nico nicoのブログ

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昭和の時代に製造されたカメラの中で特に一眼レフを中心に取上げます。

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Canon7 レポート その2 続きです。

 

キヤノン初の一眼レフカメラである キヤノンフレックス の登場は1959年。

ニコンF の登場も同じく1959年。

 

ニコンFの名声は後の時代にまで語り継がれ、一方のキヤノンフレックスは商業的に失敗に終わる。

 

そんな時代のキヤノンが世に送り出した、キヤノン製高級レンジファインダ機の最終回答である Canon7 を引き続き取り上げます。

 

 

 

< ファインダー >

 

Canon7 のファインダには、キヤノンの高級機としては初採用となる 明り取り窓式ブライトフレーム が装着されて、上部の装着レンズ焦点距離切り替えダイヤルと連動して、枠と焦点距離の数値が切り替わる。

(明り取り窓式ブライトフレームについては普及機まで含めるとキヤノネットの方が先)

 

また、ピント位置によっても枠が移動する補正機構(パララックス自動補正)を持っており、高級機にふさわしい仕様。

 

 

余談として一眼レフカメラばかりを使う私としては、レンジファインダ式カメラのファインダには2つの驚く点がある。

 

・シャッタを切った際にファインダが暗転(ブラックアウト)しない為、被写体を途切れる事無く確認出来る。

・撮影範囲のその外(ファインダの枠の外側)の状況も確認出来る。

 

 

連動距離計は2重像合致式で、ファインダをのぞいた中央に四角い可動像が見え、レンズのピントリングの動きに連動して左右に像が動く。

 

Canon7の距離計の基線長は61mm、倍率は0.8倍で有効基線長は48.8mmであり、比較対象として CanonP は有効基線長が42.2mmと若干短い。

 

有効基線長の意味が分からない方に引用して説明します。

有効基線長 読み方:ゆうこうきせんちょう

測距窓(距離計窓)とファインダー窓の間の距離を 基線長 といい、これが測距精度の目安になる。

 

基線長にファインダー倍率をかけ算した有効基線長は測距精度を表す数字になり、有効基線長が長ければ長いほど、測距精度が高くなり、焦点距離の長いレンズでも測距が正確になる。

(コトバンク より引用)

 

歴代のキャノン製レンジファインダ機で、有効基線長が Canon7 よりも長いVI型(有効基線長65.5mm)があるものの、望遠レンズを使用した際の測距精度においても Canon7 は比較的優れた機種であると考えます。

 

余談として距離計の狂いが起きた場合、上下方向の場合はボディ上部のフタを開て調整が可能となっており、左右方向は正面側のネジを開けて調整が出来るようになっています。

 

 

これらの大掛かりかつ凝った仕組みのファインダ及び連動距離計部分。

 

決して外部からは見えないが、内部は高度に凝縮された部品配置になっており、ある程度ブロック化された構造にはなっているものの、ここまでの高性能なファインダと連動距離計が組み込まれていれば、当然この位置(軍艦部下)が大きく張り出し、高さも上がる事うなずけます。

 

 

 

< 露出計 >

 

構成としては、ボディ前面のセレン窓、指針式メータ、高照度と低照度の切り替えスイッチからなり、指針式メータ以外の大部分は軍艦部カバー内部にあり、カバーをボディに組み合わせる事で回路が繋がる仕組みである。

 

 

露出計の指針は、照度切り替えスイッチで回路の一部の構成は変わるものの、セレンからの起電力のみで針が振れる仕組みとなっており、純粋な電気回路のみで成り立っている。

 

レンズの絞りダイヤルと露出計とは連動しておらず、シャッタ速度ダイヤルを回す事で、内部のギアを介して露出計周囲のガイドがスライドし、周囲の明るさ・選択したシャッタ速度から適切な絞り値を、ガイドに書かれた数値と指針の位置から読み取って、レンズの絞り値を決める仕様。

 

 

フィルムの感度選択はASA6から400まで範囲が対応しており、ボディ背面側のボタンを押してシャッタ速度ダイヤルを回す事で選択が可能になり、シャッタ速度ダイヤル上部の 15 の位置にある小窓から確認が出来る。

 

 

 

 

< シャッタ機構と巻き上げユニット >

 

選択可能なシャッタ速度は 1秒から1/1000秒の範囲、B(バルブ)、X点(1/55秒)、あとはT(タイム)となる。

 

Canon7のモナカ構造のガワとシャッタユニットを切り離すと、いわゆるバルナックライカ的なシャッタユニットが使われている事が分かる。

 

当時においても何十年も変わらない機構を、そのままの状態で最新かつ高級機種に採用した訳では無いとは思うが、やや古めかしいと感じる構成のシャッタユニットが姿を現した時には少々驚いた。

 

だからと言ってシャッタ速度の性能が劣る訳では無く、発売当時のモノの本を読むと

・シャッタ速度メモリ 1000 時 → 実測 1/830

・シャッタ速度メモリ 500 時 → 実測 1/510

・シャッタ速度メモリ 250 時 → 実測 1/270

など、しっかりと整備されている条件下においては、かなりの信頼性があるシャッタユニットである。

 

 

シャッタ形式はフォーカルプレーン式シャッタで、一眼レフカメラの バッチャン音 でも、レンズシャッタ機の チッ音 でも無い、レンジファインダ機では一般的な チャッツ音 といった感じで、周囲に響き渡らず、それでいて 撮影した感 を感じる心地いいシャッタ音である。

 

 

シャッタ幕そのものにも触れておきたい。

 

材質はステンレススチールで、厚さ18μm(0.018mm)の金属箔の両面に黒色塗装を施した、金属製シャッタ幕を採用している。

 

キヤノンではVL型から採用が始まった金属製のシャッタ幕であり、レンジファインダ機で起こりうる 「カメラのレンズを太陽に直接向けた場合のシャッタ幕焼け」 を防止するのには、非常に効果が高いと思う反面、材質にステンレスを選択した結果が影響しているのか?余程の美品で無い限りシャッタ幕にシワが寄っているものが多い。

 

では、どうしてステンレス製のシャッタ幕にシワが寄るのか?について、手元の2台の Canon7 を取り出して当該部分を観察すると

 

・先幕には表面上に傷はあるものの、シワは寄っていない。

・後幕の、それも竿にあたる方向(フィルム室側から見て左方向)にシワが集中している。

 

この2つの状態が見て取れる。

 

以降は個人的な推測を交えて、どうして後幕側のシャッタ幕にシワが出るのか?メカニズム的観点で現象を考えてみたい。

 

・シャッタをチャージした状態では、先幕側は幕の竿部分から延びるリボンが、後幕側はシャッタ幕そのものが、後幕ドラムに巻かれた状態になる。

 

・シャッタボタンを押し先幕が走行を始め、一定時間を置いて後幕が走行を始める。

 

・後幕が高速走行し、幕が走り終える(閉じきった)際に、幕のバウンドによる再露出を防止としたブレーキ機構が働き、シャッタ幕が急減速し停止する。

 

・このシャッタ幕が急減速し停止する際に、それまでの運動エネルギーと後幕全体の質量が組み合わさた慣性力が作用し、通常の布幕であれば問題として現れないが、金属のそれもステンレスともなると弾性領域を超え、シャッタ幕のフィルム室側から見た後幕の左方向にシワとなって影響が現れる。

 

そう考えると

 

・先幕にはブレーキが無く、一杯まで巻き取られた状態では、シャッタ幕そのものの重量は無いに等しいため、先幕ではそもそもシワは起きない。

 

・後幕の表面にシワが出来ると、そこで摩擦が起き、厳密にはシャッタ速度低下となって精度に影響を与えている。

 

・弾性領域を超えシワとなったのであれば、当然シャッタが走る度にシワは増え、最終的には破れてしまう。

 

とも考えられる。

(これらは私個人の見解であり、内容の正確さにおいて疑問が残ります。)

 

どうも Canon7 においては、シャッタ幕のシワは避けられないと思われる事、例えシワが寄ったとしても見た目が悪いだけで撮影自体には影響は見て取れない事、布幕とは違い金属製であるが故にカビが生えず、また幕焼けも起きない事、決してデメリットばかりでは無いと書き加えておきます。

 

 

巻き上げの滑らかさについて。

 

フィルムカメラは撮影の度に巻き上げ操作が必要になる訳ですが、特に Canon7 だからという事では無く、一般的なレンジファインダ機の巻上げ感について取り上げたいと思います。

 

一眼レフカメラの巻上げ感に関心を持ち、指先に伝わる微弱なトルクの変化に気を使いつつ、静かに巻き上げ操作を行うと、時々妙にギクシャクした手ごたえを感じる機種があります。

 

分解してその機構を確かめると、180度近い巻き上げ操作の中に分散して ミラー機構上下チャージ 自動絞りチャージ といった、大きな駆動力を必要とする各ユニットのチャージをしつつ、全域に渡ってシャッタチャージもするという具合に、巻き上げ操作一つの中でも幾重もの機構が複雑に絡み合っている訳です。


その巻き上げ軸からの回転運動を、カムやレバーを使った直線運動へ置換えが入ると、そこでトルクの変動というか、感触となって巻き上げレバーを操作する指に伝わってくる。


当然ながらそこには設計的な技量もあるとは思うものの、全てが円運動に収まっている機構とは違った感じ方はありますね。

しかし、レンジファインダ機というか Canon7 の巻上げレバーを操作すると、それはもう嬉しいくらいに指に伝わるトルク感が一定で スーー といった具合に感触が良いのです。

 

ここは一眼レフカメラ使いの私にとって非常に驚いた部分であり、一眼レフカメラというジャンルの中で最高の巻き上げ感だと個人的に思う minolta XE とも違う Canon7 の スーー といったトルク変動の無い巻上げ感は、本当に素晴らしいですね。

 

 

 

< キヤノンスクリューマウント>

 

Canon7 で採用されている キヤノンスクリューマウント こと ライカLマウント。

 

こちらについては専門的に取り扱ったブログなどがあり、最小限の紹介のみといたします。

レンズマウントの機構には大きく分けると ねじ込み式 と バヨネット式 があり Canon7 に装着できるのは ねじ込み式 内径39mm ネジピッチ1/26in フランジバック28.8mm の キヤノンスクリューマウント (ライカLマウント)仕様のレンズが該当する。


古いカメラに数多く採用されている ねじ込み式 のマウントについては 「レンズ脱着でネジの磨耗はあっても、マウントフランジ部の擦削がなく、フランジバックが狂わない」 という利点があり、他にも 「構造のシンプルさからくる加工のし易さ」 も挙げられる。

世界中で様々なライカLマウント仕様のレンズが生産され、本家ライカからキャノン・ニコン製のもの、ソ連製のものまで様々な 味 を楽しむ事が出来る訳です。

 

 


< 総括 >
Canon7 が発売された 1961年という年。

主要な国産一眼レフカメラメーカーの例を挙げてみると、アサヒペンタックスを筆頭に一眼レフカメラの開発競争に明け暮れていた時代でもある。

 

そのアサヒペンタックスでは、例えば1957年に登場した アサヒペンタックスAP では、既にアサヒフレックスIIBで採用されていた クイックリターンミラー 搭載、そして新採用のペンタプリズムを搭載して世に送り出し、1961年の段階では S3 に発展させ、この S3 には完全自動絞りが搭載された、近代的な一眼レフの全ての要素を備えていた。

 

以降の文面では便宜上 ペンタプリズム  クイックリターンミラー 自動絞り の3つの構成を 「近代的な一眼レフの3要素」 として扱いたい。 

 

ミノルタでは1958年発売の SR-2 の段階で、既に近代的な一眼レフカメラの3要素の全てが搭載されてた。

 

ニコンでは1959年に プロ用システムカメラ ニコンF が発売されており、当然ながら近代一眼レフカメラの3要素全てが搭載されており、特にペンタプリズムは交換式でスクリーンもユーザ側で交換可能という、これまた一つ上を行く一眼レフカメラを開発・発売していた。

 

つまり国産カメラメーカの特に有力なメーカは 「今後は一眼レフカメラの時代が来る」 という確信を持ち、開発の主力がレンジファインダ機から一眼レフカメラへ移行し始めていた時代でもあった。

(当時のアサヒペンタックスは一眼レフカメラ専業メーカであり、これは当てはまらない)

 

この様な一眼レフ開発競争激化の最中である1961年、高級カメラメーカーであるキヤノンは 普及タイプのレンジファインダ機である キャノネット を発売し、続けて今回取り上げた Canon7 も発売したという年であり キャノンフレックス1959年の例はあるものの、販売の主力は依然としてレンジファインダ機であった。

 

すなわち当時のキヤノンは、レンジファインダ機市場において安定的な収益を確保していた事で、新機軸である一眼レフカメラの波に乗り遅れてしまっていたという、現代のキヤノンからは全く持って想像出来ないくらいの、超保守的な時代であったとも思われます。

 

そんな時代に誕生した、最終世代の高級レンジファインダ機 Canon7 は、1961年から生産が終了するまでの1964年までの間に12万5000台も出荷されたという。

 

文中でも細かな部分にスポットを当てて、その高度かつ高精度・高機能さを検証し、実際に分解して組み易さから来る合理性の高さも確認して、ある意味レンジファインダ機の理想を追い求めた様な姿の Canon7 には、私個人の気持ちとしては非常に高く評価できる素晴らしい機種であると思います。

 

しかしながら、この名機 canon7 の現代における扱いは少しばかり冷たいものがあり、その人気の低さからか私が入手した2つの Canon7 は、一台目が名古屋丸栄中古用品大バーゲンの目玉商品扱いで6000円、2台目はカメラのキタムラ名古屋中古買取センタのジャンクコーナで3000円という値段であり、その性能と値段的価値の差について、決して正当な扱いを受けているとは思えない部分もある。

 

そんな最終世代の高級レンジファインダ機 Canon7。

 

ライバル的存在であり、ほぼ同等の性能を誇る Nikon SP と比べてみても、一方は高級かつ伝説の名機としての名声を持ち、もう一方はあまりの現存数の多さからか希少性が乏しく、名機であるもの伝説というものを持たない名機。

 

だがガラスケースに収まった名声ある伝説の名機よりも、名声は持たないが親しみを持って使われ続ける名機というのも、カメラとしては決して不幸な事ではない、今回の Canon7 レポートはこうして締めくくろうと思います。

 

Canon7 レポート これでおしまい。

 

キヤノン初の一眼レフカメラである キヤノンフレックス の登場は1959年。

ニコンF の登場も同じく1959年。

 

ニコンFの名声は後の時代にまで語り継がれ、一方のキヤノンフレックスは商業的に失敗に終わる。

 

そしてキヤノンが、プロのカメラマンの要求を満たせる、本格システムカメラの登場は、12年後の1971年まで待つ事に。

 

キヤノンを一眼レフカメラを中心に考えた時、初期の試行錯誤の時代、華々しく登場した Canon F-1 登場の、ある種サクセスストーリ的に語られる事も多いが、そこは当時であっても日本を代表する大企業キヤノンであり、レンジファインダ機のジャンルでは確かな製品を世に送り出していた訳です。

 

今回はキヤノンのレンジファインダ機の最終回答である Canon7 を取り上げます。

 

正確には Canon7 がキヤノン最後のレンジファインダ機では無く Canon7s がそうであるが、7sは7の測光系がcdsに変更されたマイナーチェンジ機である事、製品の区切りとしてはアラビア数字7の機種を以って生産も終わる為、今回は Canon7 をキヤノン最後のレンジファインダ機としました。

 

 

ここで簡単なスペック紹介。

 

型式 : 35mm判フォーカルプレーン距離計連動カメラ

マウント : キヤノンスクリューマウント(ライカLマウント)及び外爪バヨネットマウント

シャッタ : 機械式金属幕横走り B T X 1~1000秒 セルフタイマあり

ファインダ : 採光式ユニバーサルブライトフレーム 倍率0.8倍

露出モード : マニュアル

測光方式・受光素子 : 外光測光方式・セレン

大きさ : 140.4x81x31.2mm(ボディのみ)

発売価格 : 89500円(ただし50mm f0.95付き)

発売 : 1961年

 

 

< 全体的な外観の印象 >

 

まず最初に感じるのは レンジファインダ機でありながら随分と大きい という所である。

 

しかし実際に大きいのか?についてはCanon7 の前機種である CanonP を例に比較すると、この様になります。

 

CanonP 横幅144mm 高さ76mm 厚さ33.7mm(ボディのみ)

Canon7 横幅140.4mm 高さ81mm 厚さ31.2mm(ボディのみ)

 

両機種を比較した場合、実はCanon7の方が横幅は3.6mm小さく、厚さは2.5mm薄いという結果になります。

(手持ちのスペック表での比較)

 

随分と大きく見える理由としては、Canon7の方が高さ方向で5mm高いという所が、理由であると考えられます。

 

印象的な部分では、それまでのキヤノン製レンジファインダ機特有の、サラリとした感覚とは程遠い、ゴツイと言った印象である。

 

正面から見た場合、大きくせり出し幅を持つセレン窓、前面に並んだ3つの窓、これらの 窓 がそんな印象を与えていると思う。

 

つまり、デザインの上に成り立った形状というよりも、機能を並べたらこの様になった、いわゆる機能美という雰囲気を感じます。

 

 

< 軍艦部右手操作系 >

 

巻き上げレバーはしっかりとクロームメッキされたレバーで、特別な形状をしている訳では無く、親指を掛ける部分にも、特別な滑り止めのスリッド加工も無い、ある意味プレーンな仕様。

 

では滑ってしまって使い難いのか?と聞かれるとそうでは無く、実機で実際に巻き上げレバーを使い巻き上げ操作をすると、この何の変哲も無いレバー形状の、各面および削り込んだ部分のその角度までが、しっくりと指に馴染み、急な巻上げでも指が滑って外れてしまうといった状況にはならない、機能を追及した結果の形状をしている。

 

巻き上げのフィーリングについては次回 その2 でシャッタ関係で取り上げます。

 

シャッタボタンには、フィルムの送りと巻き戻し操作の為、周囲にギヤ状の A R 操作リングが設けてあり、この辺りの仕様は旧世代に見られる機構にも思えるが、もう一つクリック停止する位置があり、これは L (ロック)の為のもの。

 

シャッタボタンは、押し易い丁度良い大きさと形状、ストロークも目視2.5mm程とこちらも丁度良い感じであり 「この次シャッタが切れる」 という感覚さえも指に伝わっている優れたもの。

 

この様な決してスペックには表れないが、押した際の違和感を感じないシャッタボタンというのは、内部の機構を含めた総合的な設計の良さから来る物であると考える。

 

 

< 軍艦部中央部操作系 >

 

シャッタ速度ダイヤルは並び順では X T B  1~1000 というスペックであり、高級機に見られる T(タイム)も搭載されている。

 

この T については Canon7 で初の導入となった機構であり、独立して設けられた X点 については 1/55秒 でシャッタが走る。

 

実際にシャッタダイヤルを操作すると、各速度の位置に切られたスリッドが、滑り止めの作用も果たし、面取りもあって回していて指が痛くならない。

 

しかもこれらの加工により、今シャッタ速度の位置がどこにあるのか?の視認性を上げている。

 

回した際のクリック感は程よく、変にカチカチしている訳でもグニャグニャしている訳でも無いが、60→30への切り替えの際は内部機構上、長いリンクを使ってボディ下部のガバナの、切り替え操作を行うが故に、ここだけは指に伝わる違和感があるのは仕方ない。(分解してみて確認)

 

ただ個人的な意見としては、高さ方向がもう1~2mm高ければ一層回し易いくなるはず。

(Canon7 の高さが81mm と高く、もはや上げられない?)

 

露出計については次回 その2 で取り上げます。

 

 

< 軍艦部左手操作系 >

 

ブライトフレームの切り替え用としてダイヤルがある。

 

こちらではレンズの焦点距離として 35 50 85および100 135 と5種類(ダイヤル位置では4箇所)と切り替えが出来、焦点距離の数値もダイヤル上部からも、ファインダ内部からでも確認出来る仕様。

 

巻き戻しクランクは、一眼レフのそれと比べると小柄ながら剛性感は高く、形状自体はシンプルである。

ただ一点惜しいのは、実際にフィルムを巻き戻した人であれば分かるが、巻き戻しの際クランクの軸を右

 

手の親指と人さし指で摘んで回すと、親指の腹の部分に角が当たり痛い。

(Canon7の実機を使うユーザとして、良くない点があればそれも挙げる、フェアな精神は必要ですね)

 

 

 

Canon7 レポート その1 はここでお終い。

 

次回以降は 露出計 ファインダ マウント シャッタ関係 を取り上げ、総括としてまとめます。 

 

 

 

 

前回ブログを書いたのが2016年4月の丸栄参戦なので、当ブログは一年ぶりの更新となります。

 

 

本題に入る前に、昨年の丸栄中古カメラバーゲン参戦は 4月→そこそこの成果 9月→手ぶら帰宅 12月→行く気も無かった という状況で、飽和しきったフィルム一眼レフ環境に満足して、カメラボディもレンズも買い足す事は無く、もはやブログのネタも無くなってしまい休ブログと化していました。

 

一方、撮影については昨年(2016年)夏には娘と2人で長崎県にある端島(通称軍艦島)へ行き、私はNikon F と ペンタックスSPF で撮影、娘はデジ一で撮影するなど、こちらの方に関しては、まずまずでしたね。

 

こうして機材という面では十分満足な環境下にあり、カメラ関係のブログやページも見なくなって随分と経った2017年4月、会社の昼休憩の時間でふと名古屋丸栄中古カメラ用品大バーゲンについて調べてみると ”4/19開催” という情報を見つけ、急遽初日の午前のみ限定参戦となりました。

 

 

今回は限定参戦ではありましたが、手ぶらでも無くちゃんと買い物はしましたので、何を買ったのか?公開いたします。

 

 

1.ケンコーの52mm中古フィルタ各100円 ヤマゲンで1枚 イトウカメラで3枚

 

中古カメラバーゲンで買ったレンズ用に購入しました。

フィルタと言えども新品購入では結構高く、100円で色々な小物が手に入るのが丸栄のカメラバーゲンの良い所ですね。

 

そこは全ての店の中古フィルタが100円では無く、300円位が平均的な感じですが、安くてカビていない物を吟味するというのも楽しいですね。

 

 

2.小物類各種  ニコンレンズ用(社外品)リアキャップ各100円 ヤマゲンで2個  ミノルタSR用ボディキャップ100円 ヤマゲンで1個  カメラストラップ各100円 イトウカメラで2個

 

大した小物ではありませんが、購入したニコンの中古レンズ用にレンズキャップを、あと、購入したミノルタのカメラボディ用にボディキャップを1つ購入しました。

 

ボディとレンズを分離して保管する場合、キャップをしておかないとホコリだらけになるし、意外に重要な小物なので100円であれば十分過ぎる程に買う価値はあります。

 

カメラストラップは新品を100円で入手(細いタイプで大したストラップではありません)

 

 

3.ミノルタSRボディ New SR-1 ハットリカメラ 1000円

 

フィルムカメラボディーに関しては一生分確保してある位の量を持っていますが、大阪に出張した際に持っていった ミノルタ SR-1s が不調になり、代わりのボディ(SRシリーズで軽量かつ機械式ボディ)を探していた所、ハットリカメラのブースで SR-1s では無く New SR-1 を見つけてチェック。

 

大雑把なチェックではファインダにカビ無し、ボディにも傷らしい傷なし(一箇所セロハンテープの残骸みたいなものが付いているが)と、製造から50年程経過しているボディにも関わらず美品レベルであり、高速シャッタが500までではあるものの、快調なそれが1000円であれば SR-1s の代打として確保も選択の一つと考え入手しました。

 

 

4.ニコン New NIKKOR 50mm f2 カメラのヤマゲン 2000円

 

マルチコートかつ安価なニッコールを探すと New NIKKOR が選択肢に入ります。

 

悪環境下においても惜しみなく使え、まだ持っていない NIKKOR 50mm f2 を体感してみたいという理由で2000円のレンズを確保。

 

後玉の表面に簡単に落ちそうなカビが1点、あとは New NIKKOR なのに Ai爪が付いている事、爪のの取付ネジが1本無かったが、他は問題らしい部分も見つからず、簡単な整備で即実働出来る事から、チェックもそこそこに入手しました。

 

 

5.ニコン Auto NIKKOR 135mm f3.5 ハットリカメラ 500円

 

ハットリカメラのブースで500円の ワンコインニッコール を1つ買いました。

外観はこの上無いほどの美品なのですが、レンズをのぞくと明確な理由が1点。

 

前玉1枚目の表面が汚れているのか?まだらに見え、前玉2枚目もコーティング面がブツブツと何かの模様があり、カビか何かだと思ったが前郡であれば簡単に分解出来そうだし、最悪でも綺麗なその外観を別の135mm f3.5に移植するのも良いか、とも考えて入手する事に。

 

前郡を分解してみて分かった事として、前玉2枚目の表面はコーティングが何かの理由でポツポツと浮き上がり(下地処理の問題?)、前玉1枚目の表面については有機溶剤か何かでレンズを拭いて、結果としてコーティングがダメージを受けての状況と分かる。

 

さてどうするのか?一人で議論?を重ねた結果、そのまま使ってみようという結果に。

 

 

6.ペンタックス純正 M42マウントボディ用ボディキャップ 新品540円を3個で1620円 大塚商会

 

ジャンクテーブル内の目ぼしいブツも大方売れてしまった11:00頃、大塚商会の小物ブースをゴソゴソとしていた所、ペンタックス純正のM42マウントボディ用ボディキャップの、それも新品を発見する事に。

 

最近見かけないのですよM42用のボディキャップ。

 

amazon.com ならば、怪しいものが半額で売っているのは知っていたが、我が家は通販は禁止な事、ペンタックス純正で新品あれば、540円という価格はボッタクリでは無いので、有るだけ探して3つ購入した。

 

 

7.Nikon NIKKOR-P.C Auto 105mm f2.5 5000円 ハットリカメラ

 

今回の目玉では無いが、ハットリカメラでコレ買いました。

私自身 ニッコール 105mm f2.5 というレンズって途轍もなく好きなんですよ。

 

正直、レンズの性質っていう部分は全然分からないし、収差とか言われてもよく分からないのですが、1点重要視している事として 「いかに、はっきり、くっきり、パキパキに写る」 ここだけは外せません。

(感覚としてソフトな感じの写りのレンズは好きでは無いという事ですね。)

 

このニッコール 105mm f2.5 で絞りを f8 にして撮影すると、ピントが合った部分というのは本当にパキパキです。

ちなみにこのレンズの特長である背景のとろける様なボケとかは、あまり考えた事はありません。

 

それと、このレンズの価格が今回5000円という所も重要でして、本来9000円はするレンズが半額近い値段だった所も買おうと思った理由かなあ。

 

こうして 各世代の NIKKOR 105mm f2.5 のコレクションに新たに1つ、所有していなかった Auto世代のマルチコート品をゲット!となった訳です。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回の丸栄では100円程度の小物から5000円のレンズを含め、あとボディを1台入手し、合計はおよそ11000円とそれなりな規模に抑える事が出来ました。

 

あと丸栄の初日に参戦して思ったのは、純粋にカメラや撮影を目的に機材を買い求めるという部分からは外れ、かごを持った転売ヤー的な人達が、そこそこ見受けられ何となくアレ(怪しげ)な感じではあった。

 

あと、フィルム一眼レフやレンズのジャンク自体がそろそろ少なくなってきているのか?それとも価格的に底を打ち反転し始めているのか?値付けも若干上がってきている様にも感じた。

 

以上 2017年4月19日(水) 名古屋丸栄 中古カメラ用品大バーゲンセール 初日参戦 報告はこれでおしまい。