fc2ブログ

ビーチサイドの人魚姫

俊樹

2019年9月Nikon D700で一眼レフデビュー。カメラは独学。2020年4月、Nikon D810へアップグレード。いつか写真展を開く為、日々精進。勿論、詩、小説、エッセイ、作詞は継続中。2021年夏、Nikon Z7Ⅱへと更にアップグレード。2022年10月、3回目の心臓手術に耐え抜き現在に至る。2023年8月ペースメーカー植え込み。

 毎年11月中旬辺りになると喪中ハガキが届くのだが今年は何の気配もなく過ぎたので、そろそろ年賀状の準備をと思っていた矢先の事だった。藤枝在住の従姉から連絡があった。喉を詰まらせ嗚咽の混じった震える声で「政人が亡くなった…」。私は暫く返す言葉が出ず従兄の顔が走馬灯の様に脳裏を駆け巡った。数年前に直腸癌が発覚し治療に専念し一旦は回復したものの、その後再発。そして再び抗がん剤等で治療を続けていたがその甲斐...

 10月もそろそろ下旬に差し掛かった頃、秋桜を撮るため浜離宮恩賜庭園へと向かった。ところがキバナコスモスは生い茂る様に咲いていたのだが私の目的だったピンク色の秋桜は何処を見渡しても咲いておらずすっかり意気消沈し、早々に庭園を後にした。時間的に暗くなるまでには十分余裕があったので庭園からかなり近い所に築地大橋があるため、気持ちを切り替え橋へと向かった。橋の中央辺りまでは長い緩やかな上り坂なのだが、これ...

 昨年の秋に初めて彼岸花を撮ったが、その切っ掛けは若くして自ら死を選んだ母の想いについて記したかったから。母親の思い出は幼い頃の記憶を探っても何一つ見当たらなかったが母の後ろ姿だけは今も心の中に刻み込まれている。今回は父について…。11月5日は42歳で亡くなった父の命日だった。父(信夫)については過去の記事で何度も書いて来たが、パトカーをタクシー代わりに使って静岡から藤枝に帰った時の事が最も印象深く残...

 向日葵が咲く時季になると必ず訪れるのが葛西臨海公園。昨年その時期はペースメーカー植え込み等で入院中だったため今回は2年振りとなる。目的はひまわりの撮影だったのだが、時期が遅すぎたようでひまわり畑は元気のない俯いた顔ばかりが目立った。と、同時に人気の観光地なので、訪れる人も多く若い女性たちが畑のあちこちで見受けられた。多分、国外からの観光客もかなり多いように思われた。 ひまわり畑の直ぐ近くに日本最...

 東京に40年ほど住んでいるがこれまで上野の不忍池に一度も訪れる事はなかった。子ども達がまだ幼い頃には上野動物園に家族4人で時々出掛ける程度だった。不忍池に特別な興味もなかったのだが、SNSに投稿された写真の中に蓮の花が多く目立っており、その清らかで神秘的な美に魅入られてしまい自分もカメラに収めたくなった。チューリップの時もそうだった様に蓮の花を私はまだ一度も撮った事がない。何処へ行けばあの美しいピンク...

夜空を彩る花火の中にあなたの影が揺らいで見える浴衣の裾を昨日の雨で少し濡らした私を大丈夫?と小さな肩を優しく抱いたそのあなたは今夜空の花火となって私を見詰めていることでしょうあの夏の日二人の絆が途切れた時にもう花火は見ないと誓ったのに… 8月3日、板橋、戸田で同時開催された花火大会へ行った。天候は雲一つ止めぬ晴天で空からギラギラと輝く真夏の太陽が地上を睨み付けていた。荒川に架かる笹目橋を渡り、打ち上...

 Nikon公認ニッコールクラブ静岡支部の写真展が18日大盛況の内に幕を閉じた。12~18日の開催期間中にギャラリーへ足を運んでくれた方は300人を超えた。この数字が多いか少ないかは私には分からないがクラブの諸先輩方が口を揃えて「大成功!」と語っていたので目標を達成出来たのであろう。私の友人である養護学校時代の同窓生数人、ブログを通じて知り合った方も数人が訪れれてくれ自身のブログで写真展の紹介をしてくるなどして...

 初めてスカイツリーを撮影したのは2012年8月だった。スカイツリーは同年2月に完成しているのでオープン間もない頃。友人と東京ソラマチで待ち合わせし、スカイツリーに上るつもりであったが、全国から観光客が集まっており、4時間待ちのアナウンスが…。とてもそんなに待てなかったのでソラマチの和食屋に入り食事をして帰宅。その帰り際にスカイツリーの真下からパチリと記念撮影。 その頃はカメラ等には全く興味がなく現在の...

 16回目を迎えるニッコールクラブ静岡支部の写真展が開催されます。静岡支部は2009年設立、現在のメンバーは私も含め11人と少ない方ではありますが、Nikonをこよなく愛しカメラ歴の長いベテランカメラマンの集団です。副部長である私の息子『鈴木勇樹』は、世界からも注目を集め難易度の高さで定評のある『ニッコールフォトコンテスト』で昨年、モノクロ部門(組写真)で入選を果たしました。 そんな息子から今年4月に静岡支部...

恋も未練もみな捨て去ればいつかあなたを忘れるかしら移ろう季節に手を伸ばし届かぬ想いと知りつつ待った雨の季節が過ぎればきっとたたんだ傘に涙雨滲んだ恋は涙のせいね流れる雫と一緒に濡れて恋に溺れる魚になった泳ぎ方すら忘れて独り色づく季節にさよなら告げて咲けどみだるる花の雨ひとりよがりの恋だったあの日あなたの背中を見詰めせめてあなたの心に届く花になりたい咲かせたい例え命が枯れ果てても命燃え尽きるまで咲きま...

  皆様、暑中お見舞い申し上げます。体温を超える様な連日の猛暑とゲリラ雷雨。年々この気温の高い傾向は増して来ていると思われ明らかに温暖化が加速している事を実感する日々。熱中症で救急搬送される方も年齢を問わず増えており、出来る限り暑さを避け水分補給を忘れず無事にこの夏を乗り越えて頂きたく思う次第です。 さて、以前の記事で紹介した日比谷の高層ビル群の続編である。その時の目的は日比谷公園のシンボルである...

溢れ出すこの想いを止められなくてあなたの背中を追い掛けていたあの頃戻れない日々と解っていても儚き望みに埋もれて眠ればこの花の中であなたに逢える色とりどりに咲く花がわたしの想いを染めてゆく 4月の退院以降、風景写真(夜景)はほんの数枚撮っただけで、それ以外は花ばかり撮り続けていた。風景を撮らなかった理由は単に天候が気に入らなかっただけの事。花(植物)は天候にさほど左右されず雨の日でもそれはそれで情感...

 前回のネモフィラは『青い妖精』と表現したが、今回は『踊り子』にしてみた。ライトアップされたお花畑はそこに咲く花たちのステージでもある。それは劇場でスポットライトを浴びながら踊るダンサーと同じだろう。その花の持つ魅力を如何に引き出し彼女たちをヒロインに仕立て上げるか、その作業こそが撮り手に問われる大きな課題でもある。 舎人公園のネモフィラは昨年、初めて訪れネモフィラ畑が何処にあるのか分からず広い公...

 私はかなりの方向音痴である。花音痴も相変わらずで困ったものであるが、地下鉄を降りて地上に出た時、自分が何処にいるのか分からなくなるのでスマフォのGoogleマップを頼りにし、現在地と目的地を把握する。方向音痴はどうすれば直るのだろうか?方向が分からないからと言って特別困った事がないので野放しにしているのだが、これはもしかして認知機能に問題があるのかも知れない。 この日は日比谷公園へ撮影に行く途中で、都...

 チューリップ記事の冒頭で触れているように桜の事がよほど悔しかったのか、この浮間公園へ短期間の間に3回も足を運んだ。1回目はチューリップとネモフィラの撮影に専念。陽が西に傾き始めた頃まで撮影を続けていた。夜景を撮る予定はなかったので、それは別の日に回して公園内を歩き回った。 浮間公園は舎人公園や昭和記念公園のように広くはないため、池の淵に沿って歩けば1時間も掛からないほどコンパクトな公園である。そ...

 桜が撮れなかったその反動と言う訳でもないのだが退院早々重いレンズを2本バッグに詰めて撮影に出掛けた。入院中、退院に向けたリハビリが今回はなく2週間殆どがベッド上で安静だったため体力・筋力がガタ落ちだった。本来であれば自宅でゆっくりトレーニングするのがベストだと判っていたが、花を撮りたいと言う衝動を抑えきれずチューリップが満開の浮間公園へと向かった。4月は全体的に天候が不順で青空の見える日が余りな...

 2月中旬過ぎの事だった。株式会社文化工房(朝日テレビグループ)広報メディア局の制作部である方からDMが届いた。内容は、首都高速道路(株)より委託を受け編集・サイト運営を行っており、『首都高速NEWS』への写真掲載に協力して頂けないかと言う連絡であった。 初めて耳にする社名だったので、暫く考えてDMに貼り付けてあったURLを調べてみると、昭和28年創業の会社で映像・印刷物・WEB・モバイル関連など幅広い分野での制...

 4月2日、桜の満開を目前にして心不全のため緊急入院となった。昨年8月の退院から一年を待たずして再入院となり我ながら情けなく思う。入院は数年前から最早恒例行事になりつつある。2年前の10月、皆さんもご存知の通り三尖弁の手術が大成功を収め、心不全の要因を断ち切った筈なのにそれでもなお病魔は私に執念深く付き纏って来る。 3月初旬の循環器内科外来時では、心不全の指標となるBNP値は1300と高めではあったが、さほど息...

  私が子ども時代を過ごした故郷の静岡県藤枝市は温暖な気候に恵まれている事もあり、雪は滅多に降らない。降ったとしても積もる様な事は先ずない。私の幼い記憶の何処を探しても雪の姿は見当たらない。その代わり冬になると天候に関係なく富士山に積もった雪が風に運ばれてヒラヒラと舞い落ちて来る。それを『風花』と呼んでいた。それがまるで白い天使の羽根の様に見えて風花の舞う日は嬉しくて外ではしゃいだものである。 上...

 スタジオジブリ作品の中で癒し系キャラNO1と言えばやはりとなりのトトロだろうと思う。1988年に長編アニメ映画として世に出てから36年の歳月が流れて今も尚、年齢を問わず万人に愛され続けているキャラクター。無垢な心を持った子どもにしか会えない(見えない)ファンタジーの中の生き物である。トトロが棲んでいる森には巨大な楠木があり、この巨木には精霊が宿ると言われ古の時代から御神木として崇められている。 トトロは...

 この東京タワーは昨年の7月に撮影したものだが、その頃と言えば徐脈性心房細動で緊急入院し、生きるか死ぬかのドタバタ劇を繰り返していた時期。つい最近の様な気もするがペースメーカー植え込みから半年が過ぎ、今はほぼ元気な毎日を送っている。正確に記すと7月22日の朝、前日に撮影した写真をRAW現像しようとパソコンの前に座った途端、いきなりの目眩、頭がクラクラし一瞬だったが気を失ったかも知れない。デスクの角に頭を...

※イギリスのロックバンド『アニマルズ』の代表曲。全米ビルボードで3週連続1位を記録している。日本語歌詞は浅川マキ自身による。 一年を通じて夕焼けが最も美しいのは秋から冬にかけて。一眼レフを始める前は空が何色だろうと気にも止めていなかったが、カメラを手にした途端に空模様が気になってしょうがない。その日撮影に行くか止めるかはほぼ天気次第である。空一面をオレンジ色に染める夕陽も魅力的ではあるが、私は青と赤...

 クリスマスイベントが日本に広まり定着する切っ掛けを作ったのは銀座の明治座と言われている。クリスマス商戦を何処よりもいち早く展開し、庶民向けの豊富な商品の販売は人気も上々で大成功を収め、日本に於けるクリスマスの礎となった。  クリスマスと言えば欠かせない物がプレゼントである。サンタクロースに願い事をし、贈り物を心待ちしていた幼い記憶を誰もが皆持っていた。そんな無垢な心からやがて月日が経ちその正体を...

 九品仏浄真寺の訪問はこれが3回めとなるが、この場所が都内で2番めに人気のある紅葉スポットだと始めて知った。2023年の紅葉は夏が長かった影響もあるのか紅く色付くのが例年よりも遅い気がした。11月中旬過ぎにそろそろ色付き始めているだろうと思い、増上寺へ行ってみたのだが紅く色付いたもみじの姿を見る事は出来ず緑一色と言う、ちょっと残念な結果だったが、撮り方次第で青もみじもまた味わい深い趣のあるphotoに変身す...

Happy New Year 2024!2022年に引き続き昨年も皆様には大変ご心配をお掛けしました事をこの場を借りてお詫び申し上げると共に2024年が明るい希望に満ち溢れる一年になりますように。 年明け早々不安で暗いニュースが飛び込んで来て正月気分が吹き飛んでしまった方も多いのではないだろうか?筆者もその内の一人であるが、元日の夕刻に能登半島を震源とする震度7の巨大地震…。地震発生から一夜明けた2日にはその被害の大きさが想像...

 今回の秋バラ撮影では、いつも行く鳩山会館や新宿御苑ではなく練馬区光が丘にある『四季の香ローズガーデン』まで足を運んだ。このバラ園には3年前、一眼レフデビューして一年目を迎えた頃に出掛けているのだが、薔薇を撮ったつもりがHDの中身を調べても一枚も見当たらなかった。多分、薔薇を撮るのが苦手で敬遠していた時期だったため、園内に咲き誇っている秋の花を眺めるだけに終わったのかも知れない。 都営三田線の春日駅...

 天王洲アイルはお台場と並んで人気の観光スポットである。私のお気に入りでもある為、年に数回は撮影に訪れている。運河に囲まれた水辺の風景を眺めながらお洒落な水上レストランで食事を楽しむカップルも多い。 撮影した橋は『天王洲ふれあい橋』と言う名称で、歩行者専用の小さな橋であるが、夜になると綺羅びやかな光でライトアップされて、夜景撮影の人気スポットでもある。季節によってライトアップの光が変わる。最初に訪...

 昨年はコスモスの咲く時季に入院・心臓手術と大変な時期を過ごしていたため、撮影どころではなかった。退院後、何としてもコスモスを撮りたくて無茶を承知で浜離宮恩賜庭園へ行ったものの時季既に遅くまともな撮影は出来なかった。その時のリベンジと言う訳ではないが、今回かなり気合を入れて撮った積りである。都内にあるコスモス畑は浜離宮恩賜庭園くらいしか思いつかず一応行ってみたがキバナコスモスが乱雑に咲いているだけ...

 世界を明るく照らす平和の象徴でもある自由の女神像。定説ではないが、そのモデルとなっているのはアラブの女性だと言う説…。当時、スエズ運河を航行する船舶の安全を守る灯台として建てられたのが起源だとか。アメリカの独立100周年を記念してフランスから寄贈された像だと言うのは誰もが知るところであり、灯台としての役目も担っていた。 その右腕を天に向けて高く掲げその手に持つトーチで暗雲立ち籠める世界を照らし、自由...

天から満遍なく降り注ぐ陽射しを浴びて地上に紅い花が咲き誇る貴女が旅立った彼岸花の咲く季節にこうして私はその死に想いを馳せる壮絶な苦しみ悲しみを抱えたまま生きて行くのは限界だったこの花のように悲しみが紅く染まる時貴女の代わりに微かな想い出と共に佇んでいる 一ヶ月以上前の事ではあるが9月8日は母(雪子)の命日だった。28歳と言う若さで自らその人生に幕を下ろしてしまった母。私自身、母の顔もまともに覚えてお...