太陽堂光機 ビューティモデル1
最近は落ち着いたのだが一時期はネットオークションの虜になっていたのだ。いや、操られていたと言ってもイイな。勿論、高価な物件は新宿か中野(銀座は無理っすよ)で買うのだが、安物物件についビットを入れてしまうのである。それはそれで、ある程度コントロールできていれば構わないのだろうが、毎日何かしらの配送業者が家にやって来るようになると病気だろう。いや、拙僧が病気なのは皆様、既にご存じだろうな。困ったのは明らかに問題のある物件を見てくれやネーミングだけでビットを入れてしまうのだ。本カメラもビューティブランドの中判目測機で、当時としてはスマートなファインダー枠に魅かれてビットを入れてしまった。無論、セカンドビッターは現れなかった。
案の常、蛇腹は駄目でシャッターも粘りがあった。拙僧は不器用だから蛇腹を自作できるはずもない。折り畳みが不可能になるのを承知で蛇腹をマスキングテープで補強し、墨汁を木工ボンドで溶いてコーティング。シャッターユニットはレンズを分解してユニットごとベンジンに漬けた。本来は分解して注油するべきなのだが、そんな器用な真似は出来ないしな。
それでちゃんと写っていればスパシーバなのだが、世の中そんなに甘くない。ちゃんとフォーカスが甘くどこにピントが合っているのか分からないネガができた。カットによってはピントが合っている部分があるので調整すればそれなりに使い物になるかもしれないが、こうフィルム代が高くなると簡単にピント調整の為だけに120判フィルムを消費できないよな。なので不完全な仕上がりなのだが、コンテンツとしてまとめることにした。
拙僧のヤッツケ仕事だが、コンテンツをご覧いただきたい。
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コメント
まいどでっす Rikkie師匠。
何時もながらの、簡素にして要点を押さえた(そして面白い^^)
コンテンツ・レポ、勉強&楽しませて頂きました。
>ファインダー・・・
覗く所の枠を回すと、中にセミ判用のスリットが出て画角を狭めます。
師匠の個体、ボディの程度が良い分蛇腹の劣化は惜しいですね。
ウチのは、中に補修跡(一ヶ所、折り目に紙テープを貼ってある)は
ありますが、光漏れは無いようです。
でもまぁ、用も無いのにパカパカ出し入れしては遊んでいるので、
其のうちに・・・^^;)。
投稿: 鍛冶屋 | 2015年11月18日 (水) 08時07分
どもども、鍛冶屋殿。
面白いと言って頂くのが一番嬉しいです。写真はヘタな横好きと諦めているんですが、文章は無い頭を捻っているんですよね。
ご指摘ありがとうございます。やっぱりブツを弄りながらでないと間違いが出ますね。本カメラは優先順位がかなり低いので、どこの地層に潜り込んだのか、よく分からないんで探していないんですよね。
蛇腹も当然ながら保管条件によって生存率は違うのでしょう。マミヤシックスあたりが生き残っているのは大切に保管した個体が多いのかもしれないですね。
それにしても中判フィルムが高くなったので、この種のカメラもビットを入れるのが怖くなりました。
投稿: Rikkie | 2015年11月18日 (水) 10時20分
こんばんは。
今回はここ最近では一番気合の入った記事でしたね。
「意してプラカメ....」の醍醐味と言いますか、とてつもなくマニアックなネタかつ、そこまで掘り下げるかという観察眼、歴史的背景まで幅広く踏まえた洞察力など、このジャンクカメラ界きっての広い見識からくる、深い(ディープ)な内容で ”読み応えを感じる” 素晴らしい記事でした。
流石にここまで読み応えあるネタは、Rikkieさんしか書けませんし、ある意味そんな所がRikkieさんらしく、そして私もですがこのジャンルを趣味とする人達が渇望しているネタを提供出来る数少ないお人ですよ。
少なくとも私はムック本の類よりも、読む価値アリと思っています。
しかし、やっつけ仕事と言いながらレンズ外したりベンジンで洗ったり、蛇腹直したり不器用と言いながらも結構攻めますよね?
あと試写ですが、目測機なので厳密なピント合わせとはいかないものの、最初の一枚を除いて他の写真は何処かは必ずピントが合っている様には見えます。
服とか、屋台とか、以外にこのカメラはこの位の性能かも知れませんよ。
では次回のネタを楽しみにしています。
投稿: nico nico | 2015年11月18日 (水) 22時17分
Rikkieさん、こんばんは。
ビューティー、ピントが合えば、なかなか味のありそうなレンズに見えました。やわらかみのある描写をしそうです。
昔、アローカメラのブログかなにかに、太陽堂の社長が土居さんだから、ドイマー、と書いてあった記憶が……。
二眼のビューティーフレックスもなかなか写りそうですが、この時代の国産は奥が深いですね。
投稿: だいきちボンバー | 2015年11月18日 (水) 22時26分
どもども、nico nico殿。
お褒めの言葉、ありがとうございます。
本音をちょっと言うと、写真が上手いと言われるよりコンテンツに魅力があると言われた方が嬉しいんですよね。写真が好きだと言われるのも嬉しいですが。
ビューティーは海外のコンテンツが多いので、英語のコンテンツを多く参考にしました。拙僧の英語力なので、どこまで正確なのか分かりませんが。
シャッターユニットのベンジン漬けは邪道だと思います。やっぱりシャッター羽の1枚1枚まで分解・清掃なさる方がいらっしゃいますから。拙僧は真似をして幾つものカメラのとどめを刺したので、今はチャレンジしていません。
本カメラはもう少し調整するとまともに写るかもしれません。しかし、高価な120判フィルムを調整の為に使うのはシンドイですよね。
もっとも仰る通り、ウェルミーシックスなどは初めからこんな感じですから、そもそも、こんな感じのカメラかもしれませんね。
投稿: Rikkie | 2015年11月19日 (木) 03時48分
どもども、だいきちボンバー殿。
ピントは調整によって改善する可能性があります。明らかにどこかにピントが合っているカットもおありますから。
うーん調整しようかなあ。
本カメラは目測機ですが二眼レフだとちゃんとフォーカスもちゃんとしてそうです。ビューティフレックスもビューティーコードも持っているんですよね。
土井さんだからドイマーというのは有りそうですね。この種のカメラのレンズは創始者の名前か土地の名前から取ったものが多いですよね。
投稿: Rikkie | 2015年11月19日 (木) 03時52分