3月5日のブログで、気仙沼地域開発(株)が内湾地区で計画中の(仮称)スローフードマーケット内にクラフトビールのブリュワリー(醸造所)建設を準備していることを紹介しました。
3月5日ブログ「気仙沼内湾醸造所」
このブログの末尾に、〈今回の記事はスローフードマーケット内の一部店舗についてでしたが、今後はほかの店舗、そして全体施設イメージなどが伝えられることでしょう〉と記したのですが、4月20日の三陸新報に続報が掲載されていました。
三陸新報4月20日記事より
いやあ正直大変驚きました。こうした形でアムウェイの名を目にするとは思ってもみませんでした。記事の内容は、市の報道資料を基にしたものです。ここでは、
4月19日付けの日本アムウェイ社の報道資料から引用します。この内容は、同日の本件に関する気仙沼市報道資料にも、気仙沼地域開発(株)、一般財団法人日本アムウェイ財団、気仙沼市の三者連名での発表資料として添付されています。
◎気仙沼内湾地区に 「気仙沼アムウェイハウス(仮称)」建設決定!
〜気仙沼内湾地区が商業・観光拠点として生まれ変わる
気仙沼地域開発(株)および一般財団法人 日本アムウェイ財団は、気仙沼市との協定のもと、当財団の『Remember HOPE 東北支援プロジェクト』の取り組みの一環として、新たなコミュニティ施設「気仙沼アムウェイハウス(仮称)」を建設することを決定しました。
気仙沼は、古くから漁港を中心として栄え、日本有数の水産都市として知られてきました。また、その豊かな地元食材とみなとまちとしての歴史や街並みが、固有の文化を⻑い年月をかけ育んできました。そして、生活の中ではぐくまれてきた食を次世代に伝え、個性的で魅力あるまちであり続けるため、2003年に全国で初めて「スローフード」都市宣言をしています。
2011年3月11日の東日本大震災では、津波火災による人的被害は1357人(内訳:直接死1034人、関連死109人、行方不明者214人)に上り、甚大な被害を受けました。
震災から8年が経過した今、「食」を中心に固有の文化・風土を継承した気仙沼にしかない街づくりを目指し、官⺠ 一体となった地域開発が進められています。
本施設は、シアター設備を備えるコミュニティホールに加え、スローフードマーケット、ブリュワリー(クラフトビール)から構成される一体型コミュニティ施設です。収益は、地域コミュニティに還元されます。また周辺には、既にオープンしているウォ ーターフロント商業施設「迎(ムカエル)」、公共公益施設「創(ウマレル)」に加え、商業施設(スローストリート)が整備される予定です。
今回のコミュニティ施設「気仙沼アムウェイハウス(仮称)」の完成により、内湾地区は、気仙沼市が策定し、国の認定を受けた内湾地区まちなか再生計画に掲げる、賑わいある商業・観光拠点としてのまちづくりが加速することになります。 気仙沼が、これまでに以上に人々を惹きつけてやまない、豊かで誇り高い観光拠点として内外から愛されるまちとなることを期待しています。
当財団にとって6棟目となるこのコミュニティ施設は、2019年末の完成を目指しており、建設の資金は全額当財団に寄せられた支援金により賄われます。
■気仙沼アムウェイハウス(仮称)概要
所在地:気仙沼市南町17街区
敷地
面積:約 1457㎡(建設面積:約500㎡)
総工費:2億6千万円(予定)
完成予定:2019年末
(報道資料からの引用は以上)
資料には、財団の説明はあるものの、その母体ともいうべき日本アムウェイ合同会社についての説明があまりありません。これは、同社の〈アムウェイ・ビジネス〉について説明をはじめるとどうしても長くなってしまうからでしょう。私なりに簡潔な説明を以下に。知っている人には説明不要なのですが。
アムウェイの発祥地はアメリカです。今回はじめて知ったのですが、日本アムウェイ社は、2008年に株式会社から合同会社になっていたのですね。同社は「アムウェイ」の家庭日用品などを輸入して、メンバー登録したディストリビューターを通じて消費者に直販しています。以前は「ディッシュ・ドロップ」など洗剤のイメージが強くありましたが、いまではサプリメントやスキンケア、キッチン用品など幅広い製品展開をおこなっています。
アムウェイ・ビジネスの基本は、ディストリビューターが、身近な人にアムウェイ製品を勧めたり、新たなディストリビューターになることを勧めることといってよいでしょう。同社では〈人を通じて製品を販売する方法に半世紀も前から取り組み、ネットワークを広げています〉と説明しています。私もアムウェイの洗剤を使っていたことがありますし、知人からビジネスの勧誘を受けたこともあります。ただそれも、ずいぶん前のことになりました。
同社は、以前から社会貢献活動に熱心に取り組んでいます。1998年の長野オリンピックではゴールドスポンサーとして協賛しています。東日本大震災にあたっては、日本アムウェイとして被災地域への支援活動「Remember HOPE~東北復興支援プロジェクト」を開始しました。2013年10月には、より公益性、透明性をもって長期的に推進していくために「一般財団法人日本アムウェイOne by One財団」を設立し、その後「一般財団法人日本アムウェイ財団」となり現在に至っています。
こうした社会貢献活動の背景には、同社のビジネススタイルが、マイナスイメージを帯びたネットワークビジネスやマルチ・レベル・マーケティングではないかと批判される事情があるかもしれません。いわゆる〈アムウェイ商法〉として社会問題化したこともありました。
それはそれとして、東北支援プロジェクト「Remember HOPE」は、2016年度の企業フィランソロピー賞を日本アムウェイ社として受賞するなど、企業によるすぐれた社会貢献活動として評価されています。これまでに4棟のコミュニティハウスを宮城県南三陸町、福島県相馬市、岩手県野田村、大槌町に建設しました。大槌町の浪板海岸ヴィレッジ(大槌アムウェイハウス)は2016年にグッドデザイン賞を受賞しました。
そして5棟目のコミュニティハウスが建設されるのは、岩手県陸前高田市です。陸前高田アムウェイハウス(仮称)は、2018年10月に起工式がおこなわれ、本年9月の完成を予定しています。設計デザインはなんと隈研吾さんです。
同社のニュースリリースから陸前高田アムウェイハウスの完成イメージを。気仙大工の卓越した技術や気仙杉を使って建てられるとのことです。
陸前高田アムウェイハウス(仮称)完成イメージ
以上、少し長い紹介になってしまいましたが、私が育った内湾地区の復興に関わることですし、日本アムウェイ社と財団活動などについての発表資料内容については、できるだけ正確にと思いましたもので。
気仙沼アムウェイハウス(仮称)の完成予定は、2019年末。無事の完工を願うとともに、日本アムウェイ財団さんのご支援に御礼を申し上げます。
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