 03:14:36.38 ID:???
卓上X線レーザー
超高分解能イメージングへの道を開く
科学者の国際チームは
卓上の装置からレーザー様のX線ビームを発生させることに初めて成功した。 今日のX線レーザーのほとんどは多量のエネルギーやスポーツスタジアムサイズの施設を必要としている。
これらは、コスト・パフォーマンスに優れ適度な大きさのX線レーザーを構築する努力を促している。
Science誌での報告によれば、
これが実現すれば細胞内や化学反応の様子を覗くことができる
超高分解能イメージングのための道を拓く事ができるという。 共著者のコロラド大学ボールダー校の物理学教授Margaret Murnaneは
「X線の波長は可視光よりも
1000倍短く、物質を透過するので、コヒーレントなX線ビームには革命的な新しい能力が約束されて
いる」と言う。
レーザー・ビームでは、光子は完全に一致した発振をしている。波頭が揃ったこの種の放射は「コヒー
レント光」と呼ばれる。
X線ビームのエネルギーは、短い赤外レーザー光パルスによって供給される。これが希ガスに照射され、
原子から電子が剥ぎ取られる。この電子は赤外線によって加速され、元の原子に戻る。この時運動
エネルギーがX線放射のエネルギーに変換される。
本研究では、紫外線からX線までの間のすべての波長の広いエネルギー・スペクトルのコヒーレント光を
同時に発振している。

レーザーが高圧ガスに照射されると、レーザーの一部はX線に変換される。
コロラド大学ボルダー校のProd Henry Kapteynは「これはこれまで生成されたコヒーレント光源で最も広い
スペクトル帯域幅を持つものだ」と語る。このような放射はシンクロトロンと呼ばれる高価な粒子加速器を
使う必要があった。
「シンクロトロンはまだ私たちのビームよりも1秒あたりより多くの光子を供給できるが、多くの応用事例では
私たちの光源は非常に有用なものになるだろう」とオーストリア、ウィーン工科大学の共著者Audrius
Pugzlysは述べた。
X-ray lasers from tabletop device
BBC 7 June 2012 Last updated at 20:42 ET
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-18359291 を超訳
Bright Coherent Ultrahigh Harmonics in the keV X-ray Regime from Mid-Infrared Femtosecond Lasers
Tenio Popmintchev, Ming-Chang Chen, Dimitar Popmintchev, Paul Arpin, Susannah Brown, Skirmantas
Ališauskas, Giedrius Andriukaitis, Tadas Bal?iunas, Oliver D. Mücke, Audrius Pugzlys, Andrius Baltuška,
Bonggu Shim, Samuel E. Schrauth, Alexander Gaeta, Carlos Hernández-García, Luis Plaja, Andreas Becker,
Agnieszka Jaron-Becker, Margaret M. Murnane, Henry C. Kapteyn
Science 8 June 2012: Vol. 336 no. 6086 pp. 1287-1291 DOI: 10.1126/science.1218497
http://www.sciencemag.org/content/336/6086/1287.abstract
元スレ:http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1339956876/
2: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 03:19:10.69 ID:LRQxhuNA
X線レーザーって実際 何に使うんよ?
10: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 04:12:54.69 ID:9bR30Nks
>>2
XrayDisc recorder
容量BDの100倍越えるんじゃないかな
3: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 03:21:00.85 ID:Y+/ejlBY
レントゲンのすごいやつって理解でいいのかな
4: pureφ ★ 2012/06/18(月) 03:27:47.55 ID:???
1895年にレントゲンによって発見されたX線は、病院での診断でおなじみですが、可視光に比べとても
波長が短い光で、原子や分子のレベルで物質の微細構造を観察するのに利用されてきました。
SPring-8(Super Photon Ring - 8 GeV)は世界で最も強いX線光源ですが、それでも原子や
分子の瞬間的な動きを観察するためには強度が足りません。
非常に強い光を出す光源としてレーザーがあります。X線レーザーができれば、原子や分子の瞬間的な
動きを観察することができます。レーザーは位相の揃ったコヒーレントな光(光波の山と山、谷と谷が揃う
こと)を発生し、様々な光技術に応用されていますが、従来のレーザー技術の延長で波長の短いX線
レーザーを作ることは不可能でした。
http://xfel.riken.jp/sacla/index00.html タンパク質の構造解析
XFELはきわめて明るく質の良い光であるため、複雑なタンパク質の構造を従来よりも簡易に調べることができます。
膜タンパク質は細胞の表面で細胞内外の物質のやり取りをする役割を果たします。今使われている薬の
半数以上がこの膜タンパク質に働いて効果を発します。
生体ナノマシン
生体内には、 ナノスケールの微小マシンが生命活動の重要な機能を担っています。 XFELにより、 これらの
働きを解明し、 生体や環境に優しい医薬品やナノ材料を創出します。
細菌はべん毛を回転させ、水中を泳ぎます。べん毛は約30種類以上の異なる蛋白質からなる生体超分子
モーターで、その機能の解明はナノマシンの設計等に役立つと考えられます。
超高速現象の観察
100フェムト秒※以下というXFELの瞬時の光を用いると、物質の化学反応や吸着反応の根幹を担う電子や
原子の超高速の挙動を観測することができます。 ※フェムト秒とは時間の単位で、1000兆分の1秒のこと。
左図は酸素ガスを吸着した人工物質の構造。赤で示したものが酸素分子(O2)で、物質の細かい孔に
規則正しく収まっています。
細胞生物学
現在、細胞のしくみはまだ解明されていない部分が残されています。XFELを用いると、細胞を原子レベルまで、
生きたままリアルタイムで観察でき、細胞の真の姿を見ることができます。
極限状態の生成
XFELの極めて明るい光を利用することにより、宇宙空間における激しい反応を再現したり、真空から物質・
反物質がわき出す「真空崩壊」と呼ばれる現象へのアプローチが可能となります。
質量の大きな星は超新星爆発を起こし、極めて高い温度・圧力の状態から様々な物質が創成されます。
http://xfel.riken.jp/sacla/index01.html6: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 03:47:38.51 ID:LRQxhuNA
>>4
回析率が低くすぎるからレーザーじゃ使い物になんねって思ってたが
逆にミクロの世界の観察に使う訳なんだね なるほど
8: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 04:07:09.35 ID:lRpFNt8E
マクロファージとかをリアルタイムに観察できるのか・・・
9: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 04:11:28.61 ID:ikz0s4vh
>>8
とっくに
12: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 04:16:17.83 ID:n0DOZBy0
スペクトルのコヒーレント光ってイメージが湧かない
35: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 23:35:34.30 ID:YN8egqpC
>>12
1枚目の写真がそのイメージに近いかも(違うけど)
36: 名無しのひみつ 2012/06/19(火) 00:45:56.31 ID:S6qYNvn3
>>35
いやその部分じゃないのはわかるんだけど、普通のレーザーってキャビティ調整して単色光の光増幅した結果のレーザーじゃん?
そもそも連続スペクトルのそれぞれのスペクトルをコヒーレントにするってのが想像できないし、通常のレーザー発振とは
根本的に違う原理で発信してるん?
40: 名無しのひみつ 2012/06/19(火) 03:25:14.05 ID:coUGwA45
>>36
X線回折 - Wikipedia
X線回折(エックスせんかいせつ、X‐ray diffraction、XRD)は、X線が結晶格子で回折を示す現象である。
1912年にドイツのマックス・フォン・ラウエがこの現象を発見し、X線の正体が波長の短い電磁波であることを明らかにした。
逆にこの現象を利用して物質の結晶構造を調べることが可能である。このようにX線の回折の結果を解析して結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法をX線結晶構造解析あるいはX線回折法という。しばしばこれをX線回折と略して呼ぶ。
14: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 05:49:38.81 ID:MEZQRzFk
>X線ビームのエネルギーは、短い赤外レーザー光パルスによって供給される。これが希ガスに照射され、
>原子から電子が剥ぎ取られる。この電子は赤外線によって加速され、元の原子に戻る。この時運動
>エネルギーがX線放射のエネルギーに変換される。
普通のX線管(クーリッジ管)も似たようなものだと思うがな。タングステンなど
に加速した電子をあてると、内殻の電子がはじき出されて、その上の軌道の
電子が落ち込むときにX線が放出されると思った。その放射されるスペクトルは
鋭いピーク(線スペクトル)ともわっと広がったのと両方混ざってたような
気がするが。
31: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 18:36:36.46 ID:2aFny3DV
>>14
X線管は違うだろ。荷電粒子の角加速度が変化した時に出る制動放射にすぎない。当然スペクトルは連続スペクトルになる。
34: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 22:30:54.95 ID:tRVxTrfB
>>14
>X線ビームのエネルギーは、短い赤外レーザー光パルスによって供給される。これが希ガスに照射され、
>原子から電子が剥ぎ取られる。この電子は赤外線によって加速され、元の原子に戻る。この時運動
>エネルギーがX線放射のエネルギーに変換される。
この発生原理で何で、コヒーレント光になるのか理解できん。
35: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 23:35:34.30 ID:YN8egqpC
>>34
コヒーレント光を作るのはその部分じゃないからね
17: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 09:17:26.44 ID:gifyxD7h
画像めっちゃ綺麗やな
スマホの壁紙みたい
19: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 10:24:30.50 ID:6bPHz/AT
これでX線結晶構造解析の初期位相問題が根本的に解決するのかな
測定時に位相まで記録できるかわからんけど
45: 名無しのひみつ 2012/06/21(木) 15:19:05.17 ID:t3EFavdX
>>19
全然話が違うんだが。。。
なんでX線装置の話が位相の話になるのさ
28: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 16:19:07.14 ID:sy+667BO
spring8利用する必要なくなる?
SPring-8 - Wikipedia
SPring-8(スプリングエイト、Super Photon ring-8 GeV)は、兵庫県の播磨科学公園都市内に位置する大型放射光施設。電子を加速・貯蔵するための加速器群と発生した放射光を利用するための実験施設および各種付属施設から成る。名前の8は電子の最大加速エネルギーである8GeVに因んでつけられた。
29: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 16:45:21.71 ID:Ijn75njm
>>28
強度に差があり過ぎだと思う
30: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 18:28:07.57 ID:2aFny3DV
X線レーザーは一時、研究としては流行った。
リバモア研がレーザー核融合研究の副産物として、真空紫外領域でのX線レーザー発振成功が確か1980年代の半ば。
それを受けて理研とか阪大レーザー研とかがやり始めたと思う。
当時から細胞の構造解析とかに利用できるというのは言われていた。
あれから30年弱だから、あと30年経てばSpring8並になるかもしれんな
38: 名無しのひみつ 2012/06/19(火) 02:46:29.75 ID:NSL6C/mR
ゴキブリ殺虫剤の代わりになるなら欲しいな
41: 名無しのひみつ 2012/06/19(火) 06:26:37.26 ID:yNGs8Wi0
赤外線のパルス波を、Heガス中にたたき込んでやると、
パルス波であることから高調波を含んでいて、
それが媒質のHeとの誘電相互作用の非線形性により
高調波と同調する周波数のX線の誘導放出を誘い出すという
ような理屈? 100倍高調波などが増幅されるとかすごいな。
44: 名無しのひみつ 2012/06/21(木) 02:29:19.89 ID:X8al4sNx
47: 名無しのひみつ 2012/06/21(木) 22:33:52.88 ID:WXIgS3WN
学生時代の卒研と同じテーマだな・・・懐かしい。
ついに実用化するといいな
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