華中 PTJ-IW
中国へ行ったら中国製カメラが欲しい。勿論、メイド・イン・チャイナのカメラなどは様々なブランドで溢れているのだけれどもそれではない。中華人民共和国が鎖国時代、人民の為の人民による人民のカメラが欲しいのである。
北京でそういった文物カメラを手に入れようとすると、まず琉璃厰や藩家園旧貨市場等の骨董品市場を想像するのだけれども、これは日本で三文中古カメラが骨董品屋で法外な値をつけているのと同じで吹っかけられる可能性は大いに高い。勿論、値踏みをすることも可能なのだけれども、カメラを専門としているわけではないので、まず扱っている業者を探すのに一苦労。業者もカメラの専門知識が無い場合が多く交渉は難航が予想される。もっとも、専門知識が無いことで狙いを価格のみに絞れるので交渉しやすい場合もある。これは行った事は無いけれども世田谷辺りのフリーマーケットも同様だと思う。時間があれば、共産党の旗や毛沢東さんのバッチ等を眺めながら物色も悪くは無いのだけれども、今回の拙僧の旅行は時間の余裕が無かった。なのでカメラ関係専門の業者の集まる「北京撮影機材城」へ向かったのである。
「北京撮影機材城」は、主にプロ向けにカメラや撮影機材、それに額縁や衣装などおよそ撮影に関するあらゆる機材を扱うバイヤーが集まっている。特徴的なのはカメラならニコンだけ(勿論、キヤノンだけのバイヤーもいる)、三脚ならジッツオだけ、ストロボならバルカーだけ、薬品ならイルフォードだけを専門に扱っている、プローなイメージなのである。もっとも、我々が期待する中古カメラのブースは多種多様な物が転がっており興味深い。多種多様といっても扱っているのはAFは新品専用ブースだけ。中古はMFの渋いカメラしか扱っていない。それもダントツにニコン。まあ、撮影機材城の話は広げるときりが無いので何れレポートするとして本カメラに話題を移そう。
小ぶりな距離計連動機は気になっていた。「華中」という名前が中華思想を奢っていて中々勇ましい。多分、初めは「中華」と付けたのだけれども、過激すぎるとお上から横槍が入ったのかもしれない。中古ブースを一通り回り本カメラのあるブースに戻ってきた。気になるのはプライスタグが付いていない点だ。こういうのは吹っかけられるのである。外国人だとばれると特に謙虚なのだ。拙僧はいい年なのに赤茶髪にツイストパーマなのですぐに外国人だとばれてしまう。なので覚悟して値段を聞くと300元(5000円位)と拙僧の手の届く範囲内なのだ。念の為、「安くしてくれ」と言うと笑いながら店主は「家は商売抜きでやっているから初めから安いのだ。」とヤンワリと拒絶する。こういうのは中国では珍しいのだ、普通は怒鳴りあいになる。よく見ると一眼レフの珠光がボディのみで350元と本当に他のブースに比べると割安だった。早速チェックすると距離計が上下に少々ずれている他は問題無しの美品であった。もしかしたら距離計のずれで品質チェックではねられたのかもしれない。店主いわく、「この漢字を記名した珍しいカメラなので高いのだ」と言う。なるほどケースには金文字で「華中」の文字が輝いている。
一眼レフの「珠光」も気になったが今回は妻が同伴の為、「買うカメラは一台だけ」の約束をたがえることも出来ず、しぶしぶ・・・いや悠々と本カメラを拾い上げたのである。
使用感などは後日改めてご報告します。
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コメント
どもども。
うーん、はじめて見ました。漢字を上手くデザインしたロゴが実に格好良いです。さすが漢字生誕の国ですねぇ。これだけで「ビールもう一杯ちょーだい」ですね。
投稿: 大佐 | 2009年1月10日 (土) 22時08分
どもども、大佐殿。
華中というブランドは拙僧もよく解らないんですよ。おいおい調べてみます。
なかなかよく出来たデザインですよ。充分ナイトキャップとして使えます(^^。
投稿: Rikkie | 2009年1月11日 (日) 09時40分