廿一田植踊の映像
ネットや新聞で気仙沼の正月行事がいろいろと紹介されるなかで、私がとてもいいなと感じたのが「廿一田植踊」(にじゅういちたうえおどり)でした。
気仙沼市落合の廿一田植踊保存会の皆さんが、1月2日に気仙沼市内で踊りを披露してくださったのです。念のため記しておくと「廿一」は地区名です。
Xでは、「気仙沼百景」さんが、新浜町「すがとよ酒店」での田植踊の映像を投稿してくれました。
気仙沼百景さん、ありがとうございました。
1月5日の三陸新報でもつぎのように紹介されていました。
三陸新報1月5日記事の一部イメージ
記事によれば、高齢化のために保存会の会員が減少するなか、地元落合地区出身の伊東さんという女性が笛担当として新たに加入し、今回の初舞いにも参加してくれたそうです。冒頭の映像にもうつっている方ですね。ありがとうございます。
ネット情報では、保存会の若手2人が体調不良で不参加となり、踊っているのは70歳以上の方々とか。
◎宮城県指定無形民俗文化財
「廿一田植踊」は、宮城県の無形民俗文化財に指定されています。県の指定文化財サイトではつぎのように説明しています。
・指定文化財〈県指定無形民俗文化財〉廿一田植踊
口伝によれば、明治の初め頃、黒川郡方面から伝わったとされているが、岩手県の気仙地方から伝えられ、江戸時代から踊っていたとする説もあり、定かではない。
秋保などの「弥十郎田植」の系派とは異なる「掲鼓田植」の系派の数少なくなった田植踊で、技芸も優れており、装束や芸態には地域の特色を持つ古来の芸風を継承保持している。また、県内の田植踊りのほとんどで本来の正月に踊られることがなくなっているなかで、廿一田植踊だけが正月行事として集落を巡っている点もきわめて貴重である。
毎年元旦の早朝に、地区の八雲神社と古峰神社で、豊作祈願の舞いを奉納した後、地区の農家を門付して回っている。(引用は以上)
なお、気仙沼市での宮城県指定無形民俗文化財は3件で、〈廿一田植踊〉のほかに〈新城の田植踊〉〈早稲谷鹿踊〉(わせやししおどり)が指定されています。
◎2012年正月の廿一田植踊
YouTubeに読売新聞オンライン動画さんによる「廿一田植踊」映像がありましたので紹介します。見出しは〈仮設住宅で五穀豊穣祈る「田植踊」〉です。
読売新聞東京本社写真部の岩波友紀さん撮影で、2012年1月5日公開というクレジットがありました。同年1月1日の「廿一田植踊」映像だと思います。記事を引用します。
〈宮城県気仙沼市の「廿一田植踊保存会」のメンバーが、仮設住宅を訪れ田植踊を踊った。地区の伝統芸能で、毎年元旦に神社で五穀豊穣などを祈願した後、集落の家をまわっている。今年は神社での奉納の後に仮設住宅へ。同会の小松正会長(70)は、「元日に多くの人に見て喜んでもらえたのがなにより」と話した〉(引用は以上)
映像のなかに当時の保存会会長小松正さんと思われる方の挨拶がありました。つぎのように語っています。(不明部は……)
〈廿一から門付けで出たことがないんです。今回はじめて出ましたけれども、皆さんに……元気が出るような……ができればなと、そんなふうに思って参りました。〉
廿一田植踊は各戸を訪問する〈門付け〉(かどづけ)の民俗芸能ですが、震災の翌年2012年は地元を離れて仮設住宅への〈門付け〉もおこなわれたのですね。ありがたい。
ふたつの動画を見て感じるのは、伝統芸能、民俗芸能の記録というのは大事だなということ。言うは易く行うは難し。なかなかに大変なことであることを十分に承知しながらもそう思いました。
廿一田植踊保存会関係者の皆様、本年正月の門付け初踊り、初舞い、ありがとうございました。
気仙沼市落合の廿一田植踊保存会の皆さんが、1月2日に気仙沼市内で踊りを披露してくださったのです。念のため記しておくと「廿一」は地区名です。
Xでは、「気仙沼百景」さんが、新浜町「すがとよ酒店」での田植踊の映像を投稿してくれました。
江戸時代からあったとさせる気仙沼の民族芸能✨廿一田植え踊り🙌豊作を願ったりいろんな思いが込められた踊りなんだべね😊なんかユーモアもあってホッコリしました✨絶やさず続いて欲しい気仙沼の文化です🥹#県指定無形民俗文化財 #気仙沼 #気仙沼百景 #廿一田植え踊り pic.twitter.com/CsUK7l4cld
— 気仙沼百景 (@kesennuma100) January 2, 2025
気仙沼百景さん、ありがとうございました。
1月5日の三陸新報でもつぎのように紹介されていました。
三陸新報1月5日記事の一部イメージ
記事によれば、高齢化のために保存会の会員が減少するなか、地元落合地区出身の伊東さんという女性が笛担当として新たに加入し、今回の初舞いにも参加してくれたそうです。冒頭の映像にもうつっている方ですね。ありがとうございます。
ネット情報では、保存会の若手2人が体調不良で不参加となり、踊っているのは70歳以上の方々とか。
◎宮城県指定無形民俗文化財
「廿一田植踊」は、宮城県の無形民俗文化財に指定されています。県の指定文化財サイトではつぎのように説明しています。
・指定文化財〈県指定無形民俗文化財〉廿一田植踊
口伝によれば、明治の初め頃、黒川郡方面から伝わったとされているが、岩手県の気仙地方から伝えられ、江戸時代から踊っていたとする説もあり、定かではない。
秋保などの「弥十郎田植」の系派とは異なる「掲鼓田植」の系派の数少なくなった田植踊で、技芸も優れており、装束や芸態には地域の特色を持つ古来の芸風を継承保持している。また、県内の田植踊りのほとんどで本来の正月に踊られることがなくなっているなかで、廿一田植踊だけが正月行事として集落を巡っている点もきわめて貴重である。
毎年元旦の早朝に、地区の八雲神社と古峰神社で、豊作祈願の舞いを奉納した後、地区の農家を門付して回っている。(引用は以上)
なお、気仙沼市での宮城県指定無形民俗文化財は3件で、〈廿一田植踊〉のほかに〈新城の田植踊〉〈早稲谷鹿踊〉(わせやししおどり)が指定されています。
◎2012年正月の廿一田植踊
YouTubeに読売新聞オンライン動画さんによる「廿一田植踊」映像がありましたので紹介します。見出しは〈仮設住宅で五穀豊穣祈る「田植踊」〉です。
読売新聞東京本社写真部の岩波友紀さん撮影で、2012年1月5日公開というクレジットがありました。同年1月1日の「廿一田植踊」映像だと思います。記事を引用します。
〈宮城県気仙沼市の「廿一田植踊保存会」のメンバーが、仮設住宅を訪れ田植踊を踊った。地区の伝統芸能で、毎年元旦に神社で五穀豊穣などを祈願した後、集落の家をまわっている。今年は神社での奉納の後に仮設住宅へ。同会の小松正会長(70)は、「元日に多くの人に見て喜んでもらえたのがなにより」と話した〉(引用は以上)
映像のなかに当時の保存会会長小松正さんと思われる方の挨拶がありました。つぎのように語っています。(不明部は……)
〈廿一から門付けで出たことがないんです。今回はじめて出ましたけれども、皆さんに……元気が出るような……ができればなと、そんなふうに思って参りました。〉
廿一田植踊は各戸を訪問する〈門付け〉(かどづけ)の民俗芸能ですが、震災の翌年2012年は地元を離れて仮設住宅への〈門付け〉もおこなわれたのですね。ありがたい。
ふたつの動画を見て感じるのは、伝統芸能、民俗芸能の記録というのは大事だなということ。言うは易く行うは難し。なかなかに大変なことであることを十分に承知しながらもそう思いました。
廿一田植踊保存会関係者の皆様、本年正月の門付け初踊り、初舞い、ありがとうございました。
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