朝日町 石油タンク
気仙沼市朝日町に建設されていた漁業用燃油備蓄出荷施設「気仙沼油槽所」が6月21日に竣工しました。これは気仙沼市が整備した土地に(株)気仙沼商会が建設したもの。漁船用のA重油タンク計5基(各990キロリットル)が設置されました。今後は気仙沼商会をはじめ市内石油販売会社10社が共同で利用します。竣工当日の三陸新報に掲載された広告を紹介します。
三陸新報6月21日掲載広告の一部イメージ
朝日町の石油タンクというと、気仙沼の多くの人が東日本大震災のことを思い出すことでしょう。津波で被災したタンクから流れ出た石油はその後の火災の原因のひとつとなりました。報道によれば、朝日町だけでなく気仙沼湾沿いにあった民間タンク23基のうち22基が津波で流失して貯蔵されていた重油やガソリン約1万1500キロリットルが海に流れ出たのだそうです。
そうしたこともあって、このたび完成した各タンクの外側は特殊なコンクリートを用いた壁で囲われ、津波や漂流物の衝突にも耐えられる構造としてあります。この壁は市が整備したもの。
21日におこなわれた竣工式で、関係者の皆さんは〈やっとこの日を迎えることができた〉との感慨をいだいたのではないでしょうか。さかのぼれば、2015年7月に気仙沼市としての施設の基本設計がまとまったとの報道がありました。燃油タンクは8基。概算事業費は31億5千万円で2015年度内の着工、16年度末の稼働を予定していると。
しかしその計画実行は遅れたようです。着工に際しての地鎮祭がおこなわれたのは2017年9月1日。この時点で施設完成は 2018年度末、つまり2019年3月とされました。
三陸新報2017年9月2日記事の一部イメージ
この記事では、建設されるタンクの数は5基となっています。市が整備する土地を借りて気仙沼商会が建設するとし、建設費は約18億円ですこの費用は市の負担を含まないタンク建設のみの費用ということでしょうか。
地鎮祭がおこなわれたのは9月でしたが、気仙沼市が造成工事費の増額予算を計上したのは同年12月のことです。予想以上に被災宅地の基礎が残っていたり、予期しなかった杭が埋まっているなどしたための増額そのほかです。
そして迎えた6月21日の竣工式。22日の三陸新報によれば、県や市、市内の水産関係者のほか、工事、石油元売り関係者ら約100人が出席したとのことです。
三陸新報6月22日記事の一部イメージ
この記事によれば全体事業費は26億円で、国の復興交付金やグループ化補助金などを活用したとのことです。上に紹介した記事中の建設費や事業費が変動するのは、その内訳(土地・タンク・壁など)のほか、事業主体(市・気仙沼商会)の違いなどがあるとは思いますが、そのご苦労の片鱗がうかがえます。市の関係者、そして国の交付金や補助金関連部署の方々も、使える制度やその条件のやりくりや調整では多くのご苦労があったことでしょう。
また長くなってしまいました。要は当初計画から竣工までには本当にいろんなことがあったということ。
高橋正樹社長はじめ気仙沼商会の皆様、そして市や国など多くの行政関係者の皆様にお祝いを申し上げます。このたびの朝日町「気仙沼油槽所」の竣工、おめでとうございました。
なお、90年前に竣工した「気仙沼油槽所」のことも書こうと思っていたのですが、日をあらためます。それは気仙沼の〈昭和の大火〉の年12月7日のことでした。
三陸新報6月21日掲載広告の一部イメージ
朝日町の石油タンクというと、気仙沼の多くの人が東日本大震災のことを思い出すことでしょう。津波で被災したタンクから流れ出た石油はその後の火災の原因のひとつとなりました。報道によれば、朝日町だけでなく気仙沼湾沿いにあった民間タンク23基のうち22基が津波で流失して貯蔵されていた重油やガソリン約1万1500キロリットルが海に流れ出たのだそうです。
そうしたこともあって、このたび完成した各タンクの外側は特殊なコンクリートを用いた壁で囲われ、津波や漂流物の衝突にも耐えられる構造としてあります。この壁は市が整備したもの。
21日におこなわれた竣工式で、関係者の皆さんは〈やっとこの日を迎えることができた〉との感慨をいだいたのではないでしょうか。さかのぼれば、2015年7月に気仙沼市としての施設の基本設計がまとまったとの報道がありました。燃油タンクは8基。概算事業費は31億5千万円で2015年度内の着工、16年度末の稼働を予定していると。
しかしその計画実行は遅れたようです。着工に際しての地鎮祭がおこなわれたのは2017年9月1日。この時点で施設完成は 2018年度末、つまり2019年3月とされました。
三陸新報2017年9月2日記事の一部イメージ
この記事では、建設されるタンクの数は5基となっています。市が整備する土地を借りて気仙沼商会が建設するとし、建設費は約18億円ですこの費用は市の負担を含まないタンク建設のみの費用ということでしょうか。
地鎮祭がおこなわれたのは9月でしたが、気仙沼市が造成工事費の増額予算を計上したのは同年12月のことです。予想以上に被災宅地の基礎が残っていたり、予期しなかった杭が埋まっているなどしたための増額そのほかです。
そして迎えた6月21日の竣工式。22日の三陸新報によれば、県や市、市内の水産関係者のほか、工事、石油元売り関係者ら約100人が出席したとのことです。
三陸新報6月22日記事の一部イメージ
この記事によれば全体事業費は26億円で、国の復興交付金やグループ化補助金などを活用したとのことです。上に紹介した記事中の建設費や事業費が変動するのは、その内訳(土地・タンク・壁など)のほか、事業主体(市・気仙沼商会)の違いなどがあるとは思いますが、そのご苦労の片鱗がうかがえます。市の関係者、そして国の交付金や補助金関連部署の方々も、使える制度やその条件のやりくりや調整では多くのご苦労があったことでしょう。
また長くなってしまいました。要は当初計画から竣工までには本当にいろんなことがあったということ。
高橋正樹社長はじめ気仙沼商会の皆様、そして市や国など多くの行政関係者の皆様にお祝いを申し上げます。このたびの朝日町「気仙沼油槽所」の竣工、おめでとうございました。
なお、90年前に竣工した「気仙沼油槽所」のことも書こうと思っていたのですが、日をあらためます。それは気仙沼の〈昭和の大火〉の年12月7日のことでした。