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真美子さんの投稿

7月20日の三陸新報に、「気仙沼弁『日日是好日』出版に寄せて」と題する横田真美子さんの投稿文が掲載されていました。真美子さんは、『気仙沼弁 日日是好日』の著者そして発行者である鼎女さんとイラスト担当コミマルと小中高を通じての同級生です。私もよく知っています。

その投稿を画像にて。真美子さんの了解を得ております。


7:20横田さん投稿
三陸新報7月20日掲載記事より


横田真美子さんは、震災後の「けせんぬまさいがいエフエム」やその後の「ラヂオ気仙沼」でパーソナリティーをつとめていました。当時の担当プログラムのなかでは、気仙沼弁講座的なコーナーや枕草子を気仙沼弁に翻訳して語るといった試みもありましたね。

横田さんも登場しての気仙沼弁による石川電気のラジオCMを今でも楽しく思い出します。2022年7月6日ブログ「気仙沼弁の新連載」ではつぎのように紹介しています。〈電球がきれたという女性に、石川電気さ電話してみろという男性。実に自然な気仙沼の言葉で、東京で聞いている私も気分は一気に気仙沼へという感じでした〉。

◎投稿内の気仙沼弁

投稿文のなかにある気仙沼弁を中心にして内容を紹介します。

真美子さんは鼎が浦高校を卒業し進学のために上京。当時は、地方のイントネーションを恥ずかしいと思ったりする一方で、〈髪の毛をとかす方言「けずる」や祖母たちが使った「おあがんなはれせ」「そうでござりす」はどこか雅(みやび)で藤原文化の流れをくんだ公家言葉なのだろうと自負するところもあったのです〉とのこと。

そして東京から帰郷の時は、〈大船渡線に乗り換えるころには気仙沼弁全開〉だったそうです。「あそんぺし、おらいさだいん!」「おまづりの花火、あんだいでみせでねー!」と方言でやり取りしたと。

〈気仙沼弁全開〉は、気仙沼の弁(バルブ)全開とも読めて面白い。東京での使用を抑制していただけに、ほとばしる気仙沼弁といった感じだったのでしょう。

投稿文のなかには、私にはわからない気仙沼弁もありました。〈兄弟で、すてっかしたり、あんぽずしたり、むつけで足もってけったぐったり……〉

最後の語句は、ふてくされて足を持って蹴ったりということかなあ。

◎方言に生きる古語

投稿の最後で真美子さんは、加藤正信著『方言に生きる古語』を紹介しています。

それによれば、「おどげでねー」「あべ」「めんこい」、そして強面(こわもて)の同級生が使っていた「ヌッサ」も、おらいのゴデさまの「ゴデ」も、「どんぶく」までもが古語とのこと。そしてそれを〈なんとも愉快なことですね〉と。

◎真美子さんの推奨文

文中には、『気仙沼弁 日日是好日』のお勧めがつぎのように記されていました。

〈『日日是好日』は思い出をたどるタイムマシンさながらです。昭和のあれこれが鮮明に蘇って豊かな気持ちになれる逸品のマシンです。その逸品がこの度、一冊の本になりました。しかもデカ文字、標準語訳付きと高機能!いかがでしょう。お手元で時間旅行を楽しみませんか。コミマルさんのイラストがなおさら楽しい旅へといざなってくれるはずです。〉

横田真美子さん、ありがとうございました。

なお、宮脇書店気仙沼さんの7月20日午前中のX投稿では、真美子さんの投稿について〈本日も友人の方の記事が載っておりました。凄い売れ行きで、あと30冊ほどで完売します〉と記していました。

増刷の手配が済んだとも聞いておりますので、予約受付も始まることでしょう。

(7/22 午後9時追記:22日午前11:25に宮脇書店さんの新しい投稿がありました。8月上旬に重版(増刷)出来(しゅったい/できあがり)予定となり予約受付中とのことです)

参考:

『気仙沼弁 日日是好日』の内容についてはつぎのブログで。

7月12日ブログ 「日日是好日」発刊

気仙沼弁と古語との関係については、気仙沼ニッティング代表の御手洗瑞子さんも「わたしの好きな気仙沼弁」と題する三陸新報「リレー随想」のなかで述べていました。「気仙沼弁の中には、かつて京都を中心に使われていた古語が、たくさん消えずに残っていることに気づく」と。つぎのブログで紹介しています。

2019年10月10日ブログ「御手洗さんの随想」
 

テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 気仙沼弁日日是好日横田真美子

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ありがとうございます

今日は思いがけなく私の作文を取り上げてもらい「なんとおしょすいごどなー」と照れています。
私の幼い時の記憶「兄弟で、すてっかしたり、あんぽずしたり、むつけで足もってけったぐったり」が分からなかったとありましたので、ちょこっとだげお返事をと思った次第です。

「すてっか」は日日是好日32ページの「すてこあだり」と同じ、ちょっかいを出すという意味です。
「あんぽず」は「このわらすは、ほんとにあんぽずばがりしてわがんね」などど使い、元はあんぽんたん坊主?いたずら坊主?といった意味だと思います。また「わがんね」は困ったものだ…、どうしたらいいかといった意味だと思います。あんぽんたんは江戸時代に生まれた言葉らしいのですが、詳しいことは私もよく分かりません。
「足もってけったぐる」は、小田さんの推理?その通りで足で蹴ることなのですが、どういう訳かわざわざ持つをくっつけ大げさな表現にしていました。

私の家は商売をしていたので人の出入りも多く、私は家族の言葉だけでなく岩手、宮城の様々な方言を聞いて育ちました。もしかしたらこの言葉の記憶もあっちこっちの言葉なのかもしれません。どこどこの「おんつぁま」「あねさま」「〇〇のかあさん」「〇〇あんや」とにかくおんちゃん、おばちゃんと慕う人の多かったことと振り返っています。

どこの地方の方言もに古語が残っていてとても愉快なことと書きましたが、言葉は変化するもの。長い年月を経て変化し、地域の気候や風土によっても変化して、地方といえどもそれぞれの時代には新しい言葉が生まれたのだと思います。それでも今なお名残りがあることが嬉しいのです。


Re: ありがとうございます

真美子さん、こちらこそありがとうございました。投稿のなかにあった気仙沼弁の解説を読んでなるほどなと。同じ気仙沼で育ったり住んだりしていても、それぞれの親や祖父母の言葉、そして家業で接触する人たちの言葉の違いによって人それぞれの気仙沼弁が形成されているのでしょうね。とても面白いです。
プロフィール

気中20/小田

Author:気中20/小田
このブログは、東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/72~73歳)たちを支援する首都圏在住者「気中20回生支援会」ブログとして始めました。いまは、気仙沼出身東京在住者による気仙沼情報ブログとして、魚町育ちの小田(気中3年8組)が書いています。

Twitter: @kechu20

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