2015年1月 7日 (水)

2014年歳末東京長征

Dscn5599作戦は当初から稼動時間に大いに制約があった。そんな事情もあって作戦域は立案から限定した。撮影野戦は上野と浅草、買い物攻城戦は新宿と中野で展開する。年末の上野、浅草は相変わらずの混雑でスナップゲリラ戦では喧騒にシャッター音がかき消されて都合がいい。ちょっと困ったのはベッサR2の甲高いシャッター音が気になるのだ。喧騒の浅草寺の中店通りですら、レリーズ後に振りかえられてしまうことが何度かあった。キャンデットフォトには難アリである。他にもローライE110の巻き上げがダブルストロークだと気づかづにネガの半分をパーにしてしまったが、そんなことはいつものことだ。

Dscn5748次に買い物作戦である。今回の主目標はカメラ・レンズではなかった。まずはトヨフィールド用のレンズボードであり副次的な目標が暗室用品である。そこで第一梯団を向かわせたのは新宿ではなく中野である。まずは自動車化狙撃兵連隊をフジヤカメラジャンク館へ投入する。カメラ・レンズの山には一切目も触れず、向かうは奥のビニール袋で包んだアクセサリー陣営だ。首尾よくそれらしいブツを発見したのだが確信がもてない。「TOYO VIEW」と刻印があり、トヨの物なのは確かなのだが、トヨフィールド用とはどこにも書いていない。手持ちのトヨビューデラックスのレンズボードより明らかに小さいから大丈夫だろうと確保した。この種のブツを店員に質問しても、明瞭な答えが返ってくるとは思えないので、さっさと1000円札を投げる。結果としてこれは失策でありブツはトヨフィールドにつかなかった。シャッターホールも偏心しているし、改造モノかなあ。

Dscn5752部隊は日東商事へ前進する。ここならうまくするとスイートな暗室用品を格安で手に入れることが可能性としてあった。まず目に入ったのは長大なパターソンのツインタワーで、これらは5本のリールを一度で処理できるものであった。拙僧も悩んだのだが、やはり一度に5本も処理する機会は無いだろう。失敗したら5本のネガが一瞬でパーになってしまう訳だし。それだけ処理液も用意しなきゃだ。それに4000円はちょっと高かった。もちろん、オートリールが5本も入っていると思えば安い買い物である。しかし、名古屋中古カメラ市戦役で甚大な出血から部隊の再編成もままなたない師団の攻撃力では負担が高いと判断したのである。それよりもレンズボードだ。日東商事の店員なら話が通じるのでトヨフィールド用のボードの在不在をたずねると、残念ながら在庫が無かった。しかし、店員氏によるとトヨフィールド用のボードも「TOYO VIEW」と言うようだ。フジヤカメラのブツに期待がもてるな。日東商事では100円のストラップや暗室小物を確保して部隊を撤収する。その後、フジヤカメラ用品館にてキングの3本リール用のタンクx2を確保。店員氏に「まだ残っているんですけど、いかがですか?」と薦めていただくのだが謝辞する。タンクはあと2つくらいあったほうが便利だけど、荷物が露骨に増えると師団長兼小紅旗の逆鱗に触れるからな。なので中古ストラップを大量に確保するに止めた。

Dscn5745第二梯団を新宿方面に進撃する。アルプスを軽く流してから向かうはカメラのキタムラ新宿大ガード店である。旧カメラのきむらであるこの要衝は、カメラアクセサリーの宝庫なのだ。首尾良くレンズボードを発見。2180円とちょっと微妙な価格帯ではあったが、ここで逃すのは必ず後悔だろう。店員氏によると、ちゃんとトヨフィールド用とのことだった。店員氏は親切な方で、いつでもレンズを持ってくればレンズボードに無料でつけてくれるという。こういうところで三河駐屯の不利を感じるな。名古屋中古カメラ市のセラーなんて、自分の店の商品を篭に投げる店があるからな。

Dscn5757それで満足してホテルに向かえば、その後の不幸も軽くすんだのだが、レンズやカメラを一つも買わずに撤収するのは惜しいよな。なにせ新宿まで来たのだ。経過を述べると長くなるので割愛するのだが、最終的には市場にて8000円のフランカレッテ、7000円のフォカスポート(ブライトフレームファインダー曇り)、同じく7000円のブラウンパクセッテ(安いほう)に絞った。ジャンクを目標外にしたのは、今回は時間が無いのと、最近は安物を数でそろえるのではなくて、ちゃんとしたモノをそれなりの価格帯で少しだけ買うことにしているのだ。結果、選んだのはフランカレッテだった。悩んだときには高いほうを買え、という格言もあるのだが、このフランカレッテにはクセナー45mmF2.8が付いているのだ。シュナイダー好きにはスイートに写ったのである。しかも、距離計が付いているから、その気になれば詳細なフォーカシングも可能なのだ。金を払っている途中で純正ケースが出てきたのが、ちょっと嬉しい。この世代のカメラは吊り金具が無い場合があるので、それなりにお買い得だったと思うのだが。興味深いのはフィルム室に「HAYATA-KAMERA-TEN」のシールが貼ってあるのだ。噂ではいけ好かないジジイの店らしいのだが腕は確からしいので、コンディションには期待できるか。

Dscn5782本当の不幸はその先だ。巣鴨のビジネスホテルを予約していたつもりなのだが、なんと予約日を1ヶ月間違えて1月にしていたのだ。既に現像タンクやら大柄な荷物と、夜中に一杯やる為のワインや翌朝のおにぎりまで確保していたから師団は緊張した。とにかく、ホテルはキャンセルし、結局、その足で池袋を経由してイルクーツクに急遽帰省することになった。

P1070426面倒なことになったが、この先、母親の顔を見るのも数えるほどだろうから、縁だったのかもしれないな。それに、例の現像タンクや諸々の師団長兼妻に見られたくないアイテムは郵送することができたから、巧い具合に偽装できたな。

P1070430それにしても、東京は撮影も買い物も最高だ。

ちょっと住むにはしんどいが。

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